一の橋の付下げ「松竹梅」(実際の制作は倉部さん)の帯合わせ

第三千五百二十三回目は、一の橋の付下げ「松竹梅」の帯合わせです。

今日は袋帯を合わせてみます。フォーマルな付下げですから、基本の帯合わせは西陣の袋帯です。松竹梅という格式のあるテーマで、フォーマルな場にふさわしい着物と解釈して、正倉院文様などの格式の高い意匠の帯を合わせるか、早春にふさわしいお洒落な梅の着物と解釈して、季節モノや洒落もの系の帯を合わせるか、2通りの帯合わせができると思います。

ただ、その2通りというのは完全に分かれているものとは限らず、意味的にはフォーマルな模様であっても、色がお洒落、とか両方兼ねるような帯合わせもできますね。そしてそういうのが頭の良さそうな帯合わせということになるんじゃないでしょうか。

IMG_27621.jpg
いちばん上の写真は、織悦の袋帯「雪輪くくり入」を合わせてみました。季節モノの梅の模様と考えて、雪輪を合わせてみました。雪と梅の組み合わせで、冬から春に替わるころ、初釜にちょうどいい帯合わせです。

IMG_27571.jpg
写真2番目は、織悦の袋帯「東大寺花文」を合わせてみました。「東大寺花文」とは正倉院御物の華文という意味です。聖武天皇の所用の品ということで、フォーマル柄として合わせてみました。縁起の良い松竹梅と皇室に関わる模様ということで季節は関係がなく、10月か11月の結婚式に呼ばれてもいいと思います。

IMG_27731.jpg
写真3番目は、紫絋の袋帯「臈纈花鳥文」を合わせてみました。タイトルには「臈纈・・・」とありますが、臈纈にかぎらず刺繍や挟纈も含む正倉院御物の染織品から自由にチョイスして意匠にしています。歴史的な意味では格が高い模様ですが、模様のタッチが軟らかいために堅苦しい雰囲気がありません。

タイトルが「臈纈・・・」であるのは、実際の元絵の技法に関わらず作品のタッチが軟らかくて臈纈っぽいからでしょうね。そのために意味はフォーマルながら、雰囲気は洒落モノっぽいところもあります。

IMG_27541.jpg
写真4番目は、龍村の袋帯「郁芳間道」を合わせてみました。間道は名物裂として輸入されたものですから格の高いものですが、一方で縞として粋と感じる人もいます。その辺は見る人に自由に解釈してもらうということで、フォーマルでも洒落着でも幅広く使えると思います。

IMG_27531.jpg
写真5番目は、龍村の袋帯「清風間道」を合わせてみました。上の例は、紺とベージュで身が引き締まるような早春の雰囲気があります。こちらは黄緑で春爛漫の雰囲気がありますね。

IMG_27591.jpg
写真6番目は、織悦の袋帯「料紙文山川能宣集」を合わせてみました。道長取りというのは平安貴族を思わせ、松竹梅の着物にふさわしいフォーマル方向の組み合わせと言えます。

その一方で、和歌を書く料紙ということで、紀貫之の「人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける」を連想すれば、早春の梅の着物にふさわしい帯合わせということになりますね。
スポンサーサイト
[ 2016/10/03 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/1154-7a7469cb