千總の振袖の近接

第三千三百三十八回目は、千總の振袖の近接です。

今日は各部を近接してみます。

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いちばん上の写真は後姿です。

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写真2番目は後姿の近接です。

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写真3番目はマエミとオクミの縫い目辺りの近接です。

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写真4番目は袖の一部分です。菊の花も笹の葉も桐の葉も、模様の輪郭に関係なく色分けされています。これは慶長小袖に特徴的な表現です。斬新な表現だと思いますが、なぜ思いつき、それ以後の人たちはなぜやめたんでしょうね。

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写真5番目は後姿の一部分です。芒のモダンにも見える表現が面白いので撮ってみました。

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写真6番目は参考図版です。慶長小袖はこんな感じで刺繍で表現しています。

ところで、春休みなので明日から2,3日子供と旅行に行ってきます。少しの間、ブログをお休みします。メールも見なくなりますからお返事は遅くなりますので、ご了承ください。
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千總の振袖

第三千三百三十七回目の作品として、千總の振袖を紹介します。

主に百貨店で売っている千總の振袖というのは、もっともわかりやすい日本の着物文化だと思います。これは上の方のランクで、百貨店での参考上代は150万円(税抜き)です。このブログでいつも紹介している中井、安田あるいは倉部にくらべれば技法的には平凡な友禅ですが、長く継続して振袖をつくってそれを日本の中心で売っているだけに、作り方はとても手慣れていて、高級品であっても肩に力が入っていないところはすごいと思います。

私が呉服屋でなければ、会社で昇進して娘の成人式に百貨店で千總の振袖と龍村の帯を買ってやるのを成功の証とするかもしれません。

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いちばん上の写真は全体です。多色で全身にたくさんの模様が付いていて豪華ですが、ごちゃごちゃした印象はありません。色や模様の並べ方がよく整理されているんだと思います。下絵師の力量ですね。力量の無い下絵師が模様と色をたくさん付けると野暮になりますし、ひどい場合は目が疲れて気持ちが悪くなります。

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写真2番目は前姿(マエミ+オクミ)です。多くが刺繍である慶長小袖のモチーフを友禅で表現したものです。

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写真3番目は色白のモデルさんに着てもらいました。

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写真4番目は色黒のモデルさんに着てもらいました。色白でなくても似合います。

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写真5番目はモデルさんたちです。家族に見えますが、血のつながりはありません。というかもともと血がありません。大きいうさぎはいつものポプちゃんとチャツポンですが、小さいうさぎは持ち歩くためのものでモバイルチャツポンといいます。

千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)をコートまたは羽織にしたと想定

第三千三百三十六回目は、千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)をコートまたは羽織にしたと想定して、着物を合わせてみました。

今日は、紬など各地の伝統工芸品を着物として着て、その上には織として着ると想定してみました。

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いちばん上の写真は、佐藤トシの南部紬を合わせてみました。胡桃と藍で染めた糸で織った着尺です。岩泉の製糸工場に勤めていた人たちが工場の閉鎖後、工場の一角で手織り草木染で織っていた紬です。もともと数も少ないし、もう織っていないかもしれませんね。

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写真2番目は、秋山真和の綾の手紬を合わせてみました。19世紀に織られた首里の織物として実在する織物を再び織ったものです。草木染の茶色が派手ですが、百数十年間の退色を考慮して元に戻したものでしょう。

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写真3番目は、山口良子の首里織を合わせてみました。花織と浮織を併用した着尺です。派手な黄色ですが、福木によるホンモノの草木染です。

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写真4番目は、大城永光の琉球絣を合わせてみました。南風原の作家です。着物と羽織を同系色濃淡にしてみました。

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写真5番目は、蛭子屋の南部古代型染を合わせてみました。紬ではないですが、伝統工芸品ということで試してみました。透明な藍の色との相性はどうでしょうか。蛭子屋の南部古代型染は、透明感があって綺麗ですが、現在は呉服業界の流通ルートではなく、盛岡の店舗とネットで直販しているようです。当社もネット直販の値段に合わせて販売しています。

千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)をコートまたは羽織にしたと想定

第三千三百三十五回目は、千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)をコートまたは羽織にしたと想定して、着物を合わせてみました。

昨日は付下げなどフォーマルを合わせましたが、今日は着尺(小紋)を合わせてみました。一般的には個性が強く、他の着物や帯とは合わないと思われている着尺を選んでいます。

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いちばん上の写真は、野口の着尺を合わせてみました。多色でしかも余白の無い更紗の小紋ですから、帯合わせには苦労する着物ですね。

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写真2番目は、野口の着尺を合わせてみました。葡萄の蔓や実をテーマにしたものですが、このような大きな模様の総柄は、扱いが難しいですね。

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写真3番目は、野口の着尺を合わせてみました。綺麗な黄色の横段です。これも個性が強いです。

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写真4番目は、藤井絞の着尺を合わせてみました。横段で本疋田の着尺です。値段的にも高級品ですし、人に例えればどんな映画に出ても主演女優になってしまうような着尺です。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。最後なので、着易い、帯合わせもしやすい小紋を合わせてみました。今日の着物合わせは、全部それなりに上手く行きました。倉部さんの着尺は存在感は合ってもわがままではないようです。

千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)をコートまたは羽織にしたと想定

第三千三百三十四回目は、千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)をコートまたは羽織にしたと想定して、着物を合わせてみました。

