龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせ

第二千九百八十回目は、龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせです。

この帯はどんな着物にも合ってしまうので、当分帯合わせは続けられるのですが、そろそろ皆様も飽きてきたと思いますので、今日で最後にします。最後は伝統工芸的な後染の着物で。

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いちばん上の写真は、南部古代型染の着尺を合わせてみました。南部古代型染というのは、江戸時代の初期以来、南部藩の御用染として裃などを藍染の型染で染めていた蛭子屋さんが染めている着物のブランド名です。藩の御用がなくなった後も、蛭子屋の屋号は守られ続け、やがて女性の着物として復活しました。藍染も本物ですし、意匠も江戸時代以来の伝統を継承しています。写真の牡丹唐草も伝統的な意匠です。

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写真2番目は、バティックの着尺を合わせてみました。かつて日本の商社がインドネシアとの貿易不均衡を解消するため、日本の着物の生地に現地のバティック作家がチャンティンで蝋染して輸入したものです。貿易不均衡解消が目的ですから、なるべく高いものをということで、当時の一流作家が加工しています。

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写真3番目は、城間栄喜の着尺を合わせてみました。帯合わせが最も難しい着物である紅型もちゃんと合うということを証明してみました。

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写真4番目は、知念貞男の紬地の着尺を合わせてみました。波の流麗な曲線模様です。

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写真5番目は、龍村の間道の仲間で、海老殻間道を掲載してみました。帯合わせではよく登場しますが、FC2になってからまだちゃんと紹介していませんでした。今回の「彩香間道」と比較してみてください。
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[ 2015/01/31 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせ

第二千九百七十九回目は、龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせです。

今日は中井淳夫さんの訪問着に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、中井さんの作品で、江戸時代の友禅の小袖の名品として名高い「束ね熨斗友禅小袖」に似た意匠の訪問着に合わせてみました。本歌は肩に束ねている紐が金糸の刺繍で表現されているので、「束ね熨斗」がテーマであるとわかりますが、この作品では束ねる紐が描かれていないため、テープ状の模様が弧を描くだけの抽象的な意匠になっています。

それでも人の体に巻き付ければ、見える意匠はほとんど同じになりますね。本歌の束ね熨斗小袖をそのまま写した振袖は大量につくられていますが、この作品は束ねを外すだけで古典柄から抽象柄に変容しているわけで、中井さんらしい仕掛けだと思います。

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写真2番目は、中井さんの型疋田を全身に使った訪問着を合わせてみました。巨大な雪輪の弧が重なるという意匠です。全身型疋田の着物というのは、反物に対し同じ疋田の型で、繰り返し型染をしていけばいいわけで、それほど高級品とも思いません。

しかしこの作品は途中に弧が何重にも入っていて、その前後のギリギリのところで疋田が綺麗に切れているので、綿密な計算がないとつくれません。しかも弧で区切られたパーツごとに色も微妙に違います。中井さんがつくると、ありがちなものと思っても凝っていますね。上の作品とこの作品は、間道の直線と着物の弧の対比、というテーマで帯合わせをしてみました。

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写真3番目は、中井さんの樹木の葉をテーマにした訪問着を合わせてみました。上から陽が注ぎ、それぞれの葉に陽光が当たって、上の方は明るく、下の方は暗く、光のグラデーションを構成しています。実物は写真よりずっと綺麗です。派手で綺麗なものは世間にたくさんありますが、地味で綺麗なものはあまりないんですよ。

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写真4番目は、中井さんの型疋田を全身に使った訪問着を合わせてみました。扇面地紙をテーマにした色留袖です。金とベージュの地紙と銀とグレーの地紙の2種類が描かれ、金の地紙には銀の霞、銀の地紙には金の霞がかかっています。

シンプルですが、これが正解!と思わせるような作品です。中井さんの死後、私が袖に霞を付けて訪問着に改造しています。加工したのは倉部さんですが、倉部さんと中井さんの金加工をしていた職人さんは同一なので、中井さんの生前であっても同じになったはずです。
[ 2015/01/30 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせ

第二千九百七十八回目は、龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせです。

今日も付下げと合わせてみます。間道の帯に対して、エキゾチックな着物はどうか、粋な着物はどうか、など今日もいろいろ試してみました。

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いちばん上の写真は、野口の付下げを合わせてみました。制作したのは岡本等さんです。岡本等さんはモダンな色とカラー糸目が特長の野口の人気作家でしたが、40代で亡くなり今は在庫がわずかに残るのみです。この作品は洋花をテーマにしているので、季節にとらわれず着ることができて便利です。ここでは間道とエキゾチックなモチーフの相性を確かめてみました。

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写真2番目は、野口の付下げを合わせてみました。制作したのは岡本等さんです。松竹梅、菊、萩など四季の草花をテーマにしていますが、枝を水平に配し、帯下は2段の横段模様になっております。間道の縦模様、着物の横模様という組み合わせにしてみました。

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写真3番目は、大松の付下げを合わせてみました。この作品の地色は黒、オクミは無地、マエミと後姿に縦長の草花が描かれています。いかにも東京友禅の粋ですっきりした着物ということになりますね。上の例では、帯と着物で縦と横にしてみましたが、今度は、縦長模様の着物と間道の帯という縦方向どうしの組み合わせです。

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写真4番目は、秀雅の付下げを合わせてみました。焦げ茶色地に糊防染の白揚げのみで、松を描いた付下げです。前姿は松2本だけで、すっきり縦長の意匠ですね。色が無いので上の作品より粋かもしれません。けっこう自然に見えてしまう帯合わせです。
[ 2015/01/29 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせ

第二千九百七十七回目は、龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせです。

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いちばん上の写真は、野口の付下げを合わせてみました。制作したのは橋村重彦さんです。当時、橋村さんは野口の専属作家でした。この作品は反物状態で付下げとして制作されていますが、加工面積が多く実質的には訪問着です。

手描き友禅の着物といわれて、誰もがイメージする意匠です。基本パターンとして合わせてみました。

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写真2番目は、花也の色留袖を合わせてみました。訪問着なら良かったのですが、残念ながら色留袖なので在庫であります。雲形を取り方として、中に型疋田や友禅モチーフを入れ、雲形どうしは白揚げの波でつなげています。意匠的には典型的な安田様式です。普段あまり考えませんが(東京では安田といえば銀座きしやだったが、きしやの帯は龍村ではなく梅垣や河村が多かったため)、こうしてみるとよく合っています。

