喜多川俵二の名古屋帯「唐太鼓花形文」

第三千八百八十三回目の作品として、喜多川俵二の名古屋帯「唐太鼓花形文」を紹介します。

地の模様の上にさらに模様が乗っているように見える二陪織物です。地の模様が蜀江錦を思わせる中国風の意匠であるのが特徴で、それが「唐太鼓」の意味ですね。

日本史上の最後の女性天皇ということで近年話題になる後桜町天皇が、退位後にこの「唐太鼓花形」を好んで着ていたという史料があるそうです。

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いちばん上の写真は、帯の幅を写真の幅として撮ってみました。花形文は4色ですね。

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写真2番目は近接です。

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写真3番目は、もっと近接です。

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写真4番目は、別の箇所の近接です。

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写真5番目は中央にある花菱文の拡大です。銀糸の絵緯糸で表現しています。

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写真6番目は裏側です。絵緯糸で模様表現をしているので裏に渡り糸が有ります。花形部分のように独立した固まりになっている模様は、耳までつながらずその部分だけ渡り糸が有ります。
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[ 2017/09/30 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(1)

紫紘の袋帯「蔦」の帯合わせ

第三千八百八十二回目は、紫紘の袋帯「蔦」の帯合わせです。

西陣の袋帯なので、フォーマルの、出来れば訪問着に合わせたいと思います。しかしながら実際に合わせてみると、ヘクソカズラという庶民的なネーミングの植物文なのが邪魔してか、フォーマルには使いずらいところが有ります。ヘクソカズラというのは、実際に臭いからそういうらしいですが、臭いという認識にも伝統があって、万葉集にもこの名で登場するようです。

結局、訪問着といってもカジュアルな雰囲気があるパーティー着に使用することにしました。

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いちばん上の写真は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。横段模様の着尺に使う型(シルクスクリーン)を流用したものです。

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写真4番目は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。更紗の着尺に使われている型を利用したものです。

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写真3番目は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。江戸時代の武士の衣装である熨斗目模様をイメージしたものです。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の訪問着っぽい着尺を合わせてみました。実際に制作したのは、中井淳夫さんです。訪問着のような重い加工ですが、縫い目で模様がつながるわけではないので着尺です。加工は金泥描きですが、模様の輪郭線は防染してあって、輪郭を防染して確定してから金泥描きしたようです。金泥部分は筆が勢いよく走って躍動的なのですが、防染してあるので、躍動する線は輪郭部分で綺麗に終わっているのです。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは、中井淳夫さんです。暈しとダンマル描きを使った深山幽谷のような雰囲気の訪問着です。ヘクソカズラの帯を合わせてみると、その山に生えている野草に近接したようで、深山幽谷に小学生が行って理科の観察をしたような雰囲気になります。

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写真5番目は、同じ訪問着に大西勇の袋帯「有栖川龍文」を合わせてみました。龍を合わせると深山幽谷に神話が加わるようで、全く反対になりますね。
[ 2017/09/29 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

紫紘の袋帯「蔦」の帯合わせ

第三千八百八十一回目は、紫紘の袋帯「蔦」の帯合わせです。

今日は染めの着尺に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、野口の着尺を合わせてみました。帯が曲線模様なので、着物は直線模様の四角い取り方を合わせてみました。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。帯が曲線模様なので、着物は直線模様の鱗文の飛び柄を合わせてみました。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。縞状の地紋のある、単衣用にも使えそうな薄くてしっかりした生地です。ドングリということで、季節の植物どうしというテーマの帯合わせです。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。帯が曲線模様なので、着物は直線模様の源氏香を合わせてみました。地色を帯と同系の緑系にしてみました。

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写真5番目は、野口の更紗の着尺を合わせてみました。更紗の前段階のような植物文に、本当の更紗を合わせたらどうなるのでしょうか。

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写真6番目は、野口の蝋染の着尺を合わせてみました。帯が曲線模様なので、着物は直線模様の格子を合わせてみたのですが、手描きの蝋染の格子なので、線は完全な直線ではなく揺らぎのある線です。直線で対決するよりも、曲線で迎合するよりも、この程度の組み合わせが私は好きだし、人生観そのものかな。

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写真7番目は、藤井絞の着尺を合わせてみました。手筋絞といわれる有松絞の意匠です。曲線の縞みたいな感じですね。藤井絞が有松に外注して作っています。
[ 2017/09/28 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

紫紘の袋帯「蔦」の帯合わせ

第三千八百八十回目は、紫紘の袋帯「蔦」の帯合わせです。

今日は紬に合わせてみました。西陣の袋帯でも紬に合わせることを意識して制作されるものがあります。龍村でもありますね。上手く使いこなすとかっこいいです。

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いちばん上の写真は、久米島紬を合わせてみました。通常の久米島紬は、緯糸だけが真綿で経糸は玉糸ですが、これは経緯とも手紡ぎの真綿糸を使ったモロといわれる作品です。手紡ぎの真綿糸を経緯に使うとコスト高になりますが、それだけでなく絣が合いにくくなるので難度が増すのです。

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写真2番目は、秋山真和の綾の手紬を合わせてみました。19世紀に織られた首里の織物として実在する織物を再び織ったものです。草木染の茶色が派手ですが、百数十年間の退色を考慮して元に戻したものでしょう。

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写真3番目は、横山俊一郎さんのみさやま紬を合わせてみました。経由する問屋によって「みさやま」と「三才山」の2種類の表記があります。松本市の三才山地区というのが名の由来です。

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写真4番目は、弓浜絣を合わせてみました。山陰伝統の絵絣の産地の1つで、作風は、地厚で、緯絣だけでありながら絵画性が高いのが特徴です。着物というより布団側時代の様式を守っているのでしょう。緯絣だけだから原初的というのではなく平明な美があると考えるべきでしょう。

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写真5番目は、大城織物工場の琉球絣を合わせてみました。

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写真6番目は、秋山真和の綾の手紬を合わせてみました。
[ 2017/09/27 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(2)

紫紘の袋帯「蔦」の帯合わせ

第三千八百七十九回目は、紫紘の袋帯「蔦」の帯合わせです。

今日は伝統工芸品で合わせてみました。西陣の袋帯ということを考慮して、作家モノとして展示会に飾りそうな着物を集めてみました。

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いちばん上の写真は、林宗平の塩沢紬を合わせてみました。「古代紬」というネーミングで制作していました。この作品は絵羽として制作されていて、作家モノとして展示するのにちょうど良い感じです。