今日は、倉部さんの着尺を羽織またはコートに使用したという設定で着物に合わせてみます。更紗の飛び柄ということで、模様自体はカジュアルな感じがしますが、箔加工ということでフォーマルな感じもします。属性が曖昧なものは、ずうずうしく両方使ってしまえばよいという発想で、紬から訪問着まで合わせてみたいと思います。とりあえず今日はフォーマルで。

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いちばん上の写真は、野口の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは岡本等さんです。残念ながら癌で40代で亡くなった方ですが、生前は野口でいちばん人気のある作家でした。クリアで繊細なゴム糸目の輪郭線、京友禅の伝統的な朱色を排したモダンな彩色、上品なパステルカラーの色糸目を使いこなした作風でした。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。槇を描いていますが、この写真のようにちらっと見えただけで、もう中井らしい存在感がありますね。

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写真3番目は、花也の色留袖「疋田雲重ね」合わせてみました。典型的な安田様式の誰にでも好かれる作風で、色留袖でなければとっくに売れていたんでしょう。

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写真4番目は、花也の付下げ「白川女」合わせてみました。京都の風物として白川女とか大原女とか花や野菜を頭で運ぶ女性の行商人がいますが、たとえ観光用でも会えたらうれしいですよね。この作品は、人物を省略して頭に載せた売り物だけで表現したものです。

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写真5番目は、一の橋の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。横段と椿の芸術性の高い作品です。先日紹介した「横段楽器」の元作品です。


千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)の帯合わせ

第三千三百三十三回目は、千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)の帯合わせです。

今日は、倉部さんの着尺に染め帯を合わせてみます。

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いちばん上の写真は、北秀の塩瀬地の袋帯を合わせてみました。金加工と金銀糸の刺繍だけで模様を表現しています。着物の模様も金銀だけですから、色数を増やさない帯合わせといえますね。千切屋治兵衛としては、色数を増やしたくなくて、倉部さんに頼んで金銀のみの加工にしたのかもしれないですから、その制作者の意図を大事にしてみました。

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写真2番目は、藤井絞の絞りの名古屋帯「パリオペラ座の屋根」を合わせてみました。金箔と絞りを合わせることで、友禅が発明される以前の絞りと箔の小袖のような意味合いを狙ってみました。オペラ座の赤い色が着物の色と似て、多少の統一感もあるかなと思います。

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写真3番目は、ヤマト染芸の友禅の名古屋帯「孔雀更紗」を合わせてみました。ヤマト染芸は東京友禅の工房です。お父さんは銀座きしやで下絵師をしていたと聞いたことがあります。(本人から聞いたわけではない。)現代では下絵師は友禅の制作工程の一部として京都にいますが、昔は着る人が誂え注文をしたので、きしやはどの名店はその場で注文に答えられるように下絵師が雇ってあったのですね。店の一角で下絵師と顧客が直接話し合ったのでしょう、顧客にとっては着るより楽しい一時だったのではないでしょうか、着物文化は着るだけではなかったのです。

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写真4番目は、秀雅で仕入れた江戸刺繍の名古屋帯を合わせてみました。北秀の下職には千代田染繍という工房がありましたが、秀雅もそれを引き継いで江戸刺繍の作品を制作していました。刺繍というのは大規模な設備が要らないので、東京でもけっこう作家がいるようです。

私は子供のころ、コップに入った水に光が当たるところを水彩画で上手に描きたいと思ったものですが、この作品はそれを刺繍で実践しているんですね。

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写真5番目は、倉部さんの染め帯「木の葉」を合わせてみました。倉部さんが野口の商品として制作したものです。友禅ではなく、樹脂系の顔料(今はアクリル絵の具が万能の時代ですね。)と金箔を使っています。着物と帯を同じ作家で合わせるのは芸が無いですが、素材も作風も違うのでチャレンジしてみました。伝統工芸なのにアクリル絵の具で描いてあるなんて思うとがっかりしますが、どんな素材を使っても上手い人が描くと上手いという例ですね。

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写真6番目は、花也の白揚げと刺繍の名古屋帯「繍箔華文」を合わせてみました。華文の形に防染して地染をし、白揚げ状態を作り、そこにグラデーションになるように微妙に色を挿し、さらに挿した色と同色の刺繍をしたものです。白い部分にも一部白い糸で刺繍をしています。白揚げも挿し色も刺繍も、すべてはグラデーション表現をしたいということのためだけ、言ってみればすべての技法も手間もグラデーションに奉仕しているんですね。

着物の模様も帯の模様も太い線で模様を表現しているので、意味が統一されているように見えます。しかし、着物の模様は更紗で近世に輸入されたもの、帯の模様は華文で正倉院時代ですから、歴史は全く違うことになります。でも統一されているように見えるということは、帯合わせに大事なのは意味より形ということですね。
[ 2016/03/22 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)の帯合わせ

第三千三百三十二回目は、千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)の帯合わせです。

今日は昨日より少しカジュアルな織の帯を合わせてみます。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「甲比丹(カピタン)縞格子」を合わせてみました。龍村の袋帯のうち、紬の着物での使用を意識したシリーズの1本です。

近世に東インド会社を通してインドから輸入された裂は、木綿の縞である唐桟と金糸を使ったモールです。近世初期においては、まだ日本では木綿は貴重品なので唐桟も高級品だったでしょうが、金糸を使ったモールはそれよりはるかに高級だったと思います。インドの金糸は、日本の金糸のように紙に貼って裁断したものを芯糸に巻き付けたものではなく、薄い金の板を直接芯糸に撚り付けているということなので、たくさん金を使っているはずだからです。

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写真2番目は、龍村の袋帯「印度煌華文」を合わせてみました。インドに取材したものということですが、私には本歌はわかりません。

