花也の付下げ「槇」の帯合わせ

第三千五百五回目は、花也の付下げ「槇」の帯合わせです。

今回の作品は、藤色というちょっと色気のある地色に、ほぼ白揚げだけで単一のモチーフが描いてあり、豪華より洗練を感じる作品です。しかし、テーマの槇は「真木」が語源で、木の中で最も格が高い木ですから、それがテーマである以上、格の高いフォーマル着物なのか、とも思います。

今回の帯合わせは、まず槇の付下げを格の高いフォーマル着物と解釈して、フォーマル度の強い袋帯を合わせてみます。次に豪華より洗練を感じる着物と解釈して、織悦や洛風林のお洒落な袋帯を合わせてみます。今日はフォーマル感を感じる方の帯合わせです。

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いちばん上の写真は、大庭の袋帯「扇子尽し」を合わせてみました。大庭というブランドは、バブル時代ごろすごくもてはやされて100万円を超える値段で展示会で売られていました。その後ネットショップで安く売られるようになり、最近はまたそこそこ値段が回復しているようです。

これは古い時代の西陣手織協会の「手織の証」が付いているものですが、全体は自然な絹の織物のように見えて、じつは全体が本金の引き箔になっているという豪華で真面目な帯です。扇子だからフォーマルだろうという程度の発想による選択です。

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写真2番目は、坂下織物の袋帯「御門綴」シリーズの1本、「天平華文」を合わせてみました。正倉院御物のいろいろなモチーフを少しずつコラージュして創った意匠です。全然違う作品のパーツが同じ画面に混じっているのですが、元作品を知らなければ気が付かないでしょう。図案家の手によって上手にコラージュしてあるからだと思います。正倉院御物は聖武天皇が使ったものだからフォーマルだろうという発想で。

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写真3番目は、大西勇の袋帯「有栖川龍文」を合わせてみました。名物裂である有栖川錦の龍の部分に取材したものです。龍だからフォーマルだろうという発想ですが、実際の作品はユーモラスでもあってお洒落ですね。

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写真4番目は、北尾の袋帯「錦繍本願寺道長文」を合わせてみました。地の組織は綴で、模様は絵緯糸で表現されています。道長取りは、料紙に加工される模様で王朝文化を連想させますからフォーマルだろうという発想です。実際には色数を抑えた都会的な雰囲気ですから、フォーマルだからではなく、洗練されたどうしで着物と合っているのかもしれません。

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写真5番目は、梅垣織物の袋帯「蒔絵花鳥文」を合わせてみました。蒔絵作品を帯の意匠として写したものです。金色の地は、細く裁断された引き箔の糸で織られていますが、とても細いために織物でなく漆であるようにしっとり見えるという作品です。
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[ 2016/09/15 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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