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写真2番目は、秋山真和の花織を合わせてみました。目が痛いほど青い藍染の色です。花織だけの作品もありますが、これは絣も併用しています。仮絵羽にして展示するためには絣があった方が良いという判断でしょうか。

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写真3番目は、秋山真和の花織や絣を併用した作家モノっぽい絵羽の作品を合わせてみました。

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写真4番目は、山口良子さんの首里織に合わせてみました。花織(地を構成する糸が変化して紋織を形成するもの⇔浮織、別の色糸を差し入れて紋織を形成するもの)を一定間隔で横段に配したもの。花織のある部分だけ緯糸に別の色を使い、横段に花織が浮くようにして、絵羽にして飾ると映える作家モノっぽい感じにしています。

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写真5番目は、佐藤昭人の阿波藍で矢野さんが染めた藍染の着物を合わせてみました。藍の色が合うか試してみました。
[ 2017/09/26 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

紫紘の袋帯「蔦」の細部

第三千八百七十八回目は、紫紘の袋帯「蔦」の細部です。

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いちばん上の写真は、葉と蔓のルーペによる拡大です。絵画のばあいは、透視遠近法や空気遠近法で遠近感を表したり、明暗を付けたりして絵が平面的にならないようにするものですが、織物のばあいはそれらの表現に加えて、織りの組織や糸の撚り方の違いで実際に高低を変えて奥行表現することもできます。

この写真で言えば、蔓は断面が丸いですから甘く撚った糸で盛り上がる表現をしています。一方、葉は薄くてヒラヒラしているものですから地の組織と絡む表現で平面的にしているのです。

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写真2番目は葉のルーペによる拡大です。地がベージュ色の糸で、葉は緑色の絵緯糸なわけですが、絵緯糸の地の組織との絡み方で、ベージュが強いところと緑が強いところを作り、それで葉に対する陽光の当たり方による明暗や、葉脈を表現しています。こういうところは絵画にはない織物独自の表現方法ですね。

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写真3番目は蔓のルーペによる拡大です。蔓は葉と違って断面が丸いわけですが、糸の甘い撚りと地糸と絡まない織り方で、実際に膨らんでいます。絵画にはできない表現です。絵画では実際の立体にすることはできないですから明暗を付けることで立体に見せるんでしょうね。でも油彩画だったら絵の具を盛り上げてしまうかなあ。

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写真4番目は蔓のライトスコープによる拡大です。実際の盛り上がっているところを撮ってみました。このように糸が膨らんでいると、帯を締める時に擦れたり、締めている時に尖ったものが引っかかったりして毛羽立つリスクがあります。表現によっては実際に使用した時のリスクも背負っているわけです。このことは購入者には説明してあります。

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写真5番目は花のルーペによる拡大です。小さな地味な花ですが、それだからこそ絵緯糸で立体的な表現にしてアイキャッチポイントにしているのでしょう。

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写真6番目は参考図版です。今回の帯のような蔓がグルグル回る意匠の源泉として、昨日は鈴木其一の朝顔図を紹介しましたが、今日は蔓草模様といわれる江戸後期に流行った小袖の様式を紹介します。時代で言えば同じごろでしょうから、鈴木其一の絵もその流行の中に有ったのかもしれません。

アールヌーヴォーが世界的に流行る数十年前、日本では蔓草模様といわれる曲線模様が流行っていました。はじめは蔓植物を好んでテーマにしていましたが、そのうちこの楓や菖蒲、桜など絶対に蔓でも曲線でもあり得ない植物まで曲線で表現するようになりました。つまり蔓植物を真面目に描いて曲線になったのではなく、曲線自体を美しいものと感じそれを目的に題材を探していたんだと思います。

それがアールヌーヴォーの先駆けなのか偶然なのかわかりませんが、美術史では直線の時代と曲線の時代は交互に来るものですよね。数学的な透視遠近法のルネサンスの後にマニエリスムが来たり、ロココの後にナポレオン一世様式が来たり、アールヌーヴォーの後にアールデコが来るような感じですね。
[ 2017/09/25 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

紫紘の袋帯「蔦」

第三千八百七十七回目の作品として、紫紘の袋帯「蔦」を紹介します。

以前仕入れて、そのうちブログに掲載しようとして写真を撮っておいたのですが、実際に掲載する前に売れてしまいました。もはや宣伝する意味もないのですが、帯合わせまで入れるとかなり時間がかかっているので、もったいないから掲載します。

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いちばん上の写真は帯の幅を写真の幅として撮ってみました。タイトルは「蔦」ですが、実際の植物図鑑を見ると「ヘクソクズラ」ではないかといわれてしまいました。どうでもいいことのように思いますが、庶民的な植物だということは、帯合わせに影響を与えますね。格の高い訪問着などには合わせづらいですから。

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写真2番目は少しずらして同じように撮ってみました。蔓がぐるぐる巻いて躍動的な画面になっています。描く植物が蔓植物のばあい、人間の都合で形をつくれますから、良い絵になるかどうかも描く人次第ですね。

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写真3番目は、帯の端のロゴがある辺りが見えるように撮ってみました。

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写真4番目は近接です。

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写真5番目は、もっと近接です。

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写真6番目は参考図版です。鈴木其一の朝顔図屏風ですが、蔓植物が作者のセンスでグルグル回っているというのはこの作品が起源ではないでしょうか。

写真はネット上から拝借しました。このばあいの著作権の考え方は、平面作品については作者の死後50年経っていれば問題になりません。その写真を撮った人は、プロの写真家にお金を払っているかもしれませんし、機材を担いで苦労しているかもしれません。しかし著作権は創作を保護するものであり、コストや苦労を保護するものではないんですね。

立体作品のばあいは、写真を撮る角度に創作性がありますし、その結果生じた影に作者の意図が有る場合があります。だから写真を撮った人の著作権もあるのではないかと思います。染織品については迷いますね。皺や影があると撮る人によって違い創作性があるような気がします。
[ 2017/09/24 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

花也の付下げ「菊の葉」の帯合わせ

第三千八百七十六回目は、花也の付下げ「菊の葉」の帯合わせです。

今日も友禅の名古屋帯を合わせてみました。

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いちばん上の写真は、野口の名古屋帯「琳派菊模様」を合わせてみました。葉だけの付下げに対して、菊の花を足して本歌に戻すパターンをやってみました。

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写真2番目は、秀雅の名古屋帯「楓取り海浜模様」を合わせてみました。実際に制作したのは大松です。1枚の楓の葉に大きな海景を入れた図案です。小さなものに大きなものを入れてこそ意匠ですね。その逆だったらただの絵です。着物の意匠は小さな葉を大きく描く微視的なものですから、帯は大きな海景で良い組み合わせではないかと。