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写真3番目は、龍村の名古屋帯「竹屋町兎文」を合わせてみました。紗の生地に平金糸を織り込んだ裂を竹屋町裂と言います。掛け軸の表装で見ることがあります。それを真似て平金糸で刺繍したものを竹屋町刺繍といいます。「竹屋町」という名称は、その裂を制作していた町の名に由来するともいいます。

竹屋町裂は本来は紗の生地ですが、現在では、金糸のみの織または刺繍であれば、この帯のように紗以外の生地でも「竹屋町」と称することが多いです。

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写真4番目は、龍村の名古屋帯「花宝」を合わせてみました。赤、緑、白、3色の草花を規則正しく並べた意匠です。龍村の名古屋帯はお太鼓柄が多いですが、これは珍しく六通です。

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写真5番目は、桝屋高尾の刺繍の袋帯を合わせてみました。桝屋高尾は今は「捻金」で知られていますが、昔はこんな刺繍作品も作っていました。細部を見るとバリエーションに飛んだ技法を使っており、そんな珍しい技法をわざわざ中国人に習わせて繍わせることは不合理なので、京都の職人が繍っているのでしょう。

京繍と中国刺繍を見分ける方法は上手い下手ではありません。日本人だって中国人だって、器用な人も不器用な人もいますからね。見分ける方法は刺繍の技法のバリエーションの数なのです。
[ 2016/03/21 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)の帯合わせ

第三千三百三十一回目は、千切屋治兵衛の着尺(倉部さん)の帯合わせです。

今回の着尺を着物として利用すると考えて、帯合わせを考えてみました。今日はフォーマルの袋帯を合わせてみます。倉部さんの着尺の存在感からするとフォーマルの袋帯でちょうど良い気もします。


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いちばん上の写真は、大西勇の袋帯「象花鳥文」を合わせてみました。更紗風の着物に対しては、更紗の原産地の動物である象や鸚哥の意匠を合わせてしまうという手もありますね。この帯は、象と青い烏と思われる鳥が織り出されていて、大変興味深い意匠なのですが、「象花鳥文」という素っ気ないタイトルが付けられていて本歌がわかりません。本歌を隠すためにわざと無意味なタイトルを付けたのかと疑いたくなるぐらいですね。

左右の花の意匠が、輪郭がカクカクとして原始的な綴織のように見えるので、本歌はコプト織かもしれません。コプトはエジプトの意味で、公会議に負けたキリスト単性論者がエジプトの砂漠で生活の中で生み出した文化で、織ることが修行だったのかと思われるぐらい素朴で神聖な織物です。西陣の帯の意匠の源泉の1つでもありますから、キリスト単性論は日本の呉服業界に貢献しているとも言えますね。

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写真2番目は、龍村の袋帯「瑞鳥遊園錦」を合わせてみました。チュニジアなどに残るローマ帝国のモザイクに取材したものです。激しい色彩の帯ですが、同じく激しい色彩の着物と合わせると自然に見えますね。

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写真3番目は、龍村の袋帯「騎馬陶楽文」を合わせてみました。これも激しい色彩の帯ですが、同じく激しい色彩の着物と合わせると自然に見えます。龍村の強い色の帯はこうやって使えば良いという例だと思います。

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写真4番目は、帯屋捨松の袋帯「たすき取り華文」を合わせてみました。帯屋捨松の得意とするエキゾティックな意匠です。「たすき取り華文」というタイトルもまた本歌を隠しているような気がします。赤と青の対比いかがですか。

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写真5番目は、帯屋捨松の袋帯「桃」を合わせてみました。桃はエキゾティックとは言えませんが、西王母伝説を暗示するモチーフと思えば、中国の神仙思想由来の意匠とも言えます。
[ 2016/03/20 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛の着尺(実際の制作は倉部さん)

第三千三百三十回目の作品として、千切屋治兵衛の着尺を紹介します。実際に制作したのは倉部さんです。

色も模様も金銀のみの加工も唐突で、どういう着方をして良いかわからない作品です。ただ長さは12mですから「着尺」とだけは言えますね。着物にするか長羽織にするかコートにするか、作品を紹介する中で試していきたいと思います。

模様の加工の仕方は、摺箔または印金です。
摺箔も印金も、金箔を使って生地に加工するものです。両者の違いは、印金というのは中国から輸入された名物裂で、主に仏具など着物以外のものであるため、金箔が厚いのです。摺箔は日本で小袖に加飾するために開発された技法で、着物としてきたときに人間の体の動きに自然に沿う必要があるため、金箔が薄いのです。

金箔が厚い方が金をたくさん使ってあるわけで、印金の方が価値があるとも言えますが、生地と完全に慣れ合うほど薄い金箔をつくるのは技術的に難しいから、摺箔の方が価値があるとも言えますね。

現代の着物になされる摺箔と印金の分類は、定義はともかく実践では、型でなされるか縁蓋でなされるかによって分けられるようです。型でなされる摺箔は着物に多用されていますね。縁蓋というのはプラスティックのシートで、生地に当ててからカッターで切って加工します。

型は繰り返し使えますが、縁蓋は一回ごとですから、繰り返しの模様には型が有利、絵羽の着物の意匠のように1回だけの模様には縁蓋が有利ということになります。また紙である型よりもプラスティックをカッターで切る縁蓋の方が輪郭線がくっきりします。

この作品はどちらでしょうか。じつは迷っているのです。見た目は金箔が厚手ですし、輪郭線がくっきりしているので、縁蓋で加工された印金に見えます。しかし模様が繰り返しており、これを全て使い捨ての縁蓋で加工したらとんでもない金額になってしまうと思うのです。摺箔でも精度の高い仕事をして、プラスティックのシートを使ったと勘違いするようなくっきり線を演出したのかもしれません。人を迷わせるのもまた、倉部さんの技術力ということでしょう。


