龍村の絽の名古屋帯「ちどり」の帯合わせ

第三千五百十三回目は、龍村の絽の名古屋帯「ちどり」の帯合わせです。

今日は紬に合わせてみます。金銀糸の使用もわずかですし、千鳥というテーマは鳳凰と違って格調高くありませんから、ちょうど良いと思います。

IMG_49191.jpg
いちばん上の写真は、首里織の作家、伊藤峯子さんの花倉織をあわせてみました。首里の織物は、もともと王家の官服ですから西陣織と同じということになりますが、着物の分類としては結城紬などと同じく地方の高級な織物のページに載っていますね。そんな矛盾した事情を踏まえ、龍村というフォーマル専門のイメージのブランドありながら紬に合う帯、という矛盾した存在の帯を合わせてみました。

IMG_49161.jpg
写真2番目は、林宗平の越後上布を合わせてみました。第30回の伝統工芸展に出品された作品です。越後上布の高級品は、手績みの糸で精緻な絣を合わせるものですが、これはコンクール用に制作されたものだからか、わりと創作的です。一見縞に見えるタテの線は、よく見ると途中途切れていてじつは経絣、模様の有栖川鹿文は緯絣です。

IMG_49291.jpg
写真3番目は、真栄城きく江さんの琉球美絣を合わせてみました。いつもの木綿ではなく駒上布の作品です。紗ではないですが、さらっとした織物で、単衣時期に着たら気持ちが良さそうです。

IMG_54991.jpg
写真4番目は、夏結城を合わせてみました。夏結城というのは越後の織物で結城の産地とは関係がありません。なぜそんなことができたのか、結城の産地から反発されなかったのか、なんらかの話し合いがあったのか、よくわかりません。ただ、最近まで結城には単衣に向く縮はあっても、盛夏用の夏物はありませんでしたから、市場的な損害はなかったということでしょうか。

しかし最近は、産地において、手紬、手括り、地機による手織り、の要件を備えた盛夏用の織物が制作されています。もしそれが「夏結城」として商標登録が認められたら、越後の「夏結城」はなくなったかもしれませんが、「夏結城は結城紬の夏物にすぎない」という理由で認められなかったそうです。

IMG_49311.jpg
写真5番目は、夏琉球(琉球壁上布)を合わせてみました。壁糸(検索するとわかります)を使ったシャリっとする手触りの織物です。絣は手括りで手織りというホンモノの伝統工芸品ながら、値段はリーズナブルというとても良い着物です。夏のカジュアルな織物はとりあえずこれで良いと思います。

IMG_49321.jpg
写真6番目は、松枝玉記の久留米絣を合わせてみました。龍村の夏物は、絽でありながら重厚感もあるので、単衣の着物に合わせて使うのも良いです。木綿の高級着物は、正絹の胴裏と裾回しを付けて袷にすることもできますが、単衣にすることも多いですね。木綿らしく水洗いできるということで。ついでに言えば、胴裏と裾回しの木綿を使うことはできません。重くて肩が凝ってしまうんですよね。

IMG_49351.jpg
写真7番目は、永江明夫の薩摩絣に合わせてみました。薩摩絣というのは、江戸時代までは沖縄の絣(今でいう琉球絣)のことを言ったそうです。すべて薩摩藩経由で流通したわけですから。現在の薩摩絣は、大島紬の織元である東郷織物で織られており、大島紬の技術で木綿を織ったものです。大島紬の木綿バージョンという感じですね。この作品は、大島紬で言うと9マルキに相当するものです。
スポンサーサイト
[ 2016/09/23 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/1144-e5078dfa