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藤井絞の名古屋帯

第二千五百五十回目の作品として、藤井絞の名古屋帯を紹介します。

京都瑞泉寺に所蔵されている「松川菱取に菊藤模様辻が花裂」をアレンジして、名古屋帯にしたものです。京都瑞泉寺といえば、普通の由来の寺ではなく、豊臣秀次と妻子全部が処刑されて埋められた場所(畜生塚、当時は三条川原)の跡に、その菩提を弔うために建立された寺です。

畜生塚といえば、甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)の気味の悪い屏風の印象が強いので、もしやこの裂は、そのうちの誰かの物かも…とも思ってしまいますが、実際には江戸時代になってからこの寺に収蔵されたようです。

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いちばん上の写真はお太鼓、

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写真2番目は腹文、

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写真3番目はお太鼓の近接、

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写真4番目は参考図版です。

地色の紫が個性的ですが、元の辻が花裂の色を踏襲しているようですね。作品の魅力は何と言っても、松川菱の鋭角の絞りと、その中の模様の柔らかい曲線の対比でしょう。

模様に使われた絞の技法は、基本の帽子絞と縫締絞ですからなんということもありませんが、松川菱の鋭角はきれいですね。絞りをする時の人間の基本の動作は、摘まむ、ということですから、丸い形は容易く、直線や鋭角をきれいに仕上げる方が難しいわけです。

この作品は、さすがに絞が専業の藤井絞で、鋭角も直線もとてもきれいに上がっています。しかし、実際に身に着けることを考えれば、模様はともかく、紫という色が気になりますよね。どんな着物が合うのでしょうか。次回はそんなテーマで。
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[ 2013/11/26 ] 絞り | TB(0) | CM(0)

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