野口の着尺

第四千九十四回目は、野口の着尺を紹介します。

テレビで放送できないところを隠すモザイク処理みたいない意匠です。

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いちばん上の写真は、反物の幅を写真の幅として撮ったものです。色の濃淡でグラフィックデザインのような意匠にした作品です。

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写真2番目は近接です。

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写真3番目はもっと近接です。

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写真4番目は、地紋がよくわかるように、斜めから撮ってみました。方形が並んでいるように見える染の意匠ですが、地紋もまた方形が浮いて見えるパターンで、織りと染めが連携して1つの作品になっているという企画なのです。野口らしいアイディアだと思います。

またかなり凹凸のある地紋なので、実際以上に地厚に感じます。そのため、チラッと見ると天鵞絨のコート地のようにも見えるんですね。それを利用してコートにするのも良いと思います。

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写真5番目は、花也の付下げ「霞に千鳥」を、地紋がよくわかるように、斜めから撮ってみました。先日紹介した花也の付下げです。よく見ると地紋が同じです。じつはこの数年、花也の付下げと野口の着尺は同じ生地を使っていました。この生地は世界最高品質といわれるブラタクの糸を使ったものです。ほとんどエルメスが使っていて、残り少しを日本の着物が使っています。

戦前の日本は、朝鮮拓殖組合、満州拓殖組合などを作っていたわけですが、日系人のおかげで戦後もブラジル拓殖組合だけは残ったのです。それがブラタク製糸で、今も日系人が社長をしています。

ところで、ブログを遡ってこの花也の記事を見ると、リンクがずれて関係のない写真が載っています。私も気になっているのですが、これまでアップロードし写真は膨大ですし、直すのは諦めています。
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野口の絽の着尺「海浜模様」

第四千七十九回目は、野口の絽の着尺「海浜模様」を紹介します。

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いちばん上の写真は、反物の幅を写真の幅として撮ったものです。

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写真2番目は近接です。いちばん賑やかな部分を撮ってみました。江戸時代の小袖の海浜模様によく登場する干し網と芦です。芦は自然の色ではなく装飾的な多色で、一部に型疋田も使われています。これらは小袖の表現方法ですから、この小紋は海辺の風景を描くことを目的にしたものではなく、小袖を写すことをテーマにしたものだとわかります。

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写真3番目は近接です。千鳥のいる部分を撮ってみました。千鳥も本当に飛んでいる千鳥ではなく、家紋にあるような意匠としての千鳥です。

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写真4番目は生地の拡大です。3本絽でわりと隙間率が高いです。

野口の夏の着尺「菊」

第四千六十六回目は、野口の夏の着尺「菊」を紹介します。

昨日と似たテーマの作品なので、まとめて紹介します。どちらも夏物ながら生地も違いますし、モチーフもよく見ると違うのですが、帯合わせをするときは同じ帯を合わせることになってしまうので、まとめてしまいました。

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いちばん上の写真は、反物の幅を写真の幅として撮ってみました。

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写真2番目は近接です。葉ー花ー葉という3連続の組み合わせでは、真ん中にポチがある型疋田、ポチがない型疋田、普通の型友禅、というように3様になっています。

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写真3番目は近接です。

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写真4番目は、生地の拡大です。薄手で、さらっとした手触りで、夏物の生地ではあるのですが、透け感はありません。実際に拡大してみると、透け率は低いことが分かります。

野口の夏の着尺「菊」

第四千六十五回目は、野口の夏の着尺「菊」を紹介します。

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いちばん上の写真は、反物の幅を写真の幅として撮ったものです。暈しと型疋田を重ねることで、菊の花を表現してみます。よく見ると、花には萼や茎があり、花は裏側だとわかります。裏側から描くのは伝統的な意匠で、家紋でも裏梅がありますね。

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写真2番目は、花と葉が見えるように近接してみました。

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写真3番目は近接してみました。

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写真4番目は、生地を拡大してみました。生地は立絽ですが、紅梅織にもなっていました。

写真では一定間隔で太い糸が見えます。経緯とも、細い糸に対し一定間隔で太い糸が混じり、生地が体にぴったり付かず、途中に空気が流れるので涼しいという構造になっています。意味としては「勾配織」ですが、江戸時代の人は駄洒落が好きなので、「紅梅織」といったのです。なぜ江戸時代の人は駄洒落が好きかというと、近世以前の文章はかな文字が多く、江戸の人は思考もかなだったからです。

一の橋の型染めの着尺(小紋)「松菱散し」

第三千九百四回目の作品として、一の橋の型染めの着尺(小紋)「松菱散し」を紹介します。

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いちばん上の写真は、反物の幅を写真の幅として撮ってみました。飛び柄の松菱模様は大小あって単調にならないように配慮しています。

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写真2番目は模様の近接です。型染ですが、端正な雰囲気で美しいです。

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写真3番目は、さらに近接です。

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写真4番目は、ルーペで拡大してみました。

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写真5番目は、さらに拡大してみました。染というのは織物の組織と違って、拡大しても新しい発見があるわけではないし、美しいわけでもないですが、金線の細さはわかります。安い小紋の太い金線はこんなもんじゃない、拡大すると醜いですよね。