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千切屋治兵衛の付下げ(実質的に訪問着)「若松に色紙取り鹿」の帯合わせ

第三千四百九十七回目は、千切屋治兵衛の付下げ(実質的に訪問着)「若松に色紙取り鹿」の帯合わせです。

いちばん最近の「美しいキモノ」に「付下げ活用術」という特集があって、「がんばりすぎないお洒落が今の気分!」と書いてあります。実際に今は、周囲を威圧するような堂々たる訪問着より、余白の多い付下げの方が便利がられる時代かもしれません。今回の着物は、強烈な存在感を持ちつつ同時に都会的な洗練もあるという優れものではありますが、さりげなくは着られませんね。

今日は着物のルールを外れない程度に、カジュアル方向に見える帯合わせを考えてみました。元絵は洒脱な琳派の鹿ですから、洒脱な雰囲気に戻れればいいですね。

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いちばん上の写真は、織悦の袋帯「柴垣秋草文尽し」を合わせてみました。元絵の琳派の洒脱さを取り戻すには、帯を洒脱な琳派にすればよい、という単純な発想です。

織悦の帯は洗練された雰囲気が特長ですが、その洗練がどこから来るのかと考えると、意匠に小細工をしていないことだと思います。この作品でも琳派の秋草を素直に並べています。元絵に加工しなければ魅力的というわけではないですが、色がクリアで透明感がありそれ自体が美しいので、小細工が要らないのかもしれませんね。


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写真2番目は、織悦の袋帯「光琳水」を合わせてみました。上の例と同じ発想です。

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写真3番目は、帯屋捨松のペルシア風の意匠の袋帯を合わせてみました。私はかつて、捨松のペルシア模様が大好きでそればかり仕入れていたことがありました。今はネットショップが良く扱う商品になっているため、価格競争になって扱いにくいんですけどね。

砂漠の国のデザインと思えば季節もないですし、現地の文化や歴史の中では意味や格式があるのかもしれないですが、日本人は知らないことなのでフォーマルに使ってもカジュアルに使っても良いですし、とにかく使い勝手が良いのです。

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写真4番目は、織悦の袋帯「金更紗蔓花」を合わせてみました。更紗模様というのは、日本ではわりとカジュアルな模様と思われています。黒留袖でも更紗模様の意匠はありますが、そのばあいにも「立派」とは言われず「お洒落」と言われるようですね。

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写真5番目は、池口平八の袋帯「琵琶湖」を合わせてみました。琵琶湖の水面を織りで表現した作品です。昨日の龍村の「海音光映錦」も波をテーマにしていて、その点では同じですがすごく違う印象です。昨日の波がロマン派なら、こちらの波は印象派なのです。

昨日の龍村は遠くから見ると迫力のある表現ですが、近くで見ると極めて精巧な組織を持った織物で、その凝り方にびっくりします。今日の平八は、織物の組織としてすごい技を見せているわけではないですが、配色の上手さか、あるいは配色が科学的に(光学的に)正しくなされているので、見る角度によって実際の水面に見えるのです。

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写真6番目は、龍村の袋帯「海老殻間道」を合わせてみました。間道というと名物裂の1ジャンルとしてフォーマルに感じますが、縞と言うと江戸の粋を連想してカジュアルに感じます。どちらも同じストライプなんですけどね。これは間道ですが、お茶をしているか着物好きでないと、名物裂なんて知りませんから、縞と思ってカジュアルと感じるでしょう。
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[ 2016/09/07 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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