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写真3番目は、大羊居の付下げを合わせてみました。龍村ですから、一応大羊居は試しておかないといけませんね。大羊居のおなじみのモチーフである桐だけをテーマにしたものです。単純にならないよう、桐の表現がいろいろに変奏されています。大羊居を着ているとお嬢さまのイメージですが、ちょっと粋なお嬢さまになりますね。

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写真4番目は、花也の付下げを合わせてみました。墨色の地色に白揚げだけで波と松を描いたものです。と四季の花もおまけ的についていますね。ここでは無彩色に地色に白揚げというシンプルな作品も合うというのを試してみました。
[ 2015/01/28 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせ

第二千九百七十六回目は、龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせです。

今日も着尺(小紋)に合わせてみます。帯合わせが難しい小紋というのは、多色で大柄で総柄の着物です。そういう着物は見て目は綺麗で、単体で絵画的に鑑賞するのには向いていますが、実際に来て帯合わせまで考えると難しいものです。今回の間道は、あらゆる着物に合うというのが長所ですから、そういう着物でも合うはずです。

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いちばん上の写真は、野口の着尺を合わせてみました。浴衣の柄のような雰囲気もある着尺です。浴衣には、たいていは博多の半幅の帯を締めますが、博多と言えば柄は縞か伝統の一本独鈷模様です。そう考えれば、浴衣の柄に似た着物に対しては、間道の帯が合うということですね。

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写真2番目は、野口の着尺を合わせてみました。総柄の大きな葡萄の模様です。葡萄の模様と言うと葡萄唐草を連想しますが、この作品はそのような古典様式ではなく写生的に描いたものです。しかし、正倉院裂や名物裂の知識があると、どうしても模様の源流にある意味を詮索したくなります。そのように意味ありげな模様というのも、着る側が意識しすぎて帯合わせが難しいものです。というわけで龍村の間道の相手に選んでみました。

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写真3番目は、野口の着尺を合わせてみました。多色で大きな花模様で、濃淡が多用され絵画的な美しさがあります。また大胆な横段模様になっています。結論から言えば、もう帯合わせ自体を拒否するような着物ですよね。無地の帯なら合うといいたいところですが、野口の派手な着尺というのは訪問着のようなインパクトがあるので、適当な無地の名古屋帯では貫禄で負けてしまいます。こういう時は、龍村の間道の出番ですね。

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写真4番目は、野口の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは岡重で、技法は手挿(輪郭線のみ型、彩色が手描き)ですから訪問着に近い高級品で、狭い意味での「加工着尺」です。菊が写生的に表現されていますから、季節も気になりますし、花と花をぶつけて良いのか、など柄のある帯は合わせにくいものです。こういう時、龍村の間道のありがたみがわかります。
[ 2015/01/27 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせ

第二千九百七十五回目は、龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせです。

今日は着尺(小紋)を合わせてみました。龍村の袋帯であれば、フォーマルでも合わせたいところですが、今日はとりあえず小紋から。

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いちばん上の写真は、野口の加工着尺を合わせてみました。制作したのは堀栄さんですが、堀栄さんは加賀友禅の修業をした後に京都で活動している人ですから、この作品も手描き友禅によるものです。

小紋は型で染めるのが合理的ですが、稀にこのようなものがあり、小紋とは言わず加工着尺と言います。輪郭のみが型で手彩色したものや、地紋に沿って手彩色したものも加工着尺といいますから、厳密な定義のある言葉ではないですね。

形式としては飛び柄の小紋ですから、どんな帯にも合わせやすく、当然この帯合わせも全く違和感はありません。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の着尺(小紋)を合わせてみました。制作したのは大和さんです。意匠化された洒脱な菊模様です。単色でシンプルですから、絵画として単体で鑑賞するのには向きませんが、着物としては使い勝手がすごく良いです。

今回もよく合っていますが、帯の間道の直線模様に対する、菊の花弁の曲線模様が良いのかもしれませんね。

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写真3番目は、野口の着尺を合わせてみました。古典である唐草模様を、綺麗な水色でモダンな雰囲気にしたものです。帯の茶色に対する着物の水色という補色関係も綺麗ですし、模様も帯の直線に対する着物の曲線も対照的で良いです。
また名物裂の間道に対して、着物も上代裂や名物裂の唐草ですから、模様の格もじつは合っています。

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写真4番目は、野口の着尺を合わせてみました。縞更紗の着尺ですね。更紗は元来、曲線模様ですが、それが縞の中に納められる模様です。直線模様である袋帯に対し、曲線模様でもあり直線模様でもある着物を合わせるという複雑な状況になっています。
[ 2015/01/26 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせ

第二千九百七十四回目は、龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせです。

今日も紬ですが、この間道の帯が、縞や格子に合うか試してみました。紬の工程の中でもっとも高度な技術を要するのは絣の工程です。紬と言えば絣、というイメージがありますが、紬の産地は日本中たいていの県にありますが、絣を伝統として持っているのは、じつは多くありません。特に分業しない個人作家はほとんど縞と格子までで、おしゃれだなあと思っても格子のバリエーションで配色が上手いだけというものが多いです。

というわけで、いろんな紬に合わせることができるというのならば、縞や格子にも合わせる必要があるので、今日は縞や格子で合わせてみます。間道の帯に縞の着物を合わせたらどうなってしまうのでしょうか。最悪のばあい、チェッカーズの「ギザギザハートの子守歌」の時の衣装になってしまうのではないかと思います。

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いちばん上の写真は、久米島紬の格子と合わせてみました。帯は、間道と言いながら横段も有って、格子とも言えます。格子どうしがシンクロするような帯合わせということになります。同じ格子でも、帯が多色であるのに対し着物が単色、帯と着物で格子の大きさが違う、というようにパターンが違えば違和感はないようです。

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写真2番目は、仲井間香代子の首里織と合わせてみました。技法はロートン織です。ロートンというのは縦縞で、経糸の一部が紋織になるものを言います。裏も経糸が浮いていてちょっと不思議(常識では表で経糸が浮いていれば、裏は緯糸が浮いていますよね。)なのですが、経糸はじつは半分ずつになっていて、その中を緯糸が通っています。

