大羊居の付下げ「花唐草」の帯合わせ

第三千四百二十回目は、大羊居の付下げ「花唐草」の帯合わせです。

今日は間道を合わせてみました。着物の意匠の曲線に対して、帯は対照的な直線の組み合わせです。日本にとってのストライプ模様とは、古代における正倉院の繧繝と長斑(絹)、中世における名物裂の間道(絹)、近世におけるインド産の唐桟縞とその国産化(木綿)、の3つの波だと思いますが、そのような歴史に関係なく縞は直線模様ですから、唐草、更紗という曲線模様グループと対峙させてみるということができます。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「ちとせ間道」を合わせてみました。龍村から発売されている間道のシリーズを集めてみました。ストライプ模様のなかでも「間道」を名乗るものは、中世以降、主に中国から舶載された名物裂ですが、それらの多くは博物館や前田育徳会など有名コレクションが所有しており、元の所有者などに由来する名前が付けられています。

龍村でもその再現品が作られていますが、「海老殻間道」を除くすべてが高島屋の専売になっています。そのため一般に販売できる「たつむら」ブランドでは、色の配置を変えるなどするとともに、歴史的な由来を連想させないネーミングで販売しています。今日紹介している「ちとせ」「彩香」「郁芳」「清風」はそのようなものでしょう。じつはいずれも、れっきとしたネーミングを持つよく似た間道が名物裂としてあります。

このような事情を、マーケティング理論では販売チャネル政策といいますね。元はGMが考案したものであり、自動車業界で盛んにおこなわれました。トヨタや日産も複数の販売チャネルを持っていて、それぞれのチャネル向けに、同じ車種をライトの形をちょっと変えたりして、セドリックとかグロリアとか名前を変えて売っていましたよね。

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写真2番目は、龍村の袋帯「彩香間道」を合わせてみました。

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写真3番目は、龍村の袋帯「郁芳間道」を合わせてみました。

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写真4番目は、龍村の袋帯「清風間道」を合わせてみました。

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写真5番目は、龍村の袋帯「海老殻間道手」を合わせてみました。「海老殻間道」は一般名として存在していますが、青木間道に似たもののようです。「ようです」としか言えないのは、名物裂の本にも載っているのですが、あまり有名ではないようで写真が無く、青木間道の説明のついでに書いてあるのです。

龍村のネーミングにおける「・・・手」は、完全に再現したわけではないという意味です。

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写真6番目は、龍村の光波帯「日野間道」を合わせてみました。日野間道の本物は東京国立博物館でみられます。間道というより揺らいだ段文ですよね。龍村としては、高島屋専売の「平蔵」ブランドで手織りの高額な袋帯を売るとともに、光波帯のシリーズとしてリーズナブルな価格で名古屋帯を売っています。

これは安い方ですが、最近どこも品切れしていますよね。機械織りの普及品はロットがあるので、一度欠品すると次にいつ織ってくれるかわからないことがあります。その点、世間では「希少」と思われている手織りの方がじつは入手しやすいということも。
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[ 2016/06/21 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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