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写真3番目は、野口の名古屋帯「貝桶」を合わせてみました。実際に制作したのは橋村重彦さんです。江戸時代の袱紗にある意匠です。江戸時代の友禅のほぼ写しであるだけに、橋村さんの友禅の技をしっかり見せてくれる作品です。

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写真4番目は、野口の名古屋帯「御所解模様牡丹文」を合わせてみました。御所解模様の小袖の一部分を抜き出したものです。御所解の様式の着物はよくありますが、形だけ友禅で真似たものが多いです。この作品を見ると牡丹の輪郭が、白い糸目の線ではなく黒い墨の線です。そういうところに本気が見えますね。

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写真5番目は、大羊居の名古屋帯「高山寺」を合わせてみました。うさぎと秋草文ですが、大羊居ではすごく人気のテーマで付下げでも何度かつくられているようです。秋草文には菊もありますが、その菊をクローズアップしていくと着物の模様になるというつながりで合わせてみました。

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写真6番目は、一の橋の名古屋帯「月に兎」を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。ずーっと呉服屋をやっていると、たいていのものはこうやって作っているんだなとわかるものですが、真似をすることもできず、ただ崇めるだけのものは中井と安田ですね。

月は濡れているように見えるし、うさぎは憂いているのか憧れているのか、描けと言われたら描けないです。
[ 2017/09/23 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

花也の付下げ「菊の葉」の帯合わせです。

第三千八百七十五回目は、花也の付下げ「菊の葉」の帯合わせです。

今日も袋帯を合わせてみました。

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いちばん上の写真は、織悦の袋帯「彩籠目」を合わせてみました。籠目だけのデザインは、絵画的につまらない気がしますが、配色の上手さのおかげで結構綺麗ですし、籠目だけであるということが帯合わせでは圧倒的に有利になっています。

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写真2番目は、龍村の袋帯「海老殻間道」を合わせてみました。葉だけという言葉少な目の着物に対し、間道という無口な帯を合わせてみました。言葉を交わさないで親密さを表現する名優2人の演技みたいなイメージで。

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写真3番目は、龍村の袋帯「波兎遊跳文」を合わせてみました。兎いかがですか。

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写真4番目は、龍村の袋帯「有朋文」を合わせてみました。動物いかがですか。

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写真5番目は、龍村の袋帯「甲比丹(カピタン)縞格子」を合わせてみました。近世に東インド会社を通して輸入されたインドの裂は木綿の縞であるは唐桟とモールです。まだ日本で木綿の縞が織られていない時代、唐桟は高級品でしたが、薄い金の板を芯糸に巻き付けたモール糸を使った裂はマハラジャしか持てないほどの高級品でした。

これはそのモールをイメージした帯で、金糸の横段模様は現在の普通の金糸ですが、本歌ではこれが薄い金の板を芯糸に巻き付けたモール糸だったんですね。

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写真6番目は、帯屋捨松の袋帯「籠目地牡丹菊文」を合わせてみました。牡丹と菊が交互に織り出してある帯で、お太鼓が菊か牡丹は選べれば春秋対応で便利ですが、実際にはお太鼓が菊、腹文が牡丹になるだろうと思います。昨日と同じ、菊の花を復活させて本歌に近づける帯合わせです。

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写真7番目は、梅垣の袋帯「蒔絵花鳥文」を合わせてみました。梅垣の最高級クラスの帯で、引き箔の地が、蒔絵の肌漆の金の工芸品のイメージを織物で表現しています。
[ 2017/09/22 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

花也の付下げ「菊の葉」の帯合わせ

第三千八百七十四回目は、花也の付下げ「菊の葉」の帯合わせです。

今回の作品の本歌である小袖には菊の花もありましたが、作品化の過程で花が省略され、葉だけの作品になりました。今日は帯合わせでその菊の花を回復してみようと思います。品種改良でも、原種と掛け合わせてみることで、新しい種が生まれることもありますから。

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いちばん上の写真は、織悦の袋帯「彩悦錦枝菊吉向地文」を合わせてみました。有職織物の二陪織物の様式です。

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写真2番目は、織悦の袋帯「柴垣秋草文尽」を合わせてみました。

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写真3番目は、河合美術の袋帯「菊尽し」を合わせてみました。

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写真4番目は、華陽の袋帯「菊尽し」を合わせてみました。

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写真5番目は、野口が企画した袋帯「菊と波の丸」を合わせてみました。実際に制作したのは池口です。引き箔の地に金彩や刺繍を加えたものです。

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写真6番目は、織悦の夏の袋帯「菊と流水」を合わせてみました。
[ 2017/09/21 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

花也の付下げ「菊の葉」の続き

第三千八百七十三回目は、花也の付下げ「菊の葉」の続きです。

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いちばん上の写真は、この作品の元になった小袖です。今回の付下げは菊の葉だけですが、本歌は花もありました。上半身の半分を覆うような巨大な花弁があって、その上にたくさんの花と葉があって、しかもその花と葉は、別々に列を作って重なっているという普通では思いつかない図案です。

最盛期の小袖の意匠は奇想天外です。これにくらべると御所解といわれるような模様は平凡です。御所解のような模様は今は人気がありますが、あれは小袖の劣化した姿にすぎないと思います。

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写真2番目は細部を撮ってみました。葉が重なるところは同じですが、本歌は葉は写生的に描かれ、花が疋田でした。この作品では花がありませんから、疋田は葉にも使われています。なおこの作品の疋田は型疋田ではなく、手描きの疋田です。

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写真3番目は、マエミトオクミの縫い目辺りの近接です。葉の表現の全種類見ることができます。

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写真4番目は、友禅による表現、2種類です。

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写真5番目は、描き疋田2種類の近接です。葉の模様の形を糊伏して防染し、普通の染料と金彩とで描いています。疋田の表現の方法として、狭い面積の模様の中を疋田にする場合は、中井淳夫さんはその都度わざわざその形の型を作ったと言われています。普通は、わざわざその形の型を作るよりは、模様の形だけ防染し中は描き疋田にした方が合理的です。

合理的な方法として、疋田を彫った四角い汎用型を作っておいて、縁蓋で防染した模様の形の中を染める方法があります。私はそれでも良いと思いますが、中井さんはその都度形に合わせて作ったということです。花也さんはそういう時は手描きします。手描きの味というのがありますから(よく見ると絞りの失敗も描いてある)、そういうコストの使い方は合理的ですね。

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写真6番目は、友禅と描き疋田の境目を撮ってみました。描き疋田の周囲には糊糸目があって、防染工程がわかります。
[ 2017/09/20 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

