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千切屋治兵衛の振袖の細部(実際の制作は中井淳夫)

第三千五百九回目は、千切屋治兵衛の振袖の細部です。実際に制作したのは中井淳夫さんです。

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いちばん上の写真は、マエミの上の方の模様の近接です。前姿は、菊、梅、椿の3種類ですが、上が菊ですね。

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写真2番目は、菊にさらに近接して金駒刺繍の細部を撮ってみました。手間を惜しまない刺繍です。今こんな刺繍を注文したら、いくら散られるだろうかと不安を感じるでしょうね。

金駒刺繍を見る時は、まず金糸の色を見て、本金糸かポリエステル糸か判断します。わからないときは、裏を見てほつれている部分を探してチェックします。次に留め糸の間隔を見ます。作品によってけっこう間隔が違うものです。間隔が広いものは、早く安くできるわけですが、形が歪みがちになるのです。中井さんの金駒刺繍は歪みが無く奇麗ですが、留め糸の間隔が狭いからということもあります。

以上の見方は手刺繍による場合で、それ以外にミシンもありますし、別の裂に刺繍をしてそれをアップリケしたものもあります。複数の職人やミシンがそれぞれ刺繍をして、それを最後にアップリケすれば、豪華な振袖が合理的につくれますから。

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写真3番目は、前姿の上から2番目の梅の近接です。場所はオクミです。梅の花の形は、同じ形の繰り返しです。美には、自然の風景のような変化のある美しさと、神殿の列柱のような繰り返しの美しさがありますが、この作品の中には相反する2種類の美が自在に含まれているんです。

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写真4番目は、梅にさらに近接してみました。金駒刺繍は、一重と二重があってメリハリがついています。

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写真5番目は、マエミの下の方の椿の近接です。あしらい刺繍は、市女笠の籠の中央の花ではなく左端に集まっています。籠の花の絵としては端ですが、人が着た場合は前姿に寄った方にあり、着物としては中央なのです。

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写真6番目は、椿のさらに近接です。こうして見ると、金駒刺繍で作画自体をしている感じですね。花弁の凹凸ある輪郭線を正確にたどっています。
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[ 2016/09/19 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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