千切屋治兵衛の名古屋帯「高砂」(実際の制作は倉部さん)の帯合わせ

第三千七百三十五回目は、千切屋治兵衛の名古屋帯「高砂」(実際の制作は倉部さん)の帯合わせです。

今日は付下げと合わせてみます。

IMG_03052.jpg
いちばん上の写真は、花也の付下げ「八重葎」を合わせてみました。八重葎は手入れをしない庭の門などにまとわりつくイメージで、着物の模様に向かない気もします。しかし、源氏物語の「帚木」の前半「雨の夜の品定め」の中に登場します。地色が少し青みのある濃色なので、帯の青と関連付けてみました。

IMG_02922.jpg
写真2番目は、花也の付下げ「横棒」を合わせてみました。一見すると笛に見えるのですが、よく見るとただの横棒です。見る人の9割ぐらいは笛と勘違いするでしょうね。笛と思いたい人は笛と思わせておけばいいし、万が一、笛が都合が悪い場が有ればそうでないと言えば良いわけですから、本当の笛より便利な模様かもしれません。地色は濃紫ですが少し青みがあり、それがこれを選んだ理由です。

IMG_02862.jpg
写真3番目は、千切屋治兵衛の付下げ「雪輪にぼかし波」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。箔ぼかしを多用した作品で、その効果で幽玄な雰囲気があります。波の形は、水に関するいろんな文様が揃っています。「高砂」は海辺の話ですし、海に漕ぎ出すシーンもありますから意味的にもつながりそうです。やや青みのあるチャコールグレーの地色です。

IMG_03062.jpg
写真4番目は、千切屋治兵衛の付下げ「酒器」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。収穫をテーマにした作品で稲穂と萩が描かれています。酒器は人間が飲むものでなく、神さまに捧げるものでしょう。地色は年輩者でも着られるほどの、ピンクに見えないぐらい淡いピンクですが、帯の地味な茶との組み合わせがすごく良いです。

IMG_02902.jpg
写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げ「松」を合わせてみました。糊糸目による白揚げ、線描きによる作品で、松だけを描いています。帯の松が、高砂のテーマ通りなら枝のくねった老松であるところが、実際にあっさりと若松が描かれているので、着物でその違いを修正すべく立派な松の木を選んでみました。

IMG_02892.jpg
写真6番目は、花也の付下げ「松に波」を合わせてみました。白揚げの作品で、波と砂と松と多少の四季花が描かれています。「高砂」は相生から住吉の海辺の話ですから、海の景色で。
スポンサーサイト
[ 2017/05/04 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)