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いちばん上の写真は、反物の幅を写真の幅として撮ったものです。

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写真2番目は、金の更紗模様の近接です。

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写真3番目は、銀の更紗模様の近接です。
[ 2016/03/19 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)

大羊居の付下げ「華折紙」の帯合わせ

第三千三百二十九回目は、大羊居の付下げ「華折紙」の帯合わせです。

「折紙華文」の帯合わせは今日で最後にします。今日は龍村の仕立て上がり名古屋帯「光波帯」を使います。龍村の帯としてはいちばんリーズナブルなものですが、ぜんぜん貧乏臭くないのが特長です。茶席では、先輩がこの光波帯、初心者が袋帯ということもありそうですね。

普通は小紋や紬に使うことが多いですが、今日はフォーマル方向で使います。

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いちばん上の写真は、龍村の光波帯「日野間道」を合わせてみました。名物裂としてあまりにも有名な日野間道です。フォーマル方向ということで、「平蔵」ブランドの袋帯にもある意匠の帯を選んでみました。

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写真2番目は、龍村の光波帯「太子菱繋文」を合わせてみました。じつは本歌は、「飛鳥間道」と同じ東京国立博物館法隆寺館にある「蜀江小幡」に使われている裂」です。色を変えると雰囲気がこんなに変わるんですね。

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写真3番目は、龍村の光波帯「獅噛太子」を合わせてみました。本歌は「太子間道」です。獅子の顔に見えるように並べてオリジナルの意匠にしています。

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写真4番目は、龍村の光波帯「チャンカイの巳」を合わせてみました。光波帯には、正倉院裂写し、名物裂写し、干支の裂があります。正倉院裂や名物裂に関わるものは、日本の歴史を背負ってそれなりの意味が有りますから格が高いですが、干支の裂は、干支に合わせて世界中からモチーフを集めているので、日本特有の意味や歴史から解放されてカジュアルに使えます。

これは巳年に発売されたもので、プレインカ文明の1つチャンカイにある蛇を意味する模様に取材したものです。

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写真5番目は、「折紙華文」の前姿です。最初に前姿を載せたつもりでしたが、間違って全体を載せていませんでした。これで改めて確認してください。
[ 2016/03/18 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

大羊居の付下げ「華折紙」の帯合わせ

第三千三百二十八回目は、大羊居の付下げ「華折紙」の帯合わせです。

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いちばん上の写真は、紫絋の袋帯「臈纈花鳥文」を合わせてみました。「臈纈」というタイトルですが、織り出されているモチーフは挟纈や刺繍など正倉院の染織品全般です。全体が輝きを抑えた金地になっていますが、こういう帯は着物の地色に影響されず使い勝手が良いですね。

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写真2番目は、大西勇の袋帯「有栖川龍文」を合わせてみました。龍の体の色や雲の色が、着物の地色に似ているので合っているように見えますが偶然です。意味を追求しなくても偶然合ってしまうこともありますね。

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写真3番目は、織悦の袋帯「桜楓遠山霞」を合わせてみました。経糸が黒の絹糸、緯糸が平金糸という組み合わせで、沈金のような雰囲気を演出しています。

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写真4番目は、大西勇の袋帯を合わせてみました。振袖にも使える華やかな帯ですが、模様が細かいこともあり振袖以外の着物にも使えます。

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写真5番目は、洛風林風の手織りの袋帯を合わせてみました。濃厚な色どうしに組み合わせにしてあります。
[ 2016/03/17 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

大羊居の付下げ「華折紙」の帯合わせ

第三千三百二十七回目は、大羊居の付下げ「華折紙」の帯合わせです。

今日は間道の帯で合わせてみました。毎回どんな着物でも間道を合わせてばかりで恐縮ですが、私は龍村の間道が大好きでどんな着物にも合わせたくなっちゃうんです、すみません。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「海老殻間道手」を合わせてみました。タイトルの最後の「手」は、本歌の名物裂の完全な再現ではないという意味でしょう。

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写真2番目は、龍村の袋帯「清風間道」を合わせてみました。着物の地色がオレンジっぽいので、黄緑を合わせてみました。牡丹の葉の色とも合って、良い配色だと思います。

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写真3番目は、龍村の袋帯「彩香間道」を合わせてみました。茶系の濃淡の帯で、着物の地色にも逆らわない配色です。

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写真4番目は、龍村の袋帯「ちとせ間道」を合わせてみました。着物の地色に対し補色的な青系の間道を合わせてみました。昔は帯と着物は補色(反対色)にしたものですが、近年は同系色にすることの方が多いですね。こうしてみると昔風の補色も悪くないですねえ。

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写真5番目は、龍村の袋帯「郁芳間道」を合わせてみました。これも補色を合わせています。むしろこれがいちばん大羊居の存在感を引き出してくれるような気もしますね。

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写真6番目は、龍村の名古屋帯「飛鳥間道」を合わせてみました。「飛鳥間道」という間道は歴史上にはなく、龍村のオリジナルのネーミングです。本歌は東京国立博物館法隆寺館にある「蜀江小幡」という法隆寺に伝世する飛鳥時代の幡の幡頭および幡頭の手に使われている裂です。
[ 2016/03/16 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