花也の付下げ「菊の葉」

第三千八百七十二回目の作品として、花也の付下げ「菊の葉」を紹介します。

菊がテーマですが、花が無くて葉だけの付下げです。袷としても秋の単衣としても着られそうです。模様のつながりが複雑なので、本来であれば仮絵羽にして制作すべきものですから、実質的には訪問着ですね。

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いちばん上の写真は前姿(マエミ+オクミ)です。彩色を伴う糊糸目の友禅、線描き、2色の描き疋田の4種類からなっているけっこう複雑な重なりです。元のモチーフは菊の葉という1種類ですから、その変奏として展開していくわけです。繰り返しの美と変化のある美の両方を兼ねています。

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写真2番目は後姿です。

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写真3番目は袖です。

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写真3番目は、もう片方の袖です。

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写真5番目は袖です。
[ 2017/09/19 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

喜多川俵二の名古屋帯「鉄線唐草」の帯合わせ

第三千八百七十一回目は、喜多川俵二の名古屋帯「鉄線唐草」の帯合わせです。

今日は染めの着尺に合わせてみます。

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いちばん上の写真は、野口の手描きの着尺を合わせてみました。実際に制作したのは岡重です。かつてのヒット商品で定番でした。手挿し(糸目は型)で四季の花を描いて、ぼかしと合わせたものです。

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写真2番目は、野口の着尺を合わせてみました。四角い取り方の中に、七宝繋ぎ、割り付け文、あるいは型疋田を入れた意匠です。花が無い意匠の着物は、花模様の帯が合わせやすいので便利です。

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写真3番目は、花也の着尺を合わせてみました。上品絵なんにでも合いそうな着物ですが、模様は笹蔓緞子に取材したものですから、帯との関係では名物裂が重なってしまいます。陥穽はいろいろあるものです。

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写真4番目は、野口の手挿しの着尺を合わせてみました。ちょっと見は訪問着のような、大きくて絵画性の高い模様です。普通の小紋よりは格が高く、パーティー着という位置づけですね。

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写真5番目は、野口の着尺を合わせてみました。唐草模様の花は植物と思わず植物模様を合わせてみました。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。雪輪と早春を表す破れ雪輪です。とりあえず植物文を避けてみました。
[ 2017/09/18 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

喜多川俵二の名古屋帯「鉄線唐草」の帯合わせ

第三千八百七十回目は、喜多川俵二の名古屋帯「鉄線唐草」の帯合わせです。

今日は本格的な絵羽物に合わせてみます。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の訪問着「市女笠」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。市女笠と紅葉を組み合わせた意匠は江戸時代の小袖にあり、それを現代の訪問着の様式に変更しています。具体的には1つ1つの模様の大きさで、本歌は大きいのですが小付けに変えています。

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写真2番目は中井淳夫さんの訪問着を合わせてみました。桂帯のような几帳の軟錦(ぜんきん、几帳や襖の縁の使われた裂、有職文様)のような意匠です。3つの弧(細い金線は刺繍)が交わるデザインで、私は、弧に囲まれて面積を求める数学の問題を連想してしまいます。あるいは25日移動平均線と75日移動平均線が交わるところみたいです。

中井さんらしいところは、太い弧が生地の縫い目を越えて距離の長いぼかしになっているところです。同じ生地の中でぼかすにするのは普通ですが、裁った後の別の生地までぼかしの濃度を合わせるのは難度が高いです。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の訪問着「取り方楓」を合わせてみました。実際に制作したのは、中井淳夫さんです。暈しで扇面のようなおおきな取り方を作り、その中に楓を描いています。糸目は隠してありますが、模様が重なるところを見ると防染はしているようです。

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写真4番目は、北秀の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。安田の究極的に美しい糊糸目の作品ですが、黒地で箔部分は金彩ではなく銀彩、刺繍部分は金糸でなく銀糸なので、全体に粋な雰囲気です。

当時の北秀が扱っていた安田はほとんどが銀座のきしやで売られ、銀座きしやは銀座の高級クラブにも近いので、高級店のママがお客だったのかと思います。この訪問着は当時の参考上代で140万円でしたから、そういう衣裳を身に着けることも含めて当時(1997年まで)の銀座のクラブだったのだと思います。

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写真5番目は、熊谷好博子の黒留袖「花舟」を合わせてみました。東京友禅の伝説的な作家の代表的な作風です。弟子は生涯に2人で、工房を持たなかったので、このような本格的な作品は見る機会は少ないです。
[ 2017/09/17 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

喜多川俵二の名古屋帯「鉄線唐草」の帯合わせ

第三千八百六十九回目は、喜多川俵二の名古屋帯「鉄線唐草」の帯合わせです。

今日は付下げに合わせてみます。名物裂の唐草文様に取材しているということで、テーマとしては格が高いですが、一方で形式としてはカジュアル方向の名古屋帯です。両方勘案し、付下げや軽い訪問着に合わせてみました。明日以降は本格的な訪問着や小紋や紬にも試してみたいと思っています(紬はどうかなあ)。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の付下げ「桐唐草文箱」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。倉部さんの、模様の面積はたいしたことないが、じつは高価な付下げです。上品や洗練で人間国宝の帯にはちょうど良いと思いますが、よく見ると文箱の中の模様は桐唐草。帯の鉄線唐草と重なってしまうんですね。帯合わせは意外なところに陥穽があります。

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写真2番目は、秀雅の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは大松です。縦長の草花模様です。縦長すぎて模様がマエミの中に納まり、オクミは無地です。黒地ということもあって、すきっとしすぎて粋な感じです。帯も黒地にして粋を貫いてみました。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の付下げ「春草木」を合わせてみました。実際に制作したのは中井亮さんです。亮さんは恭三さんの息子で淳夫さんの甥になります。京友禅でいちばんレベルの高いものをつくれる1人ですね。白に近い地色で、桜を中心として春の草木を描いています。

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写真4番目は、岡重の付下げを合わせてみました。巨大な雪輪を前姿に1つ配したもの。巨大すぎて半分だけです。模様は華やかですが、それ以外の場所は小さな白揚げの雪輪があるばかりで、ほとんど度無地です。岡重の模様はかわいさや幼さがあるので、通俗的に思ってしまいますが、模様の配置はじつはけっこう芸術的。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げ「波」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。波と波頭を描いた模様ですが、友禅でありながら糸目を隠してあって、地色と波の色が直接接しています。糸目の白い線が介在しては色が調和しないからです。

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写真6番目は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。更紗模様の着尺に使う型(シルクスクリーン)を流用したものです。
[ 2017/09/16 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

