千切屋治兵衛の名古屋帯「金彩華文唐草」の帯合わせ

第三千五百十七回目は、千切屋治兵衛の名古屋帯「金彩華文唐草」の帯合わせです。

名古屋帯ですが、豪華な金彩な帯ですから、今日は付下げに合わせています。あっさりした附下に染め帯という帯合わせは、日舞のグループなど着物をふだんに着る人の間では結構多いとか。

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いちばん上の写真は、大羊居の付下げ「菱取り花文」を合わせてみました。前姿はチューリップ、後姿にはコスモスがありますが、模様は全て菱取りの中に入っています。地色は綺麗なレモン色です。

パルメット模様は、元は植物ですがあくまで建築装飾ですから、無機物で意味も季節もなく、着物を合わせる時は比較的相手を選ばなくて良いと思います。ただコリント様式が始まりで、西洋的なものですから、着物の意匠を和風にするか洋風にするか考える必要がありますね。この例では着物も帯もエキゾチックなテーマで統一してみました。

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写真2番目は、花也の付下げ「雪輪取りサンテチエンヌリボン」を合わせてみました。サンテチエンヌはリボンの産地として有名なフランスの市です。この作品は、サンテチエンヌのリボンのデザインを刺繍にしたものですが、実際にサンテチエンヌではどんなリボンを作っているのかと検索してみたら、犬のリードを売っているサイトにたどり着きました。

花也では、サンテチエンヌリボンというテーマで数点制作していますが、これは雪輪という純和風な模様と合わせています。

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写真3番目は、花也の付下げ「変わり縫い一方付け羊歯」を合わせてみました。花也では、シダ文が一方付けの地紋にしてある無地を販売していたのですが、今回その一部を防染して白揚げの付下げとしました。さらに要所に刺繍をしてあります。図案としては、裾から真っ直ぐなシダ文が伸びてきて、帯を突き抜けて胸までつながっています。通常のマエミやオクミのほか、突き抜けた胸の部分にも刺繍があります。

シダ文といっても、本物の植物の形跡はあまりなく建築装飾みたいな直線模様になっているので、パルメット模様の帯とは合っているかも。なお、一方付けの地紋というのは、指定された箇所で裁つと地紋が全て上を向くようになっているものを言います。

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写真4番目は、花也の付下げ「八重葎」を合わせてみました。葎というのは、人が住まなくなった屋敷の門などに絡みつく雑草で、家が寂れたことの象徴みたいなしょぼい草花です。それがなぜわざわざフォーマル着物の模様になっているかというと、源氏物語の帚木の「雨の夜の品定め」のところで言及されるからです。

この付下げは、八重葎を直線に意匠化して斜めに配しています。源氏物語にちなむテーマというよりも幾何学模様みたいですね。

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写真5番目は、野口の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは。当時野口の専属の作家だった岡本等さんです。友禅という技法は、本来、多彩で絵画的なものであるべきなんだなあと実感するような作風ですね。ゴム糸目のすっきりくっきりな輪郭線と、朱色を排したモダンな配色が特長です。

帯は色もなく、形も無機的な建築様式ですから、着物で多彩な植物模様を足してバランスを取っています。植物は洋花でエキゾチックで統一しています。
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[ 2016/09/27 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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