大羊居の付下げ「華折紙」の帯合わせ

第三千三百二十六回目は、大羊居の付下げ「華折紙」の帯合わせです。

今日は帯屋捨松と合わせてみます。今回の大羊居の付下げは地色がしつこいですから、やはりバタ臭いところがある帯屋捨松の袋帯を合わせてみます。

帯屋捨松というのは、西陣の織屋の中でも優れた経営がされています。毎年美大の卒業生を採用しているのでデザインも生きていますよね。ただ、生きている企業というのは、新作が次々できるからネットで安売りもされるなどマイナスの面もあります。私のような商売のスタイルでは、優れた作品が少しあって本人が死んだり破産したりしていないでくれる方が都合が良いです。


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いちばん上の写真は、帯屋捨松の袋帯「ヴィクトリア花文」を合わせてみました。手織りの高級バージョンです。以前は日本で織られていましたが、今は手織りは中国製だと思います。しかし中国の一人っ子が、日本の帯を手織りするために修業するとも思えないので、そのうちそれさえ貴重になるのではないでしょうか。

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写真2番目は、帯屋捨松の袋帯「能衣装写し立沸文」を合わせてみました。これも手織りの高級バージョンです。

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写真3番目は、帯屋捨松の袋帯「唐織松竹梅」を合わせてみました。これも手織りの高級バージョンです。これは西陣手織協会の証紙のある日本製ですが、同じ意匠の中国製も作られていますね。

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写真4番目は、帯屋捨松の袋帯を合わせてみました。「帯屋捨松」のロゴがある標準的な作品です。捨松が得意なペルシア風の華文です。このようなデザインはいかにも捨松ですが、徳田義三に由来するのでしょう。水色地は絹に見えますが、じつは全体の緯糸が引き箔で意外と軽いです。

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写真5番目は、帯屋捨松の袋帯を合わせてみました。籠目文を背景に菊と牡丹を交互に配したものです。これも全体が引き箔でとても軽い織物です。

[ 2016/03/15 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

大羊居の付下げ「華折紙」の帯合わせ

第三千三百二十五回目は、大羊居の付下げ「華折紙」の帯合わせです。

大羊居の着物ですから、とりあえず龍村と合わせてみます。長年、高島屋で「大彦龍村展」「大羊居龍村展」などとして一緒に展示会をやってきた関係ですから。お客さまから特別な要望が無ければ、私も大羊居には龍村という提案をします。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「王朝華映錦」を合わせてみました。鎧をテーマにしたものとしては、高島屋専用の「平蔵」ブランドの「威毛錦」が有名ですが、その「たつむら」ブランド用のバージョンです。こちらは模様が六通になっていて振袖でも使えます。鎧をテーマにしたものは他にいくつかバージョンがありますが、これが質的に「威毛錦」にいちばん近いです。

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写真2番目は、龍村の袋帯「錦秀遺芳文」を合わせてみました。厳島神社にある平家納経をテーマにしたものです。

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写真3番目は、龍村の袋帯「七宝連華錦」を合わせてみました。振袖にも使える龍村の派手な帯ですが、付下げや訪問着や黒留袖にも使えそうですすね。龍村の派手帯は非常に使い勝手の良く、振袖用として買ってその後ずっと使えますね。当店でも仕入れるとすぐ売れてしまい、この帯も写真を撮ってから今日掲載するまでに売れてしまいました。

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写真4番目は、龍村の袋帯「瑞鳥遊園錦」を合わせてみました。チュニジアに多く残るローマのモザイクに取材したものです。チュニジアに多くあるのは、元のカルタゴ領で、カルタゴ滅亡後、ローマの兵士が退役後に集団で入植しローマ様式の町を作ったためです。その後、砂漠化して良く保存されたということもあるでしょうね。
「瑞鳥・・・」というタイトルは「瑞兆」に掛けているのでしょう。写真2番目の「錦秀遺芳文」も安藝の宮島がテーマですから「錦秋」に掛けているんだと思います。白井進さんのセンスでしょうか。

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写真5番目は、龍村の袋帯「陶楽騎馬文」を合わせてみました。イランやシリアで出土するイスラム陶器がテーマです。今回の付下げは折り紙という日本的なテーマですが、チュニジアやイランのエキゾチックものを合わせても大丈夫そうです。
[ 2016/03/14 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

大羊居の付下げ「華折紙」の細部

第三千三百二十四回目は、大羊居の付下げ「華折紙」の細部です。

今日は両袖の模様を近接で撮ってみました。


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いちばん上の写真は、片袖の模様の近接です。袖は水仙でした。

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写真2番目は模様の上半分の近接です。3つの水仙の花を見ると、いちばん下の花は、おそらくいちばん近景で花弁全体が刺繍で埋めてあります。真ん中の花は花弁の輪郭だけがあしらって(刺繍をして)あります。上の花は花弁の中の線だけあしらってあります。あしらいの量にメリハリをつけることで遠近感を表現しているんですねす。

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写真3番目は模様の下半分の近接です。水洗を包む熨斗紙は輪郭と水引にあしらいがしてありますが、輪郭のあしらいは輪郭を完全に括っているのではなく、下に部分だけ刺繍していません。節約しているわけではなく、完全に括らないことで絵が縮こまらないのでしょうね。

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写真4番目はもう片方の袖の模様の近接です。胸の菊は小菊でしたが、こちらは大輪の菊です。

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写真5番目はさらに近接です。花弁の先端は金銀糸で刺繍され陽光を反射しているように見えます。花芯のあしらいも赤に金が混じり輝いているように見えます。
[ 2016/03/13 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