縞に縞の帯合わせですが、一方が単彩であれば違和感は少ないようです。

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写真3番目は、秦荘紬と合わせてみました。単純なパターンの絣も併用しているので縞や格子とはいえないですが、縞にも格子のも見える幾何学パターンです。配色が良いので許されるかな。

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写真4番目は、郡上紬を合わせてみました。これはダメですね、帯がカメレオンで、カモフラージュして隠れているように見えます。やはり、同じパターンどうしで合わせるは、一方は単彩であるべきですね。
[ 2015/01/25 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせ

第二千九百七十三回目は、龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせです。

縞の帯というのは粋でカジュアルなイメージですが、「縞」と言わず「間道」と言えば名物裂の写しのような気がしてフォーマルっぽいイメージになります。それがさらに龍村ブランドであれば、なおフォーマルイメージが強くなりますね。結果として、この帯はカジュアルなのかフォーマルなのか解釈次第ということになり、紬でも訪問着でも小紋でも幅広く使えるのではないかと思います。

今回はすべて試してみようと思っていますが、まず今日は紬です。

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いちばん上の写真は、松枝哲哉の久留米絣を合わせてみました。水が流れるような曲線模様を描く絵絣です。帯がカチッとした直線模様ですから、このような流麗な模様を合わせるのが基本だと思います。色は、帯が青も茶も含んでいるので、着物が藍染であっても泥染であっても対応しています。

紬に合わせる帯を選ぶときは、日本の紬の色は藍染か泥染で染めていることが多いのですから、黒はなんでも合うとして、青と茶に対応していることが大事ですね。

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写真2番目は、林宗平の古代紬(塩沢紬と分類されるであろう林宗平のブランド)を合わせてみました。色は藍染で上の例と同じですが、こちらは構成のしっかりしたカチッとしたデザインです。着物と帯がカチッとした直線どうしの組み合わせということになります。

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写真3番目は、秋山真和の「綾の手紬」を合わせてみました。帯がカチッとした直線模様であるのに対し、着物はアットランダムかと思うような模様です。いちばん上の例と同じく、これもまた対照的な意匠の組み合わせですね。

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写真4番目は、山口良子の首里花織を合わせてみました。福木で染められた輝くような黄色(草木染は本来こうであるべきですよね、草木染で草木染らしい色を染めているということはすでに失敗しているんだと思います。)の着物で、模様は花織(地の糸が変化して紋織になる)と浮織(別の糸を差し入れて紋織になる)を併用しています。染の技術も織の技術もかつての官服に相応しいものですね。

「官服に相応しい」と感じる格の高さがあるということは、カチッとしたものどうしの組み合わせということになります。

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写真5番目は、かつての重要無形文化財の要件を備えている結城紬を合わせてみました。100亀甲の総柄です。龍村の帯を買う人は、結城紬も買うでしょう。だからこんな帯合わせがありがちではないでしょうか。
[ 2015/01/24 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「彩香間道」の細部と拡大

第二千九百七十二回目は、龍村の袋帯「彩香間道」の細部と拡大です。

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いちばん上の写真は、近接で撮ったものです。

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写真2番目は普通の縞の部分の拡大です。経糸が、赤と青とベージュで縞になっていることがわかりますが、少しずつ見えている緯糸は、なんと紫です。表面から見えるこの帯の色は、本来の縞の色に紫が少しずつ混じった色に見えているはずです。

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写真3番目は横段の線がある辺りの拡大です。横段の線は立体感があるように見えますが、本当に立体でした。

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写真4番目は、帯の端に近い界きり線辺りを拡大してみました。平銀糸と撚金糸と光沢のある黄色い絹糸が使われています。金糸と光沢のある黄色い絹糸は一体化していますね。昨日、紹介した表示によると本金糸は使っていないはずなので、この平銀糸はポリエステルフィルムということになります。
[ 2015/01/23 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「彩香間道」

第二千九百七十一回目の作品として、龍村の袋帯「彩香間道」を紹介します。

私の大好きな龍村の間道の1本です。他の間道はすべて「日野間道手」「青木間道手」のように名物裂にちなんだものですが、これはオリジナルなのでしょうか。普通は「サイコウ」といえば「彩光」の字を当てるものですが、ここではあえて「彩香」となっているのが、作品を読み解くヒントでしょう。

普通は、彩りは光から生じるものですが、ここでは香りから彩りが生じているのでしょうか。視覚と嗅覚の違いですね。

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いちばん上の写真は、帯の幅を写真の幅として撮ったものです。

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写真2番目は、ちょうどお太鼓として出る辺りです。横段があります。

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写真3番目は、裏も見えるように写真を撮ったものです。裏も同じ模様で、どちらも締められそうです。

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写真4番目は、品質表示ラベルです。ポリエステルフィルムの撚金糸が少し使ってあるだけで、その他は普通の絹糸ですね。指定外繊維(紙)はないので、本金の引き箔は使ってないようです。
[ 2015/01/22 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛(中井淳夫)の訪問着の帯合わせ

第二千九百七十回目は千切屋治兵衛(中井淳夫)の訪問着の帯合わせです。

今日は色をテーマに帯合わせをしてみます。

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いちばん上の写真は、捨松の手織りの袋帯を紹介します。「帯屋捨松」のロゴのない高級バージョンです。地はピンクと白の段替わりになっていて、模様は金糸の牡丹唐草です。ピンク地の着物に対して、ピンクのグラデーションの帯という組み合わせです。

同色のグラデーションというのは、目立たないしメリハリがない感じですが、ちょうどそこに金糸の模様があって、それがほどほどのメリハリになっています。

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写真2番目は、北秀が製作した塩瀬地に金加工と金糸の刺繍の袋帯です。ピンク地の着物に対してグレー地の帯という組み合わせです。ピンクとグレーという配色は定番ですが、帯のグレーは墨絵風の桜の同系色でもありますから、2重のマッチングですね。

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写真3番目は、龍村の袋帯「騎馬陶楽錦」を合わせています。ピンク地の着物に対し、強い黒というメリハリの効いた帯合わせです。しかし黒は、墨絵風の桜の同系色でもあり、同系の結びつきも感じますから帯が浮くということはないですね。

