絽の男児のお宮参りの着物

第三千四百一回目の作品として、絽の男児のお宮参りの着物を紹介します。

お宮参りの着物は、掛け着、お祝い着、熨斗目などいろいろな言い方があります。用途はお宮参りに行くときの着物ですから、ここではわかりやすく「お宮参りの着物」と表記しておきます。普通の着物と違うところは、普通の着物は背中が2枚の布で出来ていて背縫いがあるのに対し、お宮参りの着物は1枚の布で出来ているので背縫いが無いことです。もう1つは、普通の着物は前姿に模様の中心があるのに対し、お宮参りの着物はたいてい祖母が孫を抱き、その上に掛けるので、模様の中心が背中にあるということです。

この2つの特徴により、お宮参りの着物は仕立て直して大人用に変更することができないのです。ただし、女児のお宮参りの着物だけは、小改造により3歳の七五三に使えます。男児の七五三は5歳なので、もう背中の布が足りません。

お宮参りの日にちは、男児が30日目、女児が31日目ともいいますが、実際には地域によって違います。また厳密に日付を守る地域もありますし、親の都合で適当に変えて良い地域もあります。その地域の神主さんのアドバイスもあるでしょうね。

絽のお宮参りの着物は、生まれてから30日目が7月と8月に当たってしまった人のためのものです。日にちを適当に変えて良い地域だったら必要がありません。女児であれば、絽を買ってしまうと3歳の七五三に流用できませんから大損害になりますが、男児のばあいはどうせ七五三に流用できないので損害はないことになります。

しかし次男が同じ季節に生まれるとは限らず、そのばあいは買い直すことになりますね。でも子供が何人できるかということは人生の大きな出来事ですから、お宮参りの着物1枚で悩むことでもないでしょう。

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いちばん上の写真は全体です。

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写真2番目は、メインの模様の兜です。たいてい兜か鷹ですね。稀に宝舟もありますが、武よりも金というところでしょうか。戦前だったら将来の夢と聞かれて「陸軍大将」と答える子供も多かったでしょうが、今はお金がある方が良いですよね。

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写真3番目は、兜の下辺りの背中の模様です。富士山が描いてありますが、絽の着物ですから雪が少なめの夏の富士ですね。

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写真4番目は、袖の模様です。

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写真5番目は、もう片方の袖の模様です。両袖とも宝尽くしが描かれています。結局、武のイメージは兜だけで、それ以外は宝尽くしの方が多いです。人の上に立って威張るより、個人として豊かな生活をして欲しい、という親の願いを反映しているのだと思いますよ。
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