大羊居の付下げ「華折紙」の細部

第三千三百二十三回目は、大羊居の付下げ「華折紙」の細部です。

今日は後姿と胸の模様を近接で撮ってみました。

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いちばん上の写真は、背中心付近にある後姿の模様の全体の近接です。

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写真2番目はアヤメ(杜若?菖蒲?)の近接です。前姿の牡丹に対して後姿はアヤメです。

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写真3番目は袖の上にある折り紙の風車の近接です。

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写真4番目はアヤメを包むのし紙の近接です。水引の結び目は金糸の刺繍で表現しています。

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写真5番目は胸の模様の近接です。菊の花と折り紙の風車の組み合わせです。

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写真6番目は胸の模様にさらに近接してみました。
[ 2016/03/12 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

大羊居の付下げ「華折紙」の細部

第三千三百二十二回目は、大羊居の付下げ「華折紙」の細部です。

今日は前姿の模様を近接で撮ってみました。

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いちばん上の写真は牡丹の近接です。

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写真2番目はもっと近接です。牡丹の花弁の縁に白い糸と銀糸であしらいがしてあります。単に模様を強調するだけでなく、立体感や光の反射を感じますね。花芯の部分も青い糸であしらいがされています。

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写真3番目は牡丹の花の下辺りの色紙と紐の近接です。紐の先端にまつい繍と相良繍であしらいがしてあります。

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写真4番目は牡丹の花の下辺りの折り紙の近接です。折り紙のことはよくわからないですが、風車でしょうか。羽根の縁のあしらいは、金糸と絹糸を捩っています。

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写真5番目はマエミの下の方にある折り紙の近接です。こちらのあしらいは羽根の輪郭ではなく、羽根の中を繍っています。あしらいというのは、下地の友禅模様が似ていても、違うパターンで繍ってバリエーションを演出するもののようですね。

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写真6番目はメインの牡丹の上にある白い牡丹です。脇役の牡丹にもかかわらず花弁の周囲のすべてに金糸の駒繍のあしらいがしてあります。
[ 2016/03/11 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

大羊居の付下げ「華折紙」

第三千三百二十一回目の作品として、大羊居の付下げ「華折紙」を紹介します。

折り紙がテーマで四季花を添えてあります。花の季節は四季のバランスが取れているようです。地色が面白いのですが、デジカメで撮るのは難しかったです。

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いちばん上の写真は前姿(マエミ+オクミ)です。

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写真2番目は後姿です。

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写真3番目は袖です。

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写真4番目はもう片方の袖です。

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写真5番目は胸です。

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写真6番目は落款です。
[ 2016/03/10 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

一の橋の付下げ「横段楽器」の帯合わせ

第三千三百二十回目は、一の橋の付下げ「横段楽器」の帯合わせです。

「横段楽器」の帯合わせは今日で最後にします。今日は使い残し画像です。

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いちばん上の写真は、織悦の袋帯「立沸道長取」を合わせてみました。有職文様である立沸文と料紙に用いられる道長取りを合わせた意匠で、公家文化を連想させます。和楽器との大まかなつながりを感じる帯合わせにしてみました。

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写真2番目は、北尾の紋綴の袋帯「道長取り」を合わせてみました。紋綴は、地は綴組織で、模様は絵緯糸で表現したものです。爪掻綴との違いは、模様の裏に渡り糸があることですね。北尾さんは残念ながら最近破産してしまいました。ネットショップなどに金融品として在庫が安く出るかもしれません。本来、西陣でも最高級のものですから、安ければ買っても良いと思います。

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写真3番目は、紋屋井関の袋帯「銀平脱の合子」を合わせてみました。聖武天皇のために「銀平脱」と呼ばれる超絶技巧によって作られた碁石の入れ物です。象さんチームと鸚哥さんチームがあり、それを並べて意匠にした帯です。今回は、横段模様の着物に対し丸模様の帯ということで合わせてみました。

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写真4番目は、喜多川俵二の名古屋帯「鳥襷丸文」を合わせてみました。有職文様の帯です。横段模様の着物に対し丸模様の帯ということで合わせてみました。

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写真5番目は、喜多川俵二の名古屋帯「小牡丹唐草文」を合わせてみました。名物裂としてもっとも有名な牡丹唐草です。喜多川俵二といえば有職文様が有名ですが、名物裂や正倉院文様もあります。昨日の龍村の印金も牡丹唐草ですが、比較してみると古典写しに見えて龍村の創作力は凄いですね。

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写真6番目は、梅垣の袋帯「蒔絵花鳥文」を合わせてみました。梅垣の最高級クラスの帯です。最高級の織物で最高級の蒔絵に似せているんですね。
[ 2016/03/09 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の付下げ「横段楽器」の帯合わせ

第三千三百十九回目は、一の橋の付下げ「横段楽器」の帯合わせです。

着物の意匠には植物が描かれていることが多いですが、今回の「横段楽器」は植物が一切描かれていません。器物文様であっても、添え物として植物が描かれていたり、笛袋など器物の模様として植物が描かれていることが多いのですが、それもないというのは珍しいですね。

着物に植物が描かれていないことのメリットは、何の差障りもなくあらゆる種類の植物文の帯を合わせることができるということです。

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いちばん上の写真は、紫絋の袋帯「松重ね」を合わせてみました。

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写真2番目は、織悦の袋帯「龍田川」を合わせてみました。

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写真3番目は、織悦の袋帯「光悦秋草柴垣文」を合わせてみました。

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写真4番目は、織悦の袋帯「遠山霞桜楓文」を合わせてみました。蒔絵の漆の金の工芸品のイメージを織物で表現しています。