模様については、桜の時期に桜の着物を着るからには、他のあらゆる模様は邪魔ということで、むしろ思い切り関係のないものにしてみました。

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写真4番目は、龍村の袋帯「錦秀遺宝錦」を合わせています。ピンク地に墨色だけという単彩主義の着物に対し、地色は金で模様は多色という華やかな帯を合わせてみました。墨の単彩vs多色で華やかという対比的な組み合わせです。
[ 2015/01/21 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛(中井淳夫)の訪問着の帯合わせ

第二千九百六十九回目は千切屋治兵衛(中井淳夫)の訪問着の帯合わせです。

桜の着物に合わせる帯というの意外に悩むものです。桜の時期に桜の着物を着たいと思うなら、帯にどんな模様を合わせようとそれは夾雑物に過ぎないですから。流水模様の帯を合わせて「桜に流水」のような組み合わせをつくるか、有職文様の帯を合わせて「古典で上品」と言うこと以外意味を持たせない帯合わせをするしかありません。

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いちばん上の写真は、大西勇の袋帯を合わせてみました。正倉院御物である蝋纈屏風をテーマにしたものです。桜に合わせる帯と言えば、なんといっても象だと思います。摩耶夫人が象の夢を見て生まれたのが釈迦で、釈迦の誕生日は桜が咲いている4月8日、名前もはなまつりですから。

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写真2番目は、大西勇の「正倉院合子」を合わせてみました。正倉院御物の「銀平脱合子」という碁石入れをテーマにしたものです。これも、はなまつりにちなんだ帯合わせです。

クリスマスはケーキ、バレンタインはチョコ業界が潤うわけですが、外国の神さまだけでなく日本の仏教でも何か潤うものがあっても良いのではないかと思います。毎年4月8日はカレーを食べるというのはどうでしょうか。釈迦はインド人なんで。

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写真3番目は織悦の「彩悦錦」シリーズの袋帯「遠山」を合わせてみました。遠山は、あらゆる模様に対して遠景役を務めてくれてありがたい存在ですね。日本画でも近景が桜、遠景が遠山という組み合わせは有りがちで、相性の良い帯合わせだと思います。

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写真4番目は、かのう幸の袋帯「天と地」を合わせてみました。「花に嵐」で合わせてみました。「花に嵐のたとえもある。さよならだけが人生だ。」とつながります。漢詩の後半2行を井伏鱒二が意訳したものですね。着物が咲かせた花を帯の風が散らしてしまうという、オランダ絵画のヴァニタスみたいにも見えますね。
[ 2015/01/20 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛(中井淳夫)の訪問着の細部

第二千九百六十八回目は千切屋治兵衛(中井淳夫)の訪問着の細部です。

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いちばん上の写真は袖です。昨日の全体の写真で写っているものです。

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写真2番目はもう片方の袖です。全体の写真で写っていない方です。

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写真3番目は近接です。

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写真4番目も近接です。糸目については近接で撮っても有るような無いような。実際にはあるのですが、わずかに見える程度で、着姿としてみる時は全く見えない感じです。

墨絵の演出ですから白い輪郭線があってはおかしいですし、ピンクと墨色が調和しているのに、その間に白が介在しては無粋ですものね。
[ 2015/01/19 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛(中井淳夫)の訪問着

第二千九百六十七回目の作品として、千切屋治兵衛の訪問着を紹介します。制作したのは中井淳夫さんです。

達人の筆により墨で一気に描かれたように見えるのびのびとした作品です。しかし、実際は糸目で防染された友禅作品ですから、きちんと計算して図案がつくられたはずであり、墨の濃淡やスピード感もまた演出です。高畑勲のかぐや姫の輪郭線のようなものですね。

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いちばん上の写真は全体です。

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写真2番目は前姿です。

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写真3番目は後姿です。墨色の濃淡を見ると、カーブしているところが濃くなっていて、真っ直ぐで筆にスピードが乗りそうなところは薄くなっています。また筆の入るところ、出るところもまた、それらしく濃淡がついています。スッと力が抜けるところなど綺麗ですね。

しかし、これはきちんとした糸目友禅で、輪郭や彩色は分業で別の人が描いているのですから、墨の濃淡も筆のスピード感も全部虚構なんですね。ここはカーブだから筆のスピードが遅くなる、だから墨が溜まるだろう、濃く染めておこう、なんて感じで制作しているんですね。それもまた中井さんが指示していたんでしょう。

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写真4番目は下前を含む後姿です。
[ 2015/01/18 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

長女の振袖の顛末

第二千九百六十六回目は、長女の振袖の顛末です。

昨年末に紹介した長女の振袖が成人式ギリギリに完成しました。

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いちばん上の写真は、振袖の全体です。飛び柄の刺繍なので仮絵羽にする必要はなく、反物からいきなり仕立てたので、私も全体をつなげてみたのは初めてです。

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写真2番目は前姿です。刺繍の数は、帯下が20個、帯上が10個です。刺繍の模様の間隔はこの程度で、飛び柄の小紋よりかなり詰まっています。

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写真3番目は、モデルさんが試着しています。

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写真4番目もモデルさんが試着しています。百人一首風にポーズをとってもらいました。

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写真5番目は後始末です。振袖と長襦袢と小物は基本的には紫の濃淡です。帯は織悦の彩悦錦を使っていますが、全体が本金の引き箔の帯を、思い切り変わり結びされてしまうと、このような悲惨な状態になります。現在、補修中です。

龍村の袋帯「秋景」の帯合わせ。使い残し画像。

第二千九百六十五回目は、龍村の袋帯「秋景」の帯合わせです。

今日で「秋景」は終わりにしますが、最後は使い残しの画像を紹介させてください。

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いちばん上の写真は、花也の付下げ「八重葎」と合わせてみました。八重葎というのはひっつき虫と言われる草で、1年中あるように思いますが、「八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ 見えね 秋は来にけり」という百人一首があるので、秋ということにして合わせてみました。

秋草どうしということになりますが、「2度言いました」感は少ないように感じます。私たちがしつこいと感じるのは、「秋」という意味ではなく、見た目の形状から来るのかもしれないですね。帯の秋草の柔らかい曲線に対し、着物の八重葎は非情なまでの直線なので、この形状の違いから重複感が避けられたのではないでしょうか。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の付下げ「龍田川」と合わせてみました。制作したのは中井淳夫さんです。上の例と同じように、直線模様を合わせています。上の作品は、曲線模様として表されることが多い蔓植物を、あえて直線で表現するという意匠的なものでしたが、龍田川を直線にしてしまうというのもまた、大胆な意匠だと思います。

