龍村のシェル型のパーティーバッグ

第三千六百十一回目の作品として、龍村のシェル型のパーティーバッグを紹介します。

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いちばん上の写真は、「咸陽宮鱗文」を使ったバッグです。咸陽宮は秦の始皇帝の宮殿です。その後、川の対岸にもっと大きな宮殿を造り、それが阿房宮です。この鱗文はじつは中国の古代とは全く関係なく、その咸陽宮を描いた絵が永青文庫(細川家伝来の美術品を所蔵する)にあって、その表装に使われている裂ということです。

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写真2番目は、「咸陽宮鱗文」を使ったバッグの色違いです。

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写真3番目は、「早雲寺文台裂」を使ったバッグです。早雲寺とは箱根湯本にある北条早雲の菩提寺で、そこが所蔵する文台に貼ってある裂(名物裂)だそうです。元々は連歌師の宗祇の持ち物とか。

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写真4番目は、「早雲寺文台裂」を使ったバッグの色違いです。

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写真5番目は、「咸陽宮鱗文」を使ったバッグをモデルさんに持ってもらいました。年末なので、モデルさんに来てもらいました。

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写真6番目は、「早雲寺文台裂」を使ったバッグをモデルさんに持ってもらいました。

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写真7番目は、モデルさんにバッグの使い勝手を試してもらいました。
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[ 2016/12/31 ] 小物と小物合わせ | TB(0) | CM(0)

高野松山の堆朱の帯留の帯合わせ

第三千五百八十九回目は、高野松山の堆朱の帯留の帯合わせです。

ずっと続けていたいところですが、そろそろ終わりにしてまた呉服屋さんに戻らないといけませんね。今日は使い残し画像です。

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いちばん上の写真は、花也の名古屋帯「湊取りに琳派松梅」に合わせてみました。ここで見えるのは観世水で、「湊取りに琳派松梅」というタイトルからは想像できませんが、お太鼓と腹文の片方が「湊取りに琳派松梅」で、もう片方はあっさりと水模様で、選べるようになっています。

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写真2番目は、花也の名古屋帯「霞取り羊歯文」に合わせてみました。赤茶色のきつい色の友禅で霞が描かれ、その上に箔が置かれ色がやわらげられています。金箔は本来は画面を派手にするために使われるものですが、ここでは画面を地味にするのに使われています。さらにその金の上にさらに金描きでシダが描かれています。羊歯がくっきりしているのは縁蓋を使っているからです。このような複雑な技法は中井淳夫さん由来のものですね。

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写真3番目は、花也の名古屋帯「梅松文」に合わせてみました。ダンマル描きで梅と松が描かれ、その上に縁蓋を使って金箔がされています。ダンマル描きというのは写生的に使われることが多いのですが、金箔と合わせて装飾的に見せる使い方もあるのです。これも中井淳夫さん由来の技法ですね。

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写真4番目は、織悦の袋帯「枝栗繍文」を合わせてみました。地の金糸の引き箔を生かしてみました。

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写真5番目は、龍村の絽綴「楓」を合わせてみました。帯留が無いと散る紅葉に見えますが、魚の帯留を置くことで、水に浮く紅葉に見えます。

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写真6番目は、秋山真和さんの浮織の袋帯を合わせてみました。紋織部分が地の色に対してグラデーションを形成しているので、花織に見えますが、作者の悪戯でじつは浮織なのです。作家というのは、こういう悪戯をすることがありますね。
[ 2016/12/09 ] 小物と小物合わせ | TB(0) | CM(0)

高野松山の堆朱の帯留の帯合わせ

第三千五百八十八回目は、高野松山の堆朱の帯留の帯合わせです。

今日は西陣の帯や綴の帯に合わせてみます。昨日は各地の紬絣に合わせるという企画だったので、今日な京都の織の文化に合わせる企画です。

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いちばん上の写真は、織悦の袋帯「遠山桜楓」を合わせてみました。桜の部分は本金の引き箔、楓の部分は漆(本漆かラッカーかはわからない)の引き箔になっています。桜の金が暗く見えるのは、緯糸である平金糸に対し、経糸が黒い絹糸で、両者が交って平均の色に見えているからで、沈金に見せているわけなんですね。

一方の平漆糸の楓は螺鈿に見えることを狙っていますから、この帯のテーマは沈金螺鈿を織物で再現するということです。その上に本物の堆朱を乗せてみたということでだまし絵的な効果を狙っています。

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写真2番目は、織悦の袋帯「光琳水」を合わせてみました。尾形光琳の「紅白梅図」の中央を流れる水のパターンだけを帯の意匠にしたものです。梅の模様の訪問着に合わせれば「紅白梅図」がつくれますし、桜の訪問着に合わせれば「桜に流水」がつくれますから、レゴのパーツのように使いこなせば楽しい帯です。

織悦は全通なので、腹文の模様は横倒しになってしまいます。普段は気にならないですが、魚を合わせようと思うと残念ですね。

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写真3番目は、梅垣織物の袋帯「蒔絵花鳥文」を合わせてみました。梅垣の最高級バージョンの1本です。蒔絵作品を織物で再現した作品ですが、その上にホンモノの蒔絵を置くというだまし絵的な合わせ方をしてみました。

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写真4番目は、細見華岳の綴の名古屋帯を合わせてみました。細見華岳の作品は、伝統工芸展に出品する幾何学的な模様の作品と、一般の問屋を通して販売するやや具象的なテーマの作品がありました。私が初めて細見華岳を知ったのは伝統工芸展でですから、仕入れる時はいつも伝統工芸展風のを買っていました。以下3通り試していますが、この帯留は、いかにも公募展の監・審査委員が好きそうなモダンな抽象柄にも合うことがわかりました。 