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写真5番目は、河合康幸の袋帯を合わせてみました。小袖の意匠である花の丸文ですが、地色の紫色が個性的ですね。

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写真6番目は、龍村の名古屋帯「印金牡丹唐草文」を合わせてみました。格調高い金を使った名物裂には、金糸を織り込んだ金襴と生地に金を貼り付けた印金があります。名物裂の印金は日本の小袖の摺箔とよく似ています。

両者の違いは、印金は仏具などに使われることが多く着物として着ることを想定していないので、金箔に厚みがあるのに対し、摺箔は小袖の装飾に使われたので、人間の体の動きに自由に沿わなければなりませんし、使用しないときは畳まなければならないため、金箔が薄いのです。

現代の着物に再現するときは、型紙を使って摺りこむときは摺箔、プラスティック製の縁蓋を使う時は印金というようです。印金と呼ばれるときの方が明らかに金が厚いのでわかります。

[ 2016/03/08 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の付下げ「横段楽器」の帯合わせ

第三千三百十八回目は、一の橋の付下げ「横段楽器」の帯合わせです。

今回の「横段楽器」は着る人の体に横段のライン現れるのが個性ですが、帯も横段で合わせて着物の模様にシンクロさせてみました。

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いちばん上の写真は、織悦の袋帯「シャム印金段文」の淡い色を合わせてみました。織悦の段文は、袋帯のシリーズの中でいちばんリーズナブルな値段で、万能に使え、しかも上品という便利な帯です。

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写真2番目は、織悦の袋帯「インドモール立木段文」の濃い色を合わせてみました。

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写真3番目は、河村織物の「栄昌綴」シリーズの1本、「七宝段文」を合わせてみました。

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写真4番目は、紫絋の袋帯「臈纈花鳥文」を合わせてみました。タイトルは「臈纈」ですが、実際には挟纈や刺繍など天平時代の染織品のモチーフがいろいろとコラージュされ、横段に配されています。

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写真5番目は、龍村の袋帯「郁芳間道」を合わせてみました。これまで横段を試してきたので、縦縞である間道も試してみました。

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写真6番目は、おび弘の袋帯を合わせてみました。段文も間道も合わせてみたので、最後は斜線を合わせてみました。これで直線は全部試したので、あとは曲線でしょうか。

[ 2016/03/07 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の付下げ「横段楽器」の帯合わせ

第三千三百十七回目は、一の橋の付下げ「横段楽器」の帯合わせです。

帯合わせは色や模様の形状を重視して感覚的に合わせるものです。しかし意味的に合わせてみたい誘惑もありますね。それが成功すれば、センスが良いと言われるだけでなく古典の教養があるとも言ってもらえそうですから。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「錦秀遺芳文」を合わせてみました。反っくり返った鹿がいますが、俵屋宗達が修復した平家納経の表紙として有名ですね。着物の模様の中に琵琶があるので、そこから平家琵琶を連想し、平家納経につなげてみました。

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写真2番目は、織悦の袋帯「厳島花鳥蝶華文」を合わせてみました。これも平家納経に取材した作品です。鹿とはずいぶん違いますが、平家納経というのは31巻有り、それぞれの表紙や見返しに絵や装飾があるので、着物や帯の意匠としてはあちこちから取り放題なのです。

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写真3番目は、喜多川俵二の名古屋帯を合わせてみました。これも平家納経に取材したもので、31巻のうちのどこかにある装飾なのでしょう。

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写真4番目は、龍村の袋帯「西域舞踊錦」を合わせてみました。着物が楽器の模様なので、それに合わせて踊っているという設定でつなげてみました。踊っているのは西域のエキゾチックな踊りで、和楽器とは全然つながらないだろうと思われるかもしれませんが、この程度離した方が創意が感じられていいのではないですか。

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写真5番目は、池口の袋帯「佐波理綴」シリーズの極初期の作品「御簾」を合わせてみました。お太鼓だけ見ると間道のようでもありますが、垂れを見ると御簾であったということがわかります。貴人は御簾を半分上げて下から外を見るものですが、そんな公家の生活のイメージと和楽器を関連付けてみました。
[ 2016/03/06 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の付下げ「横段楽器」の続き

第三千三百十六回目は、一の橋の付下げ「横段楽器」の続きです。

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いちばん上の写真は、マエミの近接です。本来なら昨日この写真を載せるべきでした。パーティでこの着物を着た人に出会った人は、まず横段の模様を見て大胆だなあと思い、徐々に近づいてきて最後に1つ1つの楽器の加工を見るわけですから、その通りの順で写真をお見せした方が、作者の意図が良く体験できたと思います。

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写真2番目は、袖の近接です。

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写真3番目は後姿の琵琶です。唯一、横段の線の上に載っている楽器です。図案をつくる立場になれば、モチーフを線の上に載せるべきか、間におくべきか、両方にするなら比率をどうするか、悩むのではないでしょうか。この作品では、後姿に1つだけ線に載せるという、他と違うパターンをつくっています。

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[ 2016/03/05 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

一の橋の付下げ「横段楽器」の続き

第三千三百十五回目は、一の橋の付下げ「横段楽器」の続きです。

今日は、前姿にある5つの楽器の1つ1つを近接で撮ってみました。遠目では横段模様の面白さに目が行きますが、近くによれば、1つ1つの楽器に目が行きます。そのとき1つ1つが上手に描いてないと魅力がありませんね。

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いちばん上の写真は、琵琶です。収納する袋も描いてあります。弦や琵琶の中心ではなく、脇の方があしらいで強調されています。琵琶の厚みを強調して立体感を出そうとしているのでしょうか。