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写真3番目は、大羊居の付下げ「紅葉の庭」を合わせてみました。龍村の袋帯ですから大羊居にも参加してもらいました。

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写真4番目は、花也の付下げ「笹に楓」を合わせてみました。ダンマル描きの半防染効果を使って笹を描き、それを取り方として、笹の葉に中に楓と萩を描いています。
[ 2015/01/16 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「秋景」の帯合わせ

第二千九百六十四回目は、龍村の袋帯「秋景」の帯合わせです。

今日は着尺(小紋)と合わせてみます。とりあえず秋をテーマにしたものを集めてみました。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の着尺(小紋、一般的に型染で柄が繰り返す着物を小紋と言いますが、柄が大きいので小紋というのは気が引けますね。)を合わせてみました。菊ということで秋のテーマで一致しますが、単色の洒脱な表現で、雰囲気が重ならないので、同じことを2度言うことにはならないですね。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の着尺(飛び柄の小紋)を合わせてみました。楓ということで秋のテーマで一致しますが、絵画的な帯に対し、着物は細かい飛び柄なので、同じことを2度言うことにはならないです。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の着尺(飛び柄の小紋)を合わせてみました。銀杏ということで秋のテーマであることは上と同じですが、こちらは明るい地色で、銀杏も朱色の型疋田となっています。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の着尺(飛び柄の小紋)を合わせてみました。冬眠する動物は秋に活動が活発になるので目撃されることが多く、秋のモチーフになりがちですが、樹上栗鼠は冬眠はしないので、j本当は秋のモチーフではないのかもしれません。でも木の実を持っているので、秋に分類してみました。

帯にはない「動物」というテーマを加えつつ、季節という共通項を保てるというのは、帯わせとしては教科書的だと思います。

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写真5番目は、野口の着尺を合わせてみました。葡萄がテーマなので秋で季節は一致しますが、着物の模様が大きくて存在感があるというのはどうでしょうか。今回は、上の4つが全て穏当な帯合わせになっているので、フィーリングカップル5対5の5人目のつもりで掲載してみました。
[ 2015/01/15 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「秋景」の帯合わせ

第二千九百六十三回目は、龍村の袋帯「秋景」の帯合わせです。

秋をテーマにしつつ、帯の模様と重ならない着物を合わせてみました。今日は特に中井淳夫さんの訪問着から選んでみました。

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いちばん上の写真では、中井淳夫さんのダンマル描きと金泥で落ち葉を描いた訪問着を合わせてみました。着物のオクミ辺りをよく見ていただくと青い点があります。それは虫の絵です。この虫の絵のために個性的な着物になっています。帯合わせとしては、金泥による表現なので帯と全く違った雰囲気になっており、模様が重なる感じはありません。ナナカマドの葉が散っているように見てもらえるとありがたいです。

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写真2番目では、中井淳夫さんの染め分けに紅葉を描いた訪問着を合わせてみました。池に落ちた紅葉の葉が前後左右自由に流れていく様子だと思います。

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写真3番目は、中井淳夫さんのぼかしの取り方の中に紅葉を描いた訪問着を合わせてみました。地味な配色ながら存在感がある作品です。

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写真4番目は、中井淳夫さんの光悦の色紙をテーマにした訪問着を合わせてみました。地色を含めた4色は、いずれも中井さんの使うレギュラーメンバーともいうべき色です。金泥で秋草が描かれていますが、当初は光悦の書を写したバージョンもあったようです。

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写真5番目は、中井淳夫さんのよくわからない訪問着を合わせてみました。落ち葉を掃くおじいさんは何者か、なぜ落ち葉を掃いているのか、謎の作品です。

こうして見ると、中井淳夫の作品はそれ自体で完結している芸術作品のように見えて、じつは帯を受け入れる余裕があるということがわかります。
[ 2015/01/14 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「秋景」の帯合わせ

第二千九百六十二回目は、龍村の袋帯「秋景」の帯合わせです。

今日は、帯のテーマと着物のテーマが無関係な帯合わせの例と、帯と着物のテーマが合いすぎる帯わせの例です。

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いちばん上の写真は、野口の付下げを合わせてみました。唐花模様を四角い取り方に入れて、それを縦に規則正しく並べるという図案の着物です。唐花模様は正倉院以来の伝統的な模様ですから、帯が秋景でも春景でも関係なく受け止めてくれますね。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の付下げを合わせてみました。制作したのは中井淳夫さんです。雪輪の中に流水や波頭など、水に関する日本の伝統的なモチーフを入れたものです。ブルーグレーの地色に銀の箔ぼかしが多用されています。波のモチーフもまた季節がありませんから、どんな帯でも受け止めてくれます。

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写真3番目は、野口の付下げを合わせてみました。制作したのは倉部さんです。着物と帯がほとんど同じ模様であったらどうなるかという実験です。「大事なことなので2回言いました」みたいな帯合わせですね。ちなみに「大事な・・・」というのは、昔みのもんたがポリデントのコマーシャルで言ったフレーズです。実際にこのコマーシャルでは3回言っていたそうですが。

みのもんたを例に出したからというわけではないですが、しつこい帯合わせですよね。みのもんただからというわけではないですが、「大事なことなので2回言いました」と面と向かって言ったら反発されそうですね。(私も2回言ってみました。)

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写真4番目は、上の例で実際の帯合わせに近づけてみました。このブログの帯合わせでは、着物の前姿に帯のお太鼓を合わせています。しかし実際には両者を同時に見ることはありません。本当は、この写真のように腹文と前姿が並ぶのです。こうして見ると、秋草と雁と秋の空気が合わさって完全な一幅の絵になります。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の訪問着を合わせてみました。制作したには倉部さんです。刺繍と箔を使った琳派秋草模様です。倉部さんの堂々たる訪問着ですごい作品ですが、この帯合わせはお勧めできないですね。
[ 2015/01/13 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「秋景」の帯合わせです

第二千九百六十一回目は、龍村の袋帯「秋景」の帯合わせです。

今日は付下げに合わせます。龍村の袋帯ですから、フォーマルに合わせたいですよね。しかし問題点は、帯が着物にありがちな秋草模様であるため、着物と重なってしまう確率が高いことです。このばあいの帯わせは3通りですね。まず、ひるまず同じ秋草の模様を重ねてしまうことです。色や雰囲気が違えば許容範囲に収まるかもしれません。2つ目は、幾何学模様など季節の関係のない模様の着物を合わせることです。