喜多川俵二の名古屋帯「鉄線唐草」

第三千八百六十八回目の作品として、喜多川俵二の名古屋帯「鉄線唐草」を紹介します。

先日紹介した喜多川俵二さんの作品は有職文様の二陪織物でしたが、今回は名物裂の唐草文に取材したものです。最初の牡丹唐草は舶載されたものですが、菊、桜など日本でもいろんなバリエーションがつくられました。

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いちばん上の写真は帯の幅を写真の幅として撮ってみました。

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写真2番目は近接です。

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写真3番目は、もっと近接です。

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写真4番目は拡大です。鉄線部分は絵緯糸による表現です。

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写真5番目は裏側です。裏側は唐草部分の色でした。鉄線部分と唐草部分は、表から見ると同じ組織で織られているように見えます。しかし裏を見ると、鉄線部分は絵緯糸で表現してありますが、唐草部分は地の組織に絡んで黒い糸と共に地を構成しています。

この違いは、鉄線の花は4色あって毎回違うのに対し、唐草部分は1色でしかも全体に均等に広がるデザインなので組織に絡めてしまった方が合理的なのでしょう。生地も丈夫になってしわになりにくいですし。

さらに写真4番目に戻って見ると、唐草の色の糸は組織に絡んでいるために、表地に点々と露出しているんですね。この点々のおかげで、地色が真っ黒ではなく含みのある黒に見えています。それが作品全体を優しく見せているんですね。実利もあるし視覚効果もある、それで合理的というわけです。

ちなみに織物における合理性とは、同じ機能と視覚効果をなるべく少ない糸で実現するということだと思います。無駄に糸を使っていれば、資源が無駄であるばかりでなく重くて着づらくなりますものね。

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写真6番目は裏側の近接です。鉄線の花を表現している絵緯糸の状態を分かりやすく撮ってみました。模様と模様をつなぐところが裏で渡り糸になっています。同じ色が横につながるようなデザインであれば、渡り糸が横1列につながるような組織が合理的なわけですが、この帯のデザインはそれぞれ色の違う花の形の塊が点在するデザインなので、その模様の塊の中だけ糸が渡っています。
[ 2017/09/15 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」(実際に制作したのは倉部さん)の帯合わせ

第三千八百六十七回目は、千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」(実際に制作したのは倉部さん)の帯合わせです。

今日は友禅の名古屋帯を合わせてみました。今回の着物は友禅を使っていませんし、絵画性も低いので、絵画性の高い友禅の帯で合わせるのも可能だと思います。ただ、着物に負けない存在感が必要なので大羊居を使ってみます。

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いちばん上の写真は、大羊居の名古屋帯「象のいる楽園」を合わせてみました。エキゾチックどうしの安定した組み合わせです。濃紫の着物地に純粋に青い帯の組み合わせはスリルがありますが、けっこう快感では。

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写真2番目は、大羊居の名古屋帯「更紗の苑」を合わせてみました。これもエキゾチックどうしの安定した組み合わせです。

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写真3番目は、大羊居の名古屋帯「八つ手」を合わせてみました。建築装飾のような着物の模様に対し、花鳥風月的な日本の情緒を写した模様は異質ですが、濃紫の着物と黄緑の帯の配色はちょっと面白いかなと思います。

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写真4番目は、大羊居の名古屋帯「寿桃」を合わせてみました。桃というテーマは花鳥風月的な日本の風物というよりも、中国の道教的な神話に基づくので、上の例よりは彫金唐草に近いかと思います。

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写真5番目は、大羊居の名古屋帯「桐花」を合わせてみました。桐も日本の植物で花鳥風月の一部かもしれませんが、日本政府の紋章でもあり権威的でもあるので、八つ手よりは彫金唐草に近いかと思います。

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写真6番目は、大羊居の名古屋帯「舞踏会」を合わせてみました。かつて野口真造の作品にシャンデリアを並べて「舞踏会」と題した訪問着があり、これはそのダイジェスト的な作品だと思います。シャンデリアの装飾には着物の文様と同じようなのがありそうなイメージで、似すぎかも。
[ 2017/09/14 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」(実際に制作したのは倉部さん)の帯合わせ

第三千八百六十六回目は、千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」(実際に制作したのは倉部さん)の帯合わせです。

今日もいろいろ袋帯を合わせてみました。今回の倉部さんの付下げは、模様に季節があるわけではないですし、ユーラシア大陸の歴史に普遍的に現れるもので特定の意味もないですから、帯合わせはなんでも試せます。というわけで、けっこうたくさん撮ってしまいました。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「海音光映錦」を合わせてみました。この海の荒波と下の琵琶湖の湖面ということで、波をテーマに2題撮ってみました。この帯は、極めて精緻な織物で、目を近づけてみると複雑怪奇に糸が交差しているばかり何が何だかわかりませんが、離れて見ると写生的な荒波に見えるんですね。もちろん手織りのものですが、模様を美しいと感じるよりも職人さんに同情してしまいたくなります。

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写真2番目は、池口平八の袋帯「琵琶湖」を合わせてみました。これも目を近づけてみると、似たような色の糸が見えるばかりで何が何だかわかりませんが、離れて見るとじつは水面だったとわかるものです。帯の意匠も、古典、マニエリスム、バロック、ロマンとありますが、この2本の波の帯は印象派ですね。

モネの睡蓮だって、目を近づければ色と明暗があるだけで何が描いてあるかわからないですが、それを織物でやっているわけです。

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写真3番目は、紫紘の袋帯「臈纈花鳥文」を合わせてみました。タイトルには「臈纈」とありますが、実際には天平の三纈の他、刺繍など全ての染織品からモチーフを取っています。ここから下の3つの写真は、動物をテーマにしてみました。着物のパターン模様に対し、帯で生き物を合わせる趣旨です。

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写真4番目は、大西勇の袋帯「有栖川龍文」を合わせてみました。

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写真5番目は、織悦の袋帯「厳島花鳥蝶花文」を合わせてみました。これも平家納経に取材した作品です。

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写真6番目は、しょうざんの「徳田義三」シリーズの袋帯の1本を合わせてみました。ここから下3点は色合わせをテーマにしてみました。今回の着物の地色は濃紫ですが、ここでは紫の濃淡で。

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写真7番目は、帯屋捨松の手織りの袋帯「牡丹唐草文」を合わせてみました。「帯屋捨松」のロゴの無い高級バージョンです。意匠は有名な名物裂を写しただけで単純ですが、その代わり地がすごく複雑な組織になっています。着物の地色の濃紫に対し、淡いピンクです。