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写真2番目は、笛と笛袋です。笛と紐があしらいで強調されています。

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写真3番目は笛です。

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写真4番目は鼓です。紐があしらいで強調されています。

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写真5番目は笙です。
[ 2016/03/04 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

一の橋の訪問着

第三千三百十四回目の作品として、一の橋の付下げ「横段楽器」を紹介します。

今回紹介するのは、横段模様と和楽器を合わせた一の橋の付下げです。制作はもともと中井淳夫さんの下職だった職人さんによるものです。当社を担当している一の橋の社員も元々中井さんの社員だった人で、私の中井さんへの未練をよく理解してくれています。中井さん本人がいないということを除けば中井作品ですね。

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いちばん上の写真は前姿(マエミ+オクミ)です。

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写真2番目は後姿です。

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写真3番目は袖です。

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写真4番目は参考図版です。一の橋が生前の中井淳夫さんに作らせた作品で、おそらく今回の作品の発想の元になったものです。原作では紅白の椿のみという単純でインパクトの強いモチーフが、今回の作品ではいろいろな種類の和楽器という絵画的に鑑賞しやすいモチーフに変えてあります。

また原作ではすべての横段がずれていますが、今回の作品は前姿では横段がつながり、後姿ではずれています。結局、原作は芸術性が高く、派生品は誰にでも親しみやすく実際に着易いということだと思います。
[ 2016/03/03 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

龍工房の帯揚げ

第三千三百十三回目の作品として、龍工房の帯揚げを紹介します。

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いちばん上の写真は、模様の全体を斜めから撮ってみました。全体は絞りですが、海老だけは型染です。

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写真2番目は、色違いです。帯揚げとしての実際の利用は、この色の方が使いやすいと思いますが、赤い方が売れるそうです。呉服店の店頭や展示会で飾るなら赤い方が良いですね。

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写真3番目は、近接です。

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写真4番目は、色違いの近接です。

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写真5番目は、さらに近接です。

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写真6番目は、さらに近接です。この色の方が使いやすいとは思いますが、鯛だけで見るとこの色は鯛焼きに見えますね。実際には赤が出ないようにすればいいようにすればいいので、同じことかも。
[ 2016/03/02 ] 小物と小物合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「八橋螺鈿錦」の帯合わせ

第三千三百十二回目は、龍村の袋帯「八橋螺鈿錦」の帯合わせです。

「八橋螺鈿錦」の帯合わせは、今日で最後にします。最後は使い残し画像です。

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いちばん上の写真は、花也の桜をテーマにした訪問着に合わせてみました。季節ものに使えるか試してみました。本編に使用しなかった帯合わせですから、必然性の無い合わせ方もしているのでご了承ください。

夕暮れ時に薄墨色に見える桜です。桜はダンマル描きと同色の刺繍(ピンクを加えたりしない)で描かれています。友禅でなくダンマルで描くことで、桜の色が夕闇に馴染むように、花の色が地色に馴染んでいます。友禅の白い糸目が有ったら台無しですね。

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写真2番目は、藤井絞の蔦をテーマにした絞りの訪問着に合わせてみました。上の写真の春に対して秋を試してみました。みなさんは、紫と緑の組み合わせってどう思いますか。昨日の付下げでも試していますが、私は妙に魅かれることがあります。季節は違いますが、杜若の配色が頭の中に残っているからでしょうか。これが蔦でなくて杜若だったら光琳の硯の再現のようですが、やりすぎ?

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写真3番目は、野口の訪問着に合わせてみました。江戸時代の前期から中期、友禅が普及するとともに絵画性・物語性の強い意匠が流行りましたが、この「京名所図絵」のその1つです。

京名所図絵では、必ず前方に鴨川が描かれ橋が架かっていますから、帯と合わせると橋を重ねて二重橋状態になります。橋の落成式に着て行くみたいかなあ。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の色留袖に合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。今日は変な帯合わせばかりお見せしているので、口直しにまともなものを。

橋の下に霞と青海波ですから、八つ橋が瀬戸大橋みたいに豪壮なものになってしまいますが、着物も帯も豪華で違和感はないかも。

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写真5番目は、野口の小袖写しの訪問着に合わせてみました。実際に制作したのは橋村重彦さんです。橋村さんは中井淳夫の彩色担当でもあったので、色は中井を受け継いでいます。この作品は、現代の着物の様式に改編してありますが、元の小袖の意匠にかなり忠実です。橋と流水模様で相性はいいですね。最後ですから良い帯合わせにしてみました。
[ 2016/03/01 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

ダイレクトメールと津雲邸のひなまつり

先日、メールでセールのダイレクトメールをお送りしました。当店はちゃんとした顧客名簿が無く、トレイ内にある過去のメールに対し返信するという方式でダイレクトメールをお送りしています。そのため戻って来てしまうのもかなりありますし、自分はお得意様のはずなのにメールが来なくて失礼!と思っていらっしゃる方もあるんじゃないかと思っています。メールが来ないという方、新規のダイレクトメールを希望する方は、当店宛にメールをくださるようお願いいたします。

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今、当店のすぐ近所の津雲国利邸で「雛まつり展」をしています。津雲国利といえば、戦前、戦中、戦後の政治家で、親軍派として東条英機と仲が良かったことで知られています。この屋敷は昭和初期に贅を尽くして建てられたもので、東条英機も何度も来ているようです。しかしなぜか雛人形のコレクションがあり、その中にはマニアの評価の高い「七澤屋もの」といわれる雛道具も含まれています。

3月27日までですが、開館しているのは金土日だけなので注意してください。
[ 2016/03/01 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)