3つ目は、秋をテーマにしつつ全く違った意匠の着物を合わせることです。秋草という一般的なテーマではなく、限定されたテーマを選ぶと自ずと違った意匠になりますが、帯合わせとしてはいちばん高等技術になるでしょう。今日はそれを試してみます。

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いちばん上の写真は、野口の付下げを合わせてみました。制作したのは倉部さんです。源氏香を扇面に見立て手箔で表現し、秋草の刺繍を合わせたものです。帯は近景に秋草、中景に雁、遠景に月という広がりのある意匠です。それに対して着物は、扇面に見立てた源氏香という実質的な取り方という限定されたスペースに納められた意匠ですから対照的ですね。

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写真2番目は、花也の付下げ「菊の葉丸紋」を合わせてみました。これも上の帯合わせと同じ考え方で、広がりのある帯の意匠に対し、着物の意匠は取り方の中に押し込められています。

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写真3番目は、花也の付下げ「菱取柳菊模様」を合わせてみました。これも同じ発想ですね。扇面、丸紋、菱取りと試してきました。同じ秋をテーマにしつつ、普通の秋の景色を描いた風景画と、柿などの秋の果実を描いた静物画を並べる感じですね。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の付下げ「薫炉」を合わせてみました。制作したのは倉部さんです。「薫炉」は秋草を入れて香を楽しむ器です。つまりテーマは同じ秋でも、帯は視覚なのに対し着物は嗅覚というわけです。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げを合わせてみました。制作したのは中井淳夫さんです。落ち葉をテーマにした着物ですが、葉の形が帯のナナカマドに似ています。帯から落ちた葉が着物の上に舞ってくるという騙し絵にしてみました。
[ 2015/01/12 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「秋景」の帯合わせ

第二千九百六十回目は、龍村の袋帯「秋景」の帯合わせです。

今回の帯は、龍村らしい格調の高さから訪問着にも使えますが、金銀糸がほとんど使われていないということで、紬にもあまり違和感なく使えるように思います。

摺箔を併用している友禅でも、金糸を織り込んだ西陣の織物でも、とにかく金を使ってある帯は、紬の着物のは使ってはいけないと信じている人がいますね。自分自身で硬く信じている人もいますし、自分は信じていないが仲間が信じているので、たとえ間違いでも指摘されると煩わしい、という人もいます。後者の気持ちはすごくわかりますね。

結論から言えば、紬に金はダメ、というのは間違いです。なぜかというと、摺箔でも金糸の織り込みでも、金を使う作者は自分の作品をフォーマルにしようと思って金を使っているのではないからです。そのポイントに金を使うと絵が良くなるという芸術的な理由からなのです。だから選ぶ方もまた、芸術的な理由で選ぶべきです。そのポイントに金が入っている方が画面が締まって良いのだけれど、着物が紬だから金が無い方にする、というのはあってはならないと思います。

しかしながら、今日は紬には金はダメ、という迷信を利用させていただきます。最初に紬に合わせるのは、紬は縞や格子が多く、もっとも凝ったものでも繰り返しの絣なので、絵画性が低くて合わせやすいからです。

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いちばん上の写真は、旧無形文化財の百亀甲の結城紬を合わせてみました。結城紬と龍村という、世間で言う高そうなものどうしで合わせてみました。

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写真2番目は、林宗平の塩沢紬を合わせてみました。日本の着物の伝統の基本の色は藍染ですから、紬に合わせる帯は、藍色に合わないと使い道がありません。というわけで、藍の紬と合わせてみました。

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写真3番目は、山下八百子の黄八丈を合わせてみました。着物と帯は同系色の濃淡になるように合わせてみました。

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写真4番目は、仲井間香代子のロートン織の着尺を合わせてみました。このような輝くような色のロートンを見ると、首里の織物というのは、地方の伝統的な紬ではなく、琉球王家の官服だというのがわかりますね。この辺の紅葉の名所は奥多摩湖なのですが、戦前からの水源林のため一度も伐採されておらず、日本本来の植生であるブナ林の深い森になっています。そこでは紅葉はしみじみするものではなく、この着物のように輝いているんですよ。

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写真5番目は、みさやま紬を合わせてみました。みさやま紬は松本市の近郊、三才山地区で横山俊一郎さんという作家が織っている紬です。手織りで草木染の作品で作家モノらしいおしゃれ感もあります。作家モノの織物を合わせてみる例ですが、いちばん合っているようにも見えますね。
[ 2015/01/11 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「秋景」の細部

第二千九百五十九回目は、龍村の袋帯「秋景」の細部です。

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いちばん上の写真は、月の近接です。お太鼓の上の方にある月ですが、お太鼓の長さから見て普通に締めると表に出ない位置にあります。「秋景」というタイトルの作品にとって、月というのは重要なモチーフのはずですし、「月に雁」は伝統的な組み合わせのはず、この扱いは何故?

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写真2番目は、上の写真の拡大です。月にはなんと金銀糸は使用されていませんでした。ほとんど同色(地色よりわずかにクリーム色)の絵緯糸(模様を表現するための緯糸)で表現されています。ツルっと一面絵緯糸で埋めるのではなく、凹凸で影を表現しています。

その一方、月の周囲には銀糸が使われています。この作品では、銀糸で表現するのは空気だけ、と徹底しているようです。

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写真3番目は、蔦や芒の秋草部分の近接です。植物のすき間から背景の空が見えます。植物は絹糸だけの表現ですが、空には銀糸が使われていて、逆光的な感じですね。

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写真4番目は、秋草の間から見える空の拡大です。

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写真5番目も、秋草の間から見える空の拡大です。上と比べてみると、緯糸の金銀糸の長さが違います。風が流れているところと澱んでいるところの差が表現されているようです。この作品の意味を考えてみると、作者の関心は、秋草や月よりも秋の空気そのものの方にあるようですね。
[ 2015/01/10 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「秋景」の細部