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写真8番目は、じゅらくの「山鹿清華」シリーズの袋帯の1本を合わせてみました。紫の濃淡という組み合わせも、紫とピンクの組み合わせも、今に通用するモダンな配色ですが、伝統的な呉服文化の配色では紫と朱色、紫と橙色というのもあります。アンティークっぽい感じが出てけっこう好きです。
[ 2017/09/13 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」(実際に制作したのは倉部さん)の帯合わせ

第三千八百六十五回目は、千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」(実際に制作したのは倉部さん)の帯合わせです。

今回の唐草文は、建築装飾のパルメット文様のようでもあって、ユーラシア大陸の多くに伝播した文様です。合わせる帯はユーラシア各地のエキゾチックな模様や、日本の模様でもありながらユーラシア大陸に普遍的でもある模様を選んでみました。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「騎馬陶楽文」を合わせてみました。シリアやペルシアで出土するイスラム陶器に取材したものです。本歌は出土品なのですでに銀化しているでしょうが、こちらは極彩色です。

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写真2番目は、龍村の袋帯「西域舞踊錦」を合わせてみました。西域の遺跡の壁画でしょうか、エキゾチックなテーマの極みですね、

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写真3番目は、龍村の袋帯「彩華鹿鳥錦」を合わせてみました。

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写真4番目は、服部織物の袋帯「24kオリエント錦」を合わせてみました。

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写真5番目は、大西勇の袋帯「正倉院合子の文」を合わせてみました。聖武天皇が遊んだ碁の碁石入れである「銀平脱の合子」です。

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写真6番目は、紋屋井関の「御寮織」シリーズの1本「正倉院象唐草文」を合わせてみました。この帯も上の帯と全く同じ「銀平脱の合子をテーマにしたものですが、全然違う雰囲気です。
[ 2017/09/12 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」(実際に制作したのは倉部さん)の続き

第三千八百六十四回目は、千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」(実際に制作したのは倉部さん)の続きです。

今日は細部を拡大してみます。

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いちばん上の写真は、立体感がわかるように斜めから撮ってみました。金糸だけの模様ですが、金の色も輝度も糸も膨らみも変化があります。そのために模様が反復であっても退屈しないのだと思います。

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写真2番目は、斜めから近接で撮ってみました。金の色や輝度や糸の立体感が違うのは、糸の太さの違いや刺繍の技法の違いだと分かります。模様が反復的だからこそ、技法にバリエーションが必要なんですね。結局職人さんの修業の結果ということか。

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写真3番目は、ルーペで拡大してみました。いちばん立体的に見えるところは、太い本金糸による駒繍部分です。形も塊で存在感があります。さらに留め糸を朱色にして目立つようにしています。金の色が同じでも留め糸を朱色にすると金の色が派手に見えるのです。

一方、生地の目に沿って一目空けて繍う技法を菅繍といいます。菅繍は生地に密着しているように見えるので、刺繍というより織物のようです。そのため立体感を感じず後退しているように見えます。

この作品では、前に出てくるように見える金駒と、後ろに下がっているように見える菅繍の間に、生地の目に沿って面を埋める金糸の刺繍もあって、3段階で立体感を表現するようになっています。

また一部に、刺繍の上にさらに刺繍を重ねるようにまつい繍をしている箇所がありますね。葉脈のようですが、それも立体感の演出に貢献しています。

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写真4番目は、ルーペで拡大してみました。ここも3段階で立体性を表現しています。左端には縁蓋による印金の表現もあります。刺繍ではないので平面ですから、4段階の立体表現になります。

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写真5番目は、ルーペで拡大してみました。

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写真6番目は、裏側から撮ってみました。赤い糸が見えるのは、朱色の留め糸ですから、立体的な駒繍の裏側です。
[ 2017/09/11 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」(実際に制作したのは倉部さん)の続き

第三千八百六十三回目は、千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」(実際に制作したのは倉部さん)の続きです。

今日は細部を紹介します。訪問着の模様には、各所に違う模様が付いていて着物全面を使って物語が展開していくものと、同じ模様が繰り返して行くものtがあります。前者は見ていて楽しいですし、後者は神殿の列柱のような繰り返しの美があります。この作品はもちろん後者で、同じパターンが前姿にも後ろ姿にも袖にも付いています。

倉部さんのこのシリーズは過去に何度か紹介していて、たとえば2015年1月1日(二千九百五十回)や2017年2月15日(三千六百五十七回)で取り上げています。2015年1月1日の作品については、マエミや袖など場所によってすべて模様が違い見る楽しみがあります。しかし作る側の事情を考えると、模様が変われば余白があって手が抜ける箇所もあるのに対し、この作品のように全部同じだと手を抜く箇所がなくコストの節約ができません。

しかし今回の写真の撮影では、近接で撮った写真を後で見ると、どの箇所もみんな同じなので袖なのか身頃なのかわからず苦労しました。というわけで適当に載せてあります。

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いちばん上の写真はどこかの箇所の近接です。

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写真2番目は、どこかの箇所のさらに近接です。

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写真3番目は、マエミとオクミがつながる辺りの近接です。

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写真4番目は裏側です。
[ 2017/09/10 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」(実際に制作したのは倉部さん)

第三千八百六十二回目の作品として、千切屋治兵衛の付下げ「彫金唐草」を紹介します。実際に制作したのは倉部さんです。

本金糸の精緻な刺繍で、模様の面積比で言えば倉部さんのいちばん高価なシリーズです。手刺繍というのは、人の手のぬくもりを感じるものですが、このシリーズはそんなレベルではなく、ただ職人の限界技を鑑賞するのみです。「彫金唐草」というタイトルがついているのは、本歌は金属の細工で、それを精緻な刺繍で写し取ったという意味でしょう。

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いちばん上の写真は前姿(マエミ+オクミ)です。オクミからマエミにかけて1本、マエミの下の方に1本の2本です。

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写真2番目は後姿です。左下の模様はマエミの下の方の模様から続いてきます。縫い目は背中心で、その背中心をまたいで1本あります。

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写真3番目は袖です。模様が有るのは片袖だけです。

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写真4番目は胸です。模様はこれで全てです。明日は細部をお見せします。
[ 2017/09/09 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)

喜多川俵二の名古屋帯「梅花文」の帯合わせ

第三千八百六十一回目は、喜多川俵二の名古屋帯「梅花文」の帯合わせです。

今日は染めの着尺に合わせてみました。有職文様の帯ですから格の高い小紋に合わせたいところですが、更紗などお洒落系にも試してみたいと思います。

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いちばん上の写真は、野口の横段の着尺を合わせてみました。模様部分は花も鳥も兎もありますが干菓子をテーマにしています。段の境界はグラデーションになっているので優しい雰囲気ですから、くっきりすっきりの丸文に対して組み合わせが良いと思います。また無地部分が紫ですが、丸文にも紫があるので、さらに良いですね。

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写真2番目は、野口の横段の着尺を合わせてみました。模様部分は慶長小袖に取材した意匠です。地色の錆朱と丸紋の錆朱が似ていて相性が良いように思います。

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写真3番目は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。横段模様の着尺に使う型(シルクスクリーン)を流用して作った訪問着です。全体が熨斗目模様のような横段になるように型を置いています。普通に小紋として染める時は、横段になったり、市松になったり、ずれたりします。

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写真4番目は、野口の大きな市松取りの着尺を合わせてみました。野口らしい大胆な小紋です。有職文様とは意外に相性は悪くない?