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写真5番目は、細見華岳の綴の名古屋帯を合わせてみました。

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写真6番目は、細見華岳の綴の名古屋帯を合わせてみました。
[ 2016/12/08 ] 小物と小物合わせ | TB(0) | CM(0)

高野松山の堆朱の帯留の帯合わせ

第三千五百八十七回目は、高野松山の堆朱の帯留の帯合わせです。

今日は各地の紬絣の伝統工芸品の帯に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、ルバース吟子さんの首里織の帯を合わせてみました。糸が浮くタイプの首里織の帯には、花織と浮織(浮織も通常は花織と称され綜絖花織と手花織がある)とそれらの併用とがあります。ルバース吟子さんは全部のタイプを作っています。これは浮織(綜絖花織)ですね。

浮織の成否は配色が全てですね。地色と糸が浮いた模様の部分がくっきりしたコントラストを作るか、反対に優雅なグラデーションをつくるかです。この作品はコントラストとグラデーションが両立しているように見えます。

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写真2番目は、深石美穂さんの川平織の帯を合わせてみました。深石美穂さんは東京の美大の出身ですが、沖縄にある技法をほとんどマスターしてしまった方なので、川平織には本来ならメインにすべき複雑な技法が箸休めのように使われていたりします。この作品は、幾何学の問題を解くようなデザインで、理数系の人しか織れないような絣ですが、その一方で、添え物みたいな形で花織も加えられています。

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写真3番目は、深石美穂さんの川平織の帯を合わせてみました。格子のように見えますが、じつは格子の一部が美しいグラデーションを伴って消えていて、じつは足の長い絣だったという凝った作品です。

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写真4番目は、喜如嘉の芭蕉布の帯に合わせてみました。数日前、みなさんが最初にこの帯留をご覧になったとき、まさか芭蕉布に合わせるとは思わなかったのではないですか。じつはこの帯留は万能です。ただし優れた作品限定です。才能のある方ならだれでもどうぞ、という条件でパートナーを探している王女さまなんですね。

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写真5番目は、新垣幸子さんの八重山上布の帯に合わせてみました。経糸は麻、緯糸は苧麻の帯です。黄色は福木ですが、緑は福木で染めた上に藍染を重ねて作った色です。緑の部分の絣足に微妙に黄色が見えます。藍染とちょっとずらして種明かしをしているんですね。作家は見る人の心をくすぐる配慮をしますね。

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写真6番目は、丹波布の帯を合わせてみました。丹波布は木綿ですが、一部に絹が使ってあります。素朴な織物のように見せながら、じつは色は都会的なんですよね。
[ 2016/12/07 ] 小物と小物合わせ | TB(0) | CM(0)

高野松山の堆朱の帯留の帯合わせ

第三千五百八十六回目は、高野松山の堆朱の帯留の帯合わせです。
塗りの帯留は、夏帯に使ってはいけないのでしょうか。たしかに夏は水晶の帯留などが涼しげに見えて良いですが、塗りではダメを言う決まりはないと思います。それなら試してみようというのが今日のテーマです。夏帯は流水の意匠が多いですから、魚の帯留が使えないのはもったいないですし。

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いちばん上の写真は、龍村の絽の名古屋帯「涼流文」を合わせてみました。睡蓮の池に魚が泳ぐというテーマの作品です。風景の中にはめこむように合わせてみました。意味を合わせる帯合わせということでは、これ以上のことはできないでしょう。乾坤一擲みたいな帯合わせです。

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写真2番目は、龍村の絽の名古屋帯「彩波」を合わせてみました。「彩波」は「いろは」と読みます。彩が付くわりには、黒地で単彩の波です。よく見ると微妙に金や水色の糸が使われています。珍しい気象現象として彩雲というのがあり、とても美しいものとされていますが、それを波に置き換えたように思います。

タテに見える線は、渡り糸が絽の透き間から見えているもの、腹文で渡り糸の向きと絽の透き間の向きが一致してしまうもので、お太鼓ではこういうことはありません。組織の宿命ですね。

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写真3番目は、龍村の絽綴の名古屋帯を合わせてみました。絽綴は本来、きわめて趣味性が高い高級品ですが、安い中国製が氾濫しイメージが悪くなっていましたが、龍村が日本製のホンモノを制作してくれました。この作品は水に流れる葉がテーマで、青が効果的に使われています。水流に魚が加わったイメージです。

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写真4番目は、花也の絽縮緬の名古屋帯「半円取り柳」を合わせてみました。普通の絽よりも前後に着る時期が長い絽縮緬を使っています。柳は水辺に生えるものですが、この作品では水は描かれていません。魚で水辺を暗示してみました。

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写真5番目は、花也の変わり織の絽の名古屋帯「波」を合わせてみました。抽象的にも見える波が友禅と刺繍で描かれた帯です。黒地ということで選んでみました。

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写真6番目は、野口の絽の名古屋帯「塩釜」を合わせてみました。塩釜は古代の製塩風景で、須磨明石などで多く行われていたため、歌枕としてしばしば登場します。百人一首の藤原定家の歌が有名ですね。江戸時代後期に文芸テーマの小袖が流行りましたが、この帯はその実在の小袖の意匠をほぼ写して帯にしたものです。

帯留の双魚が海水魚は淡水魚かわかりませんが、海の関連と、それとなにより見る人の教養を試すような文芸テーマの格の高い雰囲気に合わせてみました。
[ 2016/12/06 ] 小物と小物合わせ | TB(0) | CM(0)