一の橋の名古屋帯「月と兎」の帯合わせ

第三千五百一回目は、一の橋の名古屋帯「月と兎」の帯合わせです。

今日は小紋(染めの着尺)に合わせてみます。染の着物というのは、織りの着物に対して、絵画性が高い(具象的な模様が表現しやすい、さらに物語性のある模様も作りやすい)ので、選択肢も多くなりますし、失敗の確率も多くなります。帯はうさぎで、動物がテーマですから、着物には動物は居ない方が良いということは考えますよね。

また帯は秋のテーマですから、着物のテーマが春では矛盾しますから、秋に揃えるか、季節に関係の無いテーマにする必要がありそうです。秋に揃えるばあい、芒や月などテーマが重なりすぎるとよくないですが、唐突に違うものを持ってくるのもテーマが散らばりすぎて、せっかくの帯のインパクトがぼやけてしまうかとも思います。その辺まで考慮して帯合わせをしてみます。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは長沢さんです。源氏香は、上品で文化的で季節もない便利なテーマですね。うさぎの帯に対しても、有能な背景役を務めてくれています。

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写真2番目は、野口の着尺を合わせてみました。飛び柄の短冊模様で、短冊の中は金描きの幾何学模様です。模様自体は、個性はあるものの、意味も薄く季節もなく、ただ配色だけは焦げ茶色の帯にきれいに合っています。

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写真3番目は、野口の着尺を合わせてみました。飛び柄の短冊のようですが、こちらは横長です。取り方の中は七宝繋ぎ、割り付け文、型疋田です。これも上と一緒で、個性はあるものの、意味も薄く季節もなく、ただ配色だけは焦げ茶色の帯にきれいに合っています。

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写真4番目は、野口の着尺を合わせてみました。全体に広がる模様ですが、模様が大きく、したがって余白も大きくなっています。テーマは楓ですから、帯と合う秋ですね。個性のある作品で、帯のうさぎと競合しそうですが、それでもうさぎが勝っているから大丈夫かなあと言うところ。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。縮緬地で銀杏を型友禅と型疋田で表現したものです。季節を合わせつつ、モチーフとなる植物を変えています。全身の模様だったらどうかと思いますが、飛び柄なのでいいのではないでしょうか。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。紬地で琳派の楓をテーマにしたものです。季節を合わせつつ、モチーフとなる植物を変える、上と同じパターンです。
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[ 2016/09/11 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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