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花也の付下げ「槇」の細部と参考図版

第三千五百四回目は、花也の付下げ「槇」の細部と参考図版です。

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いちばん上の写真は、元絵の俵屋宗達の「槇檜図屏風」(部分)です。この左右に広い余白があります。今回の花也の付下げは、この作品をわりとそのまま写していることがわかります。この宗達の屏風が無ければ生まれなかったことだけは確かです。

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写真2番目は、マエミの近接です。

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写真3番目は、斜めから近接で撮ってみました。同じ形の葉を持つ枝が重なる様子を、色を使わないで描いているので、絵としては平面的でメリハリの無いものになってしまいそうなテーマです。元絵の屏風も墨の色だけですから同じ状況にあります。

それに対し、友禅の防染だけの枝葉と金彩で括った枝葉を描くことで、遠近感を生じさせ絵が平板にならないようにしています。これは、俵屋宗達が墨の濃淡でやっていることですね。花也作品は、さらに一部の葉の元辺りに最小限の彩色をして、さらにその一部を金糸で刺繍して光らせていますから、メリハリが生じて、平板な感じも退屈な感じも、複雑な枝の絡みで視線が混乱することもはほぼありません。しかしそれもまた、宗達が墨の色の無限の諧調で実現していることですね。

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写真4番目も、斜めからの近接です。

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写真5番目は、同じ宗達の屏風に取材した倉部さんの「槇」です。前姿(マエミ+オクミ)ですが、槇は3本でほぼ同じ構図です。

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写真6番目は、倉部さんの「槇」を近接で斜めから撮ってみました。宗達が墨の色の濃淡で表現したことを、倉部さんは金の濃淡で表現しています。本歌と比べてみると、毛筆で墨で描くよりはるかに扱いにくい金彩加工で、宗達の雰囲気に迫っており、倉部さん上手いなあと感心してしまいます。金彩でこのぐらい描ければ宗達の下職であっても務まったのではないでしょうか。
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[ 2016/09/14 ] 友禅 | TB(0) | CM(2)

まさに「はんなり」ですね

こちらの付下げ、素敵ですね。これまで紹介された花也さんの作品で、私は一番好きかも知れません。
昨日の記事の写真では、地色は均一かと思ったのですが、今日の写真で拝見すると、地色にも濃淡ぼかしがあるのでしょうか。
地色と彩色の色調が美しいだけでなく、わずかな葉の色の中に(地色にも?)程よい濃淡のあるところに、美しさに加えて揺らぎというか、色気を感じます。
一見して「これぞはんなり」と思いました。
[ 2016/09/14 02:03 ] [ 編集 ]

斜めから撮ると

着物の地色は暈しではなく普通の均一な染ですが、斜めから撮ると光の当たり方で部分によって地色が明るく見えるようです。実際に斜めからの写真を見ると、ぼかしに見えてしまいますね。映画を撮るときに、銀紙を貼った大きな板を持っているスタッフがいますが、ああいう道具を使って光を分散させれば、正しい情報が伝わるのだろうと思います。
もしこの作品がぼかしだったらどうでしょうか。着物の制作者は、1つのアイディアで1つしか着物を作らないわけではなく、最初はシンプルに作って次は暈しで作ったりしますから、そのうち暈しも現れるかもしれませんね。
[ 2016/09/15 16:49 ] [ 編集 ]

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