第二千九百五十八回目は、龍村の袋帯「秋景」の細部です。

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いちばん上の写真は、ナナカマドらしき枝の近接です。当店の近くには、紅葉が綺麗なハイキングコースがありますが、ナナカマドに出会うとびっくりするほど赤くてきれいです。このナナカマドの色は、山で出会う本物の色に比べて茶色いですが、お太鼓全体の画面の中で眺めると、華やかで透明感さえあるように見えます。

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写真2番目は、同じ部分の拡大です。色が綺麗に見える秘密は、グラデーションが上手だからだと思います。葉の下の方の日が当たらない部分は茶色、その上がベージュ、さらにその上はベージュの糸の間隔が空くことで地色のクリームが混じります。織物におけるグラデーション表現の例ですね。

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写真3番目は、菊らしい花の近接です。スパイス的に使われた黄色と藤色です。

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写真4番目は、同じ部分の拡大です。絹糸の光沢はきれいですが、銀糸やポリエシテルフィルムを混ぜて光沢をプラスするような小細工はしていません。本来の絹の光沢だけですね。何故かは下の写真で分かってきます。

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写真5番目は、腹文の雁の列の近接です。雁の列の背景に秋の空の空気が表現されています。改めてこの作品のタイトルをみると「秋景」であって「秋草」でも「紅葉」でもありません。作品で表現したいのは、空気感を含めた秋の景色です。作者はナナカマドの赤茶色と同じぐらい、秋の空気の表現に気を配っています。


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写真6番目は、同じ部分の拡大です。一重の撚銀糸で表現されています。撚り銀糸を束にして使うこともないですが、幅の広い平銀糸を使うこともありません。秋の空気に相応しいほのかな表現です。また流れる空気は水平の直線で表現しているようです。

平銀糸を使わないので、ホンモノの引き箔の糸を使う必要が無いのでしょう。本金糸を使って価値を高めようという発想ではなく、何を表現したいかが重要で、その表現に適した素材を使っているだけなのです。また、草花に金銀糸やポリエステルフィルムを使っていない理由は、秋空のほのかな表現を生かすためですね。

明日は月をチェックします。
[ 2015/01/09 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「秋景」

第二千九百五十七回目は、龍村の袋帯「秋景」を紹介します。

秋の情緒をテーマにした袋帯です。かつて初代龍村平蔵の下絵担当としては菅楯彦が知られていましたが、この作品も日本画家の下絵によるような雰囲気です。近景に秋草、遠景に月に雁ですから、掛け軸からそのまま取ったようですね。

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いちばん上の写真はお太鼓です。

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写真2番目は裏太鼓です。身に着けてしまうと見えない部分です。月が外されています。

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写真3番目は腹文です。体の前にある模様は秋草はなく雁の列だけですが、帯の意匠としてはそのことがとても重要です。草花模様の帯の欠点は、着物というものは元来草花模様が多いために、模様どうしが重なってしまうことです。草花模様の着物はマエミとオクミにいちばん草花の模様が多いので、腹文に草花模様を避ければ模様が重ならないのです。

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写真4番目は内容表示です。指定外繊維(紙)が0%ですから、本金糸は使われていません。紬を買うときに手織・手紡ぎ・草木染を求めるユーザーは、西陣の帯には本金糸を求めますから、そこは残念なところ。そこのところはどうなっているの? というのが明日のテーマ。
[ 2015/01/08 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の帯合わせ

第二千九百五十六回目は、千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の帯合わせです。

今日も昨日に続いて、絵画性の少ないこの着物に、絵画性を補う帯合わせをしてみました。絵画性という点について最も優れた技法である友禅の染め帯を合わせています。意匠に物語性があるという点ではとても良いのですが、名古屋帯が多いのが残念ですね。しかし、この着物は訪問着と言いながら模様自体は少なく、形態としては軽い付下げぐらいですから、名古屋帯でも問題はないです。

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いちばん上の写真は、大松の袋帯を合わせてみました。企画製作したのは北秀です。花の丸に2羽の鸚哥を合わせた図案は、昨日紹介した銀平脱の合子の鸚哥チームが起源ではないかと思います。物語性に富んだ図案に豊かな色彩で、南国の楽園を思わせる作品です。

着物に決定的に不足している楽しさを補う帯合わせですが、異質すぎて不自然か?

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写真2番目は、大羊居の名古屋帯「楽園」を合わせてみました。焦げ茶色の着物に対し青い帯という配色というのはスリルがありますね。自分が着るとしたら悩むところですが、しばらく見ていると快感になってきますね。刺激の強い食べ物が、食べているうちに美味しいと思えてくるような感じです。

象のモチーフは、昨日の「銀平脱の合子」で試しているので違和感はないと思います。

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写真3番目は、大羊居の名古屋帯「更紗遊苑」を合わせてみました。焦げ茶色の着物に対しクリーム色の帯ですから、とても相性の良い色合わせです。更紗というテーマも穏当なところではないでしょうか。

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写真4番目は、大羊居の名古屋帯「舞踏会」を合わせてみました。舞踏会の会場のシャンデリアを思わせる作品です。昔の大彦(野口真造)の作品集に、シャンデリアをテーマにした絵羽の着物があり、そのダイジェストのような感じです。着物と帯の模様が自然に馴染む感じで、私は今日の帯合わせ野中ではいちばん合っている気がします。

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写真5番目は、菱一が企画制作した袋帯で、制作したのは千田工房ということです。友禅の帯ではありますが、着物も帯も幾何学模様という組み合わせになりました。ただし、帯の幾何学模様で色を加えるようにしてあります。
[ 2015/01/07 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の帯合わせ

第二千九百五十五回目は、千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の帯合わせです。

今日は絵画性の少ないこの着物に、絵画性を補う帯合わせをしてみました。絵画性という点について最も優れた技法は友禅ですから、友禅の染め帯を合わせればいちばん効果的ですが、今日はとりあえず西陣の帯のうち、物語性のある意匠のものを集めてみました。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「西域舞踊錦」を合わせてみました。着物の幾何学模様は国籍不詳ですが、エキゾチックな帯と合わせると、エキゾチックに見えてきますね。

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写真2番目は、龍村の袋帯「陶楽騎馬文」を合わせてみました。イラン、イラク、シリアなどで出土するイスラム陶器に取材した帯です。

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写真3番目は、大西勇の袋帯「有栖川龍文」を合わせてみました。

