第三千四百六回目の作品として、野口の紗の天鵞絨の着尺を紹介します。
天鵞絨といえば、和装では冬物のいちばん温かいコート地ですから、「紗の天鵞絨」というと、夏物なのか冬物なのか、矛盾した言葉に思えますが、手触りも含め、まあそうとしか言いようのない織物です。拡大写真も撮ってみましたので確認してみてください。
私もこういうものがあるということは全然知りませんでした。思い返してみれば、私は2,30年呉服屋をやっていて、お洒落なものや贅沢なものを教えてくれたのは、いつも野口でしたねえ。(糊糸目がどうのこうのと理屈を教えてくれたのは別の人)
今回、たまたま一反だけ仕入れてみましたが、反応が良ければ、来年はちゃんと注文してみようかと思っています。値段によりますが。

いちばん上の写真は、反物の幅を写真の幅として撮ったものです。生地の厚い部分と透ける部分とが市松模様のパターンになっています。

写真2番目は近接です。

写真3番目は、もっと近接です。ここまで近接すると、透ける部分は紗であること、厚い部分が天鵞絨のような組織であることがわかってきます。

写真4番目は、生地の厚い部分を拡大してみました。下に赤い紙を敷いてみました。赤が透けて見えるので、厚い部分も紗なんですね。

写真5番目は、生地の透ける部分を拡大してみました。下に敷いた赤い紙が見えます。ここは紗ですね。
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