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野口の着尺の帯合わせ

第三千四百三十二回目は、野口の着尺の帯合わせです。

今日は染めの名古屋帯で帯合わせをします。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の友禅の名古屋帯を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんで、糸目は糊糸目です。

うさぎの顔は、友禅師の仕事の延長ではなく、面相筆を使う専門の人が描いています。うさぎの顔も友禅師に仕事のついでに描いてもらえばお金はかかりませんが、わざわざ別系統の職人(面相筆を専門に使うのは人形業界の職人ですね)に頼むとなると、そのわずかな面積のために別にお金を払わなければなりません。制作者の身になれば、そこそこ良いものをできるだけ安く作りたい
ところですが、小動物の顔という微妙なことのためにコストアップしても全力を尽くすところに心意気を感じます。

これは数年前に1度作って作って販売したことがあるのですが、白黒の兎がかわいいのでまた作ってしまいました。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の友禅の名古屋帯を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんで、糸目は糊糸目です。

恵比寿大黒をテーマにしたもので、お太鼓には大黒さま、腹文には恵比寿さまがいます。どちらもうさぎです。大黒さまを米俵の上に乘った鼠で表現するのは江戸時代からありますが、うさぎの方がかわいいので変更してみました。耳を長くするだけでうさぎになったので簡単でした。

これも顔は面相筆の専門の職人さんが描いています。十二単の女性をテーマにした着物などもありますが、顔を描くのにわざわざ面相筆の専門の職人を使ったものまではありません。今度、人間の顔を描いた着物があったら、ぜひチェックしてみてください。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の友禅の名古屋帯を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんです。着物と帯を花と蝶の関係にしてみました。着物の植物文は四季揃っていますが、一気に春のコーディネートに見えてきます。秋のモチーフにすれば秋のコーディネートに見えてくるということでしょう。

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写真4番目は、秀雅から仕入れた東京刺繍の名古屋帯を合わせてみました。刺繍に堰出しの疋田を合わせたもので、かつて北秀が千代田染繍に作らせて、超高級な黒留袖として販売していた様式です。

堰出しの疋田とは、1粒ずつ糊を置いて防染して描いた疋田です。整然と描いていますが、手描きらしい微妙な揺らぎがあるはずです。実際にはすごく上手いので、なかなか揺らがないですけどね。手描きの美とは、限界まで整然と描いて、人としての限界を超えたところにちょっとだけ揺らぎが見える時、そこに美を感じることだと思います。最初から揺らいでいたらただの下手ですし、完全に揺らがなければただの機械染ですものね。

刺繍のテーマは龍田川で、秋でコーディネートしてみました。

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写真5番目は、秀雅から仕入れた東京刺繍の名古屋帯を合わせてみました。刺繍に堰出しの疋田を合わせたもので、上は市松、こちらは菱形です。刺繍はほぼ秋草ですが、ちょっと見には四季花に見えますね、春っぽい地色のためでしょう。

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写真6番目は、野口の京友禅の名古屋帯を合わせてみました。実際に制作したのは橋村重彦さんです。橋村さんが野口の専属作家だったころのものです。中井さんの彩色担当だった橋村さんらしい重厚な色彩の作品で、もともと絵画性の高い着物に対し、さらに絵画性の高い帯を被せた感じですね。そういうのって、今は逆ギレっていうんですよね。逆ギレの帯合わせということになりますが、けっこう合ってませんか。
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[ 2016/07/03 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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