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写真4番目は、大西勇の袋帯「正倉院合子」を合わせてみました。聖武天皇が碁をするときに使った碁石入れをテーマにしたもので、鸚哥チームと象チームの2種類あります。お太鼓には象チームが出るようにしていますが、鸚哥チームをお見せ出来ないのは残念です。元の合子は、銀平脱という古代特有の回りくどい技法でつくられています。
[ 2015/01/06 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の帯合わせ

第二千九百五十四回目は、千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の帯合わせです。

今日は、絵画性の低い着物に、あえて絵画性を補わない帯合わせをしてみました。縞や横段のほか、七宝、籠目のような伝統的な文様のパターンだけの帯を選んでいます。

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いちばん上の写真は、河村織物の「栄昌綴」シリーズの1本を合わせてみました。横段と七宝繋ぎの組み合わせです。

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写真2番目は、池口定男の「佐波理綴」の極初期の作品を合わせてみました。全体は御簾の意匠になっていて、垂れの部分を見ると御簾が風でめくれている絵になっていますが、途中を見ると縞に見えます。

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写真3番目は、織悦の袋帯「彩籠目」を合わせてみました。単純な文様パターンと変化のある色の組み合わせです。

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写真4番目は、北村武資の袋帯「七宝文」を合わせてみました。同じ模様で色違いもあるようですが、これは黄色地です。西陣のフォーマルで黄色い帯というのは珍しいですが、黄色を光らない金と思えば、使い勝手が良いですね。
[ 2015/01/05 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の帯合わせ

第二千九百五十三回目は、千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の帯合わせです。

帯合わせについて考えるときは、まず着物の性格や特徴から考えます。

色は金糸のみの単彩主義ですから、帯合わせについては、足りない色を補うために多色のものを選ぶという選択と、帯も着物に合わせて単彩にするという選択とがあります。

模様は幾何学模様ですから、帯は具象画的なものにして絵画性を補うという選択と、帯も着物に合わせて抽象的なものにするという選択があります。

雰囲気は非常に洗練された都会的な着物という感じですが、素朴さが足りないから野暮な帯を合わせるという選択はあるでしょうか。しかし野暮と素朴は同じではなく、むしろ反対ですね。縄文や弥生の土器は素朴な環境でつくらても野暮ではないですものね。野暮というのは駄作の別の呼び方に過ぎないのでしょうか。

ということは、洗練された着物には洗練された帯を合わせるという選択しかないということですね。洗練すぎないように野暮な帯を合わせるというのは、選択ではなく選択の失敗ということになりますね。

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いちばん上の写真は、紋屋井関の「御寮織」シリーズの袋帯を合わせてみました。限定的に使われた青を除いてすべて金の濃淡ですから、単彩主義の色数を増やさない帯合わせです。意匠のテーマは、正倉院御物の「銀平脱の合子」で象と鸚哥ですから、古典模様の写しとはいえかなり具象画的です。

帯と着物の関係は、色については単彩で色数を増やさないが、模様については帯で絵画性を補うという帯合わせですね。

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写真2番目は、龍村の袋帯「海音光映錦」を合わせてみました。基本は金地でモチーフは(友禅であれば背景に使われる程度の)波のみですから、色数も増やしていませんし、模様も「絵画性を補う」までは行かないと思います。しかしながら、帯に存在感がありすぎて、むしろ上の例の方が静謐に見えてきますね。

結局、着物と帯の関係は、色が多色か単彩か、模様が絵画的か幾何学模様的か、というようなパターンだけで論じられるものではなく、それぞれの作品の存在感にも左右されるということですね。

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写真3番目は、しょうざんの徳田義三ブランドの袋帯を合わせてみました。模様も地色も金色の、単彩の極みのような作品ですが、名物裂の角倉金襴に取材して、かわいいうさぎを大きく表現するとことで強い存在感を持つ帯です。

名物裂をそのまま写しただけでありながら、うさぎの存在感の大きさから、色は単彩で模様は絵画性プラスの例ですね。

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写真4番目は、梅垣の袋帯「蒔絵花鳥文」を合わせてみました。金の地色に対し地色に調和した色の模様を付けたもの、単彩とも言えるし、多彩とも言える感じですね。模様については、絵画的とも言えるし類型的ともいえる模様です。存在感については、もちろんありますが、龍村の「海音光映錦」のように、人の感受性を揺さぶるようなことはないですね。人に例えると、子供時代は優等生、成人してからは人格者、と言われるような帯合わせです。
[ 2015/01/04 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の細部と裏側

第二千九百五十二回目は、千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の細部と裏側です。

今日は斜めから撮ってみました。刺繍は多少の立体性があるので、いつもと違う視覚的効果が得られるかなあというところ。

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いちばん上から3番目の写真まで、適当な箇所を斜めから撮ってみました。地色はこの写真では紫っぽく見えますが、実際には焦げ茶色です。金色と焦げ茶色はくっきりしつつ同系色のようでもあり、とても相性が良いです。社会的な立場が全く違っても根底の性格が似ているコンビみたいですね。

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正面から見ると、金糸の刺繍と金描きの線の区別がわかりにくかったのですが、斜めから撮ると立体性の有無でよくわかります。四角い模様や丸い模様の外側の枠の線は金描きですね。

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模様の枠内の一部は薄く金彩されています。それによって金糸の刺繍と地色との間にグラデーションが生じています。金糸の色と地色の焦げ茶色の間に、くっきりしたところとグラデーションのところが偏在することで、作品に立体感を与えています。

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写真4番目は裏側です。刺繍作品を買うときは、裏を見ると良いです。私はこういうのを見ると美しいなと感じてしまいます。

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写真5番目は裏側の近接です。金糸の端のほつれたところを見ると、本金糸かポリエステルのフィルムを巻いた糸か、などの情報が得られます。
[ 2015/01/03 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)

千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の後姿と細部

第二千九百五十一回目は、千切屋治兵衛(倉部さん)の訪問着の後姿と細部です。

昨日は後姿は模様が無いと書いてしまいましたが、今日、実物を見直して確認したら、後姿にも模様が有りました。どこもみんな同じような模様なので、どこの写真を撮ったのかわからなくなってしまっていました。

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いちばん上の写真は、後姿の短冊です。

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写真2番目は、前姿の近接です。

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写真3番目は、前姿の近接です。

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写真4番目は、後姿の近接です。
[ 2015/01/02 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)