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一の橋の付下げ「松竹梅」(実際の制作は倉部さん)の帯合わせです。

第三千五百二十四回目は、一の橋の付下げ「松竹梅」の帯合わせです。

今日は昨日の続きで、着て行く場や季節を考えて、いろんなタイプの袋帯を合わせてみました。

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いちばん上の写真は、織悦の袋帯「彩籠目」を合わせてみました。伝統的な文様である籠目を、色だけ工夫して形としては小細工しないでならべたものです。籠目の意味は収穫物を入れる籠でしょうが、収穫は春も秋もありますし、季節もなく使い勝手は良いですね。

連続文様である籠目を1つ独立させたのが「籠目文」でカゴメの商標でもありますよね。籠目文というのは、イスラエルの国旗でもある六芒星であるために、ユダヤと日本が関係があるとか、「かごめかごめ」の童謡はヘブライ語だとか書いている本もありますね。ユダヤ系の人は日本の籠目文を知らないでしょうから、こんな帯を見たらびっくりするかも。カゴメの商標については、Wikipediaに説明があります。野菜を扱うなら洋野菜が良いとアドバイスしてくれたのが陸軍時代の上官で、それに感謝して陸軍の星マーク(五芒星)を商標にしようとしたら認められなかったので、六芒星にしたら籠目という意味で認められたというんですね。

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写真2番目は、池口平八の袋帯「琵琶湖」を合わせてみました。絵緯糸(模様を表現するための緯糸)で琵琶湖の水面を表現した作品です。見る角度で光の当たり方が違い、離れると本当の水面のように見えることを狙った織物です。日本には波の形を表す多くの優れた文様がありますが、そのような波の形ではなく、モネの水面の描き方のような感じですから、印象派の原理を織りで再現したのだと思います。

着物のテーマが早春の梅でも四季共通の縁起物である松竹梅でも関係なく使える帯です。


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写真3番目は、洛風林の袋帯「宝飾華文」を合わせてみました。日本にもありますが起源はユーラシアのどこかで、和風ともエキゾチックとも思える華文をテーマにしているもので、着物のテーマが早春の梅でも四季共通の縁起物である松竹梅でも関係なく使える帯です。

帯に季節が無いのですから、季節は着物次第です。春に着る時は梅ということにして、秋に着る時は松竹梅ということにすればいいと思います。

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写真4番目は、龍村の袋帯「錦秀遺芳文」を合わせてみました。帯の意匠に季節を表すものはありませんが、平家納経に取材しており、厳島神社→錦秋安藝の宮島なんて連想が進みますから、なんとなく秋のイメージがあります。季節をわけがわからないようにすることで、季節に関係なく着ることを想定しています。

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写真5番目は、織悦の袋帯「遠山桜楓」を合わせてみました。着物は「寿三友」と言われる「松竹梅」ですが、帯は「桜楓」という別の慣用的な組み合わせの意匠です。1つのコーディネートに異なる2つの原理が存在しているんですね。人は他人の着物を見ると、季節はどうか、なんてチェックしたくなるものですが、チェック不能にしてしまう帯合わせです。

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写真6番目は、織悦の袋帯「枝菊吉甲地文」を合わせてみました。織悦には、いつもの糸が浮かないタイプの他に、唐織のように緯糸が浮いて模様を表現するタイプがあり、「彩悦錦」とネーミングされています。枝菊文様と亀甲文が重層的に見える二陪(ふたえ)織物で、有職織物の1つです。これは織悦ですが、この分野では人間国宝の喜多川平朗と俵二の方が有名ですね。

有職文様の知識のある人にとっては、四季に関係のない格式の高い帯ということになりますし、そうでない人にとっては、菊だから秋ということになるでしょう。見る人のレベルや解釈で意味が変わるんですね。梅なら早春、松竹梅なら四季、という解釈次第の今回の付下げに合わせて世間を混乱させれば、着る人の都合で着られるんじゃないでしょうか。
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[ 2016/10/04 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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