金谷の八寸の名古屋帯「市松」

第三千七百八十二回目の作品として、金谷の八寸の名古屋帯「市松」を紹介します。

今日は、先日まで紹介していた金谷の八寸の名古屋帯の違う模様です。八寸の帯と九寸の帯の違いですが、どちらも名古屋帯で身に付ける時の幅は八寸です。八寸の帯は縁の部分をかがりますが、九寸の帯は芯を入れて仕立てます。仕立てる時の縫いしろが1寸というわけです。

両者の違いは、八寸の帯はカジュアル感が強く、たいていのばあい紬の着物にあわせるのに対し、九寸の帯は多少フォーマル感が有って紬の他小紋にも合わせることが多いということです。素材は、八寸の帯は芯が無くても形が崩れないように太い糸が使われた厚手の生地であるのに対し、九寸の帯は芯を入れるので生地は自由です。

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いちばん上の写真は、帯の幅を写真の幅として撮ったものです。市松模様で六通になっていますから、お太鼓も腹文も同じ市松です。腹文としては半分に折りますから見えるところは市松ではないですね。

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写真2番目は、少し近接してみました。経緯ともに白糸と黒糸があって、白×白、白×黒、黒×白、白×白の4通りの場が生じ、市松になっているのです。白×黒と黒×白は同じではなく、経糸が黒の方が黒く見えるようです。なぜそうなるか解明するために下の写真で拡大してみました。

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写真3番目は拡大です。経糸の方が表面に露出している面積が大きいので、経糸が黒の方が黒く見え、経糸が白の方が白く見えるようです。
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[ 2017/06/20 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

金谷の八寸の名古屋帯

第三千七百七十九回目の作品として、金谷の八寸の名古屋帯を紹介します。

金谷は、まこと織物の分家です。まこと織物は「まことのすくい」と「まことのよろけ」の商標で知られています。

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いちばん上の写真はお太鼓です。捻じり梅を大きく半分、という意匠です。八寸名古屋帯は紬に合わせるものですが、その紬が絣であること考えると、配色も含めてこういうデザインはピッタリ嵌るんじゃないかと思います。

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写真2番目は腹文です。赤はお太鼓だけ、という見識ですね。

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写真3番目はお太鼓の近接です。

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写真4番目はお太鼓の拡大です。

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写真5番目は過去に仕入れた金谷の八寸の名古屋帯です。ずっと昔、紹介したことがりますが、まだ在庫でありますねえ。私はこのデザインも好きですが、2つ並べると金谷の作風がわかってきます。
[ 2017/06/17 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

橋本テルの紗の袋帯「芳玉」

第三千七百四十七回目の作品として、橋本テルの紗の袋帯「芳玉」を紹介します。

夏の着物を着る時期は、7月と8月の2か月だけですが、具象画である植物文様を選ぶと、前半の百合や鷺草と後半の撫子や萩とで植物の種類が変わり、2通り揃えないといけないことになりかねず、とても割が悪いです。対処法としては、1つは迷ったら後半に合わせること、もう1つは夏を通して着られる波や千鳥を買うことです。

今日紹介する西陣の証紙番号602の橋本テルの紗の袋帯は、さらに合理的で、段文に「芳玉」と名付けられた丸い模様が並んでいるだけですから、いつでも大丈夫です。しかも地色は白で、模様は金糸と銀糸だけですから、着物がどんな色でも対応できます。とりあえず夏の帯を1本買わなくちゃ、という人にちょうど良い帯ですが、けっこうお洒落で馬鹿になりません。

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いちばん上の写真は、帯の幅を写真の幅として撮ったものです。白い地に、平金糸が織り込まれた金の段と平銀糸が織り込まれた銀の段があります。金の段には撚金糸で丸い模様が織り込まれています。銀の段には撚銀糸で丸い模様が織り込まれています。

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写真2番目は近接です。丸い模様には立体的なものとそうでもないものがあり、変化を生んでいます。単調な繰り返しになるのを避ける工夫です。

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写真3番目はもっと近接です。

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写真4番目は金の段のいちばん立体的に見える丸い模様の拡大です。地の平金糸に対し模様は撚金糸であるため、立体的に見えるのです。撚金糸は金糸ですが、写真に撮ると銀に見えます。もともと平金糸に比べ白っぽい金色ではあるのですが。

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写真5番目は銀の段の拡大です。丸い模様は撚銀糸かと思いましたが違いました。じつは白い絹糸でその両縁が細い撚金糸でサポートされていたんですね。立体感を感じないのはこのような形状になっているからでした。糸を操ることでいろんな視覚効果を生むのは西陣の基本技のようです。

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写真6番目は、品質表示ラベルです。日本製なんですね、立派なことです。
[ 2017/05/16 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

龍村の絽の名古屋帯「花音」の細部で

第三千七百二十一回目は、龍村の絽の名古屋帯「花音」の細部です。

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いちばん上の写真は、金の花火と銀の花火の近接です。

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写真2番目は、金の花火をルーペで撮ってみました。

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写真3番目は、もっと拡大してみました。金の花火は、ベージュの絹糸の中に細い撚り金糸を混ぜて表現してありました。絹糸が持つ自然の光沢に金糸で輝きを補充している感じです。他に平銀糸も併用してあります。また、金の花火には、地味な色の糸も併用してあって、奥行きが表現されていますが、その地味な色の糸は地と同じような色でありながら、光沢だけで見えています。

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写真4番目は、銀の花火をルーペで撮ってみました。こちらはグレーの絹糸の中に細い撚り銀糸が混ぜてあります。また平銀糸も併用されています。奥行表現的な地味な糸は使ってありません。

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写真5番目は、背後から光を当てて地の組織を撮ってみました。3本絽であることがよくわかります。3本絽は絽の中でいちばん隙間率が高いはずですが、龍村のばあいは緯糸が太く撚った糸であるためか、あまり隙間があるように感じないんですけどね。
[ 2017/04/20 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

龍村の絽の名古屋帯「花音」

第三千七百二十回目の作品として、龍村の絽の名古屋帯「花音」を紹介します。

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いちばん上の写真はお太鼓です。黒地に金と銀だけの花のような模様です。花火でしょうか。

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写真2番目は腹文です。

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写真3番目は、お太鼓の近接です。

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写真4番目は、腹文の近接です。

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写真5番目はタイトル部分です。「花音」とありますが、花は音は出しません。音を出す花と言えば唯一花火で、絽にふさわしい夏の風物がテーマというわけです。

本来織物というのは、色や形を表現できても音は表現できないわけですが、龍村の帯のタイトルには意外に音に関係するものがあります。このブログで過去に紹介した作品では「花韻」や「颯音」がありました。「颯音」は1枚の楓の葉が散っている図案で、林の中を吹き抜ける爽やかな風の音を聴け、という意味だったと思います。今回の作品で言えば、ドンという花火の音が聞こえてきて
夏の夜の涼しさを感じたら成功というところですね。
[ 2017/04/19 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)