龍村の絽の名古屋帯「かすみびし」の帯合わせ

第三千三百八十七回目は、龍村の絽の名古屋帯「かすみびし」の帯合わせです。

この帯は、付下げから小紋、紬まで幅広く使えそうです。その理由は、名古屋帯ながらフォーマルのイメージが強い龍村ブランドであること、意匠の菱文自体は、有職文の業平菱や大名の家紋である武田菱や三階菱を連想させフォーマル感が強いが、それが揺らいだ形になっていて柔らかみがあること、などです。

今日はフォーマル方向で、絽や紗の付下げに合わせてみます。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の絽の付下げ「鏡裏文」を合わせてみました。実際に制作したのは野村さんで、糊糸目の友禅です。昔の鏡は銀製で裏に装飾が施されてあり、そちら側に美術的な価値がありました。それを着物の意匠にしたものです。鏡自体が庶民の持ち物ではありませんでしたから、模様にしたばあいもフォーマル感があるでしょうね。

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写真2番目は、野口の紗の付下げを合わせてみました。青楓をテーマにしたものです。この写真には見えませんが、若葉のような浅葱色の葉もある一方、やや黄色く枯れた葉もあります。青楓は春、紅葉は秋ではありますが、微妙にいろんな色を混ぜてくれると夏の前半でも後半でも着易いのでありがたいです。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の絽の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは村田さんで、糊糸目ですね。一般には雪輪は冬、破れ雪輪は早春ですが、夏物のモチーフとして使われることがあります。35度ぐらいの日が続くと正反対の模様を希求するようになるのでしょう。ケーブルテレビの日本映画専門チャンネルをよく見るのですが、毎夏、「八甲田山死の彷徨」をやってる気がします。要望が多いのでしょうか。

地色は小豆色です。真夏の小豆色は意外にありますね。お洒落の上級者の気がします。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の絽の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは市川さんです。萩がテーマですが、縦長の模様配置で、オクミに模様が多いです。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の絽の付下げ「棒霞」を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんで糊糸目ですが糸目は消してあります。「霞」ですから、背景の色と模様の色は自然につながっているべきで、白い糸目の輪郭線があっては無粋なのでしょうね。

このような模様は幾何学模様のようでもあり、季節も広いし意味もなく、帯合わせは楽ですね。
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[ 2016/05/19 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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