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写真5番目は、野口の更紗の着尺を合わせてみました。鎌倉時代までには確立された有職文様と近世に渡来する更紗文様とは文化的には全然関係ないですが、相性はどうでしょうか。良いとも思いませんが、緑の丸文のおかげで多少色に関連性が生まれ、まあ良いかというところかな。

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写真6番目は、野口の吹寄せの着尺を合わせてみました。実際の染めたのは岡重で、手挿しなので模様は細かいですが重厚感が有ります。小花が散る模様で松葉が無いですが、銀杏があるので吹寄せとしてみました。更紗より相性が良い感じがします。

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写真7番目は、野口の大きくて全体の模様の葡萄の着尺を合わせてみました。絵として楽しい着物ですが、帯合わせは難しい着物ですね。地色が紫で丸紋にある色なので、多少は相性が合うかなというところ。丸文が朱と紫と緑の3色あることは帯合わせには非常にプラスになっています。このような帯を買うときは、丸文の色のバリエーションが偏ってないものを買った方が良いですね。
[ 2017/09/08 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

喜多川俵二の名古屋帯「梅花文」の帯合わせ

第三千八百六十回目は、喜多川俵二の名古屋帯「梅花文」の帯合わせです。

今日は本格的な訪問着や色留袖に合わせてみました。名古屋帯ですが、喜多川俵二さんの帯のばあいは、みんな本格的なフォーマルにも使っていますね。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛のややカジュアルな雰囲気もある訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。ダンマル描きと金泥をあわせて木の葉を描いたもので、1枚の葉に青い顔料で虫が描いてあります。そのために洒落モノの雰囲気になっています。私なら、どうしても虫を描きたいなら下前に描いて、見せたくない人は見せなくても良いようにしますがどうなんでしょう。着物好きな仲の良い人にだけめくって見せるとかね。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の色留袖を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。江戸時代の意匠としてあるもので、扇面の中に波、波の中に霞、霞の中に桐文、というように模様が入れ子構造になっています。

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写真3番目は、北秀の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。扇子と松と波を描いた、模様は普通、でも安田の糊糸目と描き疋田がすごいという作品。

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写真4番目は、北秀の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。懐紙入れを取り方とし、中に友禅模様をぎゅうぎゅう詰めて、友禅と箔と刺繍で重加飾しています。取り方の外側は白揚げですっきり仕上げています。取り方内部は江戸前期の豪華な小袖、取り方外部は江戸後期の粋な小袖の様式であり、両者を合わせて豪華だけど抜け感があるというのが安田の様式の基本です。

しかしながら、この作品は外部の白揚げ部分が非常に上手くて、粋というには存在感がありすぎ、抜け感はないですね。地のグラデーション部分に乳白色の糊糸目が被さるところが、いちばん美しく見どころのように思います。

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写真5番目は、北秀の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。単衣専用としてつくられた訪問着です。江戸時代後期の粋な白揚げの小袖の様式ですが、松や杜若が描かれたベタな模様をベタでなくするために、模様の周囲に半分解かれた巻物を描いて、実際の風景でなく巻物の絵ということにしています。

劇中劇のような表現方法で、ドラマで言えば、あまりにも荒唐無稽なストーリーで批判されそうなときに、主人公がベッドから落ちて夢だった、というオチにするのに似ています。
[ 2017/09/07 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

喜多川俵二の名古屋帯「梅花文」の帯合わせ

第三千八百五十九回目は、喜多川俵二の名古屋帯「梅花文」の帯合わせです。

昨日紹介した喜多川俵二さんの「梅花文」は、有職織物の中でも二陪織物といわれるものです。この帯のばあい、地が菱文で模様が丸文になっていますが、二重に重なっているように見えるからです。丸文部分は、正倉院御物にある唐花文を起源とするものですが、すっかり和様になっています。もともとは中国から伝来した文様ですが、それから100年か200年経って平安時代になるとすっかり国風化されているわけです。

しかし元の唐花文が伝わらなければ生まれなかったデザインでもあって、その証拠に正倉院文様から有職文様に移る過渡期のデザインもあります。物足りない唐花文にしてすっきりしない丸文、って感じですね。デザインが現地化していく歴史は、どこの国にも時代にもあることですが、本来デザインの提供元であった中国が、今はパクリでネタになるのでちょっと気の毒に思っています。

帯合わせについては、有職文様というのはとても使いやすいものでたいていの着物に合わせることができます。ただ平安貴族由来で中央の格の高い文化ですから、紬に合わせるのはここでは止めておきます。本来の紬のイメージは地方の素朴な良さを持つものですが、紬によっては作家モノなどで凝った技法を盛り込んで中央の文化的なものもありますから、必ずしも使えないとは言えません。

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いちばん上の写真は、野口の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは、橋村重彦さんです。糊糸目による重厚な風景模様です。

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写真2番目は、花也の付下げ「和本」合わせてみました。開いた本というテーマは江戸後期の小袖にも多く有って、たいていは光悦の謡本ですが、本の中味は絵で物語性のある作品にしてあります。これは絵が全然なくてお客さまへのサービシ精神にかけますね。その点で、私にはすごく大胆な意匠に見えます。

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写真3番目は、花也の付下げ「笹取り楓」を合わせてみました。笹がダンマル描きでふわっとして、楓が糊糸目友禅できりっとしてメリハリになっています。

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写真4番目は、花也の付下げ「斜め取り宝尽しと吹寄せ」を合わせてみました。糊糸目で描かれた松葉の細い線のかすれが綺麗な作品。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げ「扇面取り四季花」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。
[ 2017/09/06 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

