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野口の着尺の帯合わせ

第三千四百三十一回目は、野口の着尺の帯合わせです。

今日は昨日より自由に、理屈を言わずに帯合わせをしています。ただし、着物が植物文なので、植物どうしが重なるのは避けて、動物、器物、風景などを合わせています。着物の意匠も帯の意匠も、圧倒的に花や木が多いので、植物文が重なってしまうばあいは多いですね。そのため植物文でない帯というのを買っておくと助かるということがあります。

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いちばん上の写真は、龍村の名古屋帯「シャムパーシン」を合わせてみました。龍村のテーマを決めて展示会をすることがありますが、これはタイやインドネシアをテーマにした展示会に合わせて制作されたものです。絵画性の高い飛び柄小紋は、普通の総柄小紋よりフォーマル感が高いので、龍村の名古屋帯などが合わせやすいですね。

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写真2番目は、龍村の名古屋帯「寄せん裂」を合わせてみました。価値ある名物裂の小片を複数合わせて茶道具などとして使う文化は昔からありますし、今でも龍村の半端な裂を貼り合わせて帯などにして販売している業者もあります(龍村自身もやっている)が、これは複数の名物裂に見せてじつは1つの織物です。

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写真3番目は、龍村の名古屋帯「木画狩猟文」を合わせてみました。元の意匠は、種類の違う木を嵌め込んでつくった象嵌で作画されたもので、正倉院御物の五弦の琵琶の撥が当たる部分の装飾です。鐙の無い時代に、走っている馬の上で振り返って弓を射るなんて技は、生まれつき馬に乗っている胡人ぐらいしかできないので、正倉院ならではのモチーフですね。

狩猟文はこののちずっと日本人に愛されて、近世まで「韃靼人狩猟図」などとして繰り返し描かれます。

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写真4番目は、龍村の名古屋帯「竹屋町兎文」を合わせてみました。紗の生地に金糸を織り込んだ織物を竹屋町と言います。掛け軸の表装で見ることがありますね。織物である竹屋町裂を模して、紗の生地に金糸で刺繍したものもあって、それは竹屋町刺繍と言います。「竹屋町」というのは、それを制作していた京都の町の名前ともいいますが、それがどこだかよくわかりません。

本来の竹屋町裂は生地は紗なのですが、そうでなくても竹屋町というばあいもあります。これもそのようなものですね。

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写真5番目は、清原織物の爪掻綴の名古屋帯を合わせてみました。綴組織というのは、経糸を緯糸で包むように織るので、表面上は緯糸しか見えません。作画のために緯糸の色を変える時は、その緯糸はつながらないので、縦方向に色が変わるときは生地に断裂が生じるという宿命的な欠点があります。

それを避けるためには、なるべく縦方向に色を変えないことですね。風景ならば、絶壁のような縦長の風景ではなく、平原のように水平に広がる風景にすることです。この作品もそうですね。どうしても縦方向に色を変えたい時は斜めにしたり、凹凸にしたりして断裂を短く区切ることです。この作品で雲がギザギザしているのはそのためです。

技術的にダメ、という時は、意匠で乗り切ることもあるわけです。
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[ 2016/07/02 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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