野口の振袖の続き

第三千七百五十三回目は、野口の振袖の続きです。

今日は袖の写真を撮ってみました。2つの袖の内外で、写真は4通りです。また個別の模様に2か所近接してみました。

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いちばん上の写真は袖です。振袖で長いので、全部は撮れていません。

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写真2番目も袖の一部です。

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写真3番目も袖の一部です。

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写真4番目も袖の一部です。

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写真5番目は個別の模様の近接です。

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写真6番目は個別の模様の近接です。
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野口の振袖

第三千七百五十二回目の作品として、野口の振袖を紹介します。

今年の野口の振袖は、黒地の花の丸、青緑地の楽器、、と紹介してきましたが、今日は3枚目の紫地の宝尽くしです。楽器は器物模様でしたが、今回の宝尽くしは器物模様というよりも、宝尽くしが模様の容器の役目を果たし、中に友禅の意匠にありがちな植物文や割り付け文が入っているという取り方模様でもあります。

前の2枚の振袖の意匠は、花の丸でも楽器でも、独立したモチーフがならべてあるパターンでした。このようなパターンではモチーフが1つで完結しているので、レゴのように組み立ててデザインします。その一方、着物全体が1つの絵としてつながっている意匠もあり、これは最初から全体としてデザインしなければなりません。自分でデザインを考える時は、レゴタイプはけっこう簡単なのです。並べ替えて何種類もできますしね。

今回の振袖はどうでしょうか。モチーフだけ見るとレゴパターンです。ところがどのモチーフにも紐が付いていて、それが隣のもーふに絡まって、あたかも1つの意味のある絵のような有機的なつながりを持っているのです。組み換え可能なレゴでありながら、立派な構造物に見せるデザインのテクニックですね。

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いちばん上の写真は全体です。紐のおかげで全体で1つの絵に見えませんか。

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写真2番目は、前姿(マエミ+オクミ)です。

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写真3番目は脇縫い辺りです。

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写真4番目は後姿です。

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写真5番目は下前です。

野口の振袖の続き

第三千七百十七回目は、野口の振袖の続きです。

私はものづくりをするときに、模様が大胆な時は色は平凡(グレーかベージュ)にします。経済政策にたとえれば、金融緩和と財政緊縮をミックスするのと同じ原理です。しかし野口は違う原理で作ってるみたいですね。色と模様で大胆どうしを組み合わせています。

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いちばん上の写真は、マエミにあるメインの模様です。振袖にピアノといえば、中村大三郎の代表作を連想します。「中村大三郎 ピアノ」で画像検索するとすぐ見られます。あちらは振袖にピアノが描いてあるのではなく、振袖を着た人がピアノを弾いているんですけどね。

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写真2番目以降は、各楽器を撮ってみました。けっこう意外な楽器や地味な楽器もあります。京友禅の図案で器物模様にした場合、器物を取り方にして中に植物文や吉祥文を入れたりするものですが、この作品では本当に器物を描いています。ただ、ハープにだけは桜唐草文様が入っていて、やや取り方的な使い方をしています(写真5番目)。色については自由にやってますね。

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野口の振袖

第三千七百十六回目の作品として、野口の振袖を紹介します。

染料をたっぷりと含みそうな、しぼの大きい縮緬地に染められた振袖です。以前このタイプの振袖で、宝尽し文様のものを紹介したことがありましたが、今年(制作は昨年)はその派生型か、個性的なバージョンになって現れました。

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いちばん上の写真は全体です。

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写真2番目は、前姿(マエミ+オクミ)です。

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写真3番目は、後ろ姿です。

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写真4番目は、袖の一部です。

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写真5番目は、左の胸から肩です。衿は無地です。衿にごちゃごちゃ柄が無い方が良いという判断でしょう。顔の周りはすっきりしている方が良いという人は多いですね。

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写真6番目は、首の後ろ辺りです。顔の周りのごちゃごちゃしていない代わり、顔の後ろは意外に模様が有ります。家紋を入れる場所ではありますが、このタイプの振袖に家紋を入れる人は少数派という判断でしょう。

野口の振袖

第三千七百回目の作品として、野口の振袖を紹介します。

しぼの大きい縮緬を使った手描き友禅の振袖です。しぼの大きい縮緬の生地は、染料の含みが大きいためか、京友禅のイメージどおりの深い色を表現するのにふさわしい素材だと思います。これまで野口と岡重の作品の多くがしぼの大きい縮緬を使っていて、それが両社の京都らしさになっていました。

しかしながら一昨年あたりからしぼの大きい縮緬の生産が減ったのか、野口の着尺が別の生地になってしまったんですね。新しい生地は地紋のある生地で、それはそれで悪くはないのですが、色の深みという点で劣る気がします。この振袖は今まで通りのしぼの大きい縮緬を使っています。貴重になってしまった生地は通常の着尺に使わず、高く売れる振袖に重点的に回したのだろうと思います。

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いちばん上の写真は全体です。江戸時代の小袖にもある花の丸模様です。写真で見えているのは9個ですが、全体を数えてみると全部で13個あり、花の種類は牡丹、桜、楓、菊、梅の5種類ですが、1つの丸には1種類というようにちゃんと整理されています。

図案としてつくる場合は、パーツとしてつくり、組み立てることができるので合理的ですね。最近製造業の話で、自動車のように各パーツを擦り合わせないと性能が発揮できないものと、パソコンのように性能の良いパーツさえ調達すれば高性能なものができるものとがあって、後者は新興国でもできてしまうから日本の強みが発揮できないということが言われます。

この図案はそのようなもので、江戸時代の小袖の花の丸の図案を上手に並べればできますし、並べ替えると何種類もできるんですね。一方、波が全身につながるような図案は、すり合わせが大事な技術に似ていますね。

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写真2番目は、マエミとオクミにまたがるメインの模様です。菊です。

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写真3番目は、メインの模様の下にある模様です。ほぼオクミにあります。花の丸というより、四角い配置になっています。桜です。

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写真4番目は、マエミの下の方にある模様です。中央にある縫い目は、脇縫いです。牡丹です。

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写真5番目は、後姿の模様です。縫い目は背中心です。牡丹です。

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写真6番目は、下前の模様です。梅で、私は気に入っているのですが、残念ながら着ると見えないんですね。