喜多川俵二の名古屋帯「梅花文」

第三千八百五十八回目の作品として、喜多川俵二の名古屋帯「梅花文」を紹介します。

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いちばん上の写真は帯の幅を写真の幅として撮ってみました。

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写真2番目は近接です。模様は3色なので、以下、色ごとに撮ってみました。有職文様というのは文様の形だけでなく、色目や色の組み合わせでもありますね。

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写真3番目は近接です。

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写真4番目は近接です。

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写真5番目は裏側です。絵緯糸で模様を表現しているので、裏側は渡り糸が有ります。模様は固まりごとに整理されている意匠なので、渡り糸は耳までは繋げないで済んでいます。
[ 2017/09/05 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

龍村美術織物の間道の袋帯「常磐間道」の帯合わせ

第三千八百五十七回目は、龍村美術織物の間道の袋帯「常磐間道」の帯合わせです。

今日は、日ごろ紹介する機会がない訪問着を合わせてみました。間道は使い道が広いですから、この機会に在庫の訪問着をお見せします。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の訪問着「干支」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。12干支の玩具を並べたものですが、かわいいだけでなく民芸タッチの美味しいところを取り上げてます。模様の周りに散らばる金彩はサイコロです。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の訪問着「光悦色紙」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。斜め取り部分は、宗達が下絵を描き光悦が歌を詠んだ色紙をテーマにしています。当初は歌を書いたバージョンもあったそうですが、これは宗達の絵だけのバージョンです。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の訪問着「柴垣と草花」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。模様の配置は建築物のようにがっちり構成されていますが、その柴垣の中で草花は伸び伸びと描かれ動きのあるデザインになっています。中井さんらしいよくできた下絵ですね。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の訪問着「神坂雪佳・白川女」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。神坂雪佳の描いた下絵を意外に忠実に描いた作品です。人物が唐突にいるように見えますが、中井さんは謙虚なところもあって、完成された絵についてはむやみに改変することはないのです。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の訪問着「額縁取り秋草文」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。刺繍による秋草文です。不思議と戦前のお洒落な着物の雰囲気があります。お金がかかっていそうで控えめというところでしょうか。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の訪問着「光悦謡本」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。光悦の謡本を開いた状態で図案にするのは、江戸後期の小袖にもあります。これは友禅と箔と刺繍によって再現された華麗な琳派の作風ですが、金描き部分は宗達の洒脱なタッチも残っています。

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写真7番目は、北秀の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。破魔矢をテーマにしたもので、殺人にも使える鏃を描かないことがこのような意匠のルールです。これまでずっと青の同系でまとめてきましたが、ここで茶と青の補色系を試してみました。けっこう良くないですか。
[ 2017/09/04 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村美術織物の間道の袋帯「常磐間道」の帯合わせ

第三千八百五十六回目は、龍村美術織物の間道の袋帯「常磐間道」の帯合わせです。

今日は紬を合わせてみました。

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いちばん上の写真は、青戸柚美江さんの出雲織「瞬(またたき)」を合わせてみました。青の同系色で合わせてみました。帯合わせをするときは同系色か補色か考えるものですが、昔は補色、今は同系色を主に考える人が多いのではないでしょうか。

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写真2番目は、青戸柚美江さんの出雲織「雪おこし」を合わせてみました。

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写真3番目は、青戸柚美江さんの出雲織「豆腐繋ぎ」を合わせてみました。

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写真4番目は、小川内龍夫さんの久留米絣を合わせてみました。重要無形文化財に該当するものです。

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写真5番目は、大城永光さんの琉球絣を合わせてみました。

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写真6番目は、秋山真和の花織も併用した作家モノっぽい作品を合わせてみました。

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写真7番目は、秋山真和の綾の手紬を合わせてみました。19世紀に織られた首里の織物として実在する織物を再び織ったものです。同系色を6通り試したので、ここから下は補色関係を試してみます。

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写真8番目は、山下八百子さんの黄八丈を合わせてみました。
[ 2017/09/03 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村美術織物の間道の袋帯「常磐間道」の帯合わせ

第三千八百五十五回目は、龍村美術織物の間道の袋帯「常磐間道」の帯合わせです。

今日は染めの着尺を合わせてみました。

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いちばん上の写真は、南部古代型染の着尺を合わせてみました。南部藩の御用染として、江戸時代は裃などを染めていた蛭子屋(小野さん)の藍染の着尺です。盛岡の直営店で販売されます。全体を青系でまとめてみました。

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写真2番目は、野口の手挿しの着尺を合わせてみました。輪郭だけ型を使ったもので、実際に制作したのは岡重です。

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写真3番目は、野口の着尺を合わせてみました。見えているところは象ですが、孔雀など色々います。

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写真4番目は、藤井絞の着尺を合わせてみました。飛び柄の絞の着尺です。絞りというのは生地を摘まんで防染するものですが、花弁の周囲の紫の部分はどのように摘まんだのでしょうか。染液に浸ける絞りでこのような形に絞るのは難しいですね。

辻が花に限らずあらゆる美術作品は、技術的な難度をウリにするものとセンスの良さをウリにするものがあります。どちらも大事ですが、センスの良さは真似されたらそれきりですね。その点、技術的な難度を伴う作品は模倣品が出なくていいです。

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写真5番目は、野口の手挿しの着尺を合わせてみました。輪郭だけ型を使ったもので、実際に制作したのは岡重です。地色をかわいくすると七五三になりますね。それで注文を受け賜っても良いです。

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写真6番目は、野口の着尺を合わせてみました。帯合わせが難しい野口の着尺ですが、間道がいちばん手堅い解じゃないでしょうか。
[ 2017/09/02 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村美術織物の間道の袋帯「常磐間道」の帯合わせ

第三千八百五十四回目は、龍村美術織物の間道の袋帯「常磐間道」の帯合わせです。

今日も付下げと訪問着に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、藤井絞の付下げを合わせてみました。友禅と絞りを併用した作品で、全体を絞って模様の場をつくり、その中に更紗を描いています。主要な花は絞り、その他は友禅と金彩で表現しています。

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写真2番目は、花也の付下げ「槇」を合わせてみました。宗達の「槇檜図」に想を得たもので、元の墨絵を白揚げ友禅で表現するとこんな感じになるということです。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の付下げ「ジャノヒゲ」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。青い実を関連させてみました。

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写真4番目は、花也の付下げ「市松取り桜」を合わせてみました。桜の着物のパートナーは難しいですが、紺の縞どうでしょうか。

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写真5番目は、中井淳夫の訪問着を合わせてみました。「露」をテーマにいたもので、元絵は神坂雪佳です。
[ 2017/09/01 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)