2017 07123456789101112131415161718192021222324252627282930312017 09

博多の8寸の帯

第三千七百六十回目の作品として、博多の8寸の帯を紹介します。

昨日まで紹介した博多織の二口織物は8寸の麻の名古屋帯も織っています。今日紹介するのは献上あるいは独鈷という伝統柄ではなく、唐草模様などの柄物です。

IMG_52502.jpg
いちばん上の写真は、帯の幅を写真の幅として撮ったものです。沖縄の絣や花織に使われる模様単位を使ったものです。

IMG_52512.jpg
写真2番目は近接です。模様部分と模様のない紗の部分からなっています。

IMG_52452.jpg
写真3番目は、帯の幅を写真の幅として撮ったものです。波のようなパターンです。

IMG_52462.jpg
写真4番目は近接です。経糸は通常で、緯糸が波形になっています。シンプルな意匠にも思いますが、このような形に緯糸を入れるのはどうやるのかなあと考えてしまいます。

IMG_52362.jpg
写真5番目は、帯の幅を写真の幅として撮ったものです。縞更紗を思わせるような意匠です。

IMG_52382.jpg
写真6番目は近接です。昨日まで紹介した4寸の帯の唐草と同じ意匠かと思いましたが、よく見ると違います。同じ曲線の植物文でも、4寸のものは基本の唐草パターンでしたが、こちらは更紗のように見えます。更紗模様が縦にグラデーションになっているのは、模様を経糸で織り出しているからです。

IMG_52472.jpg
写真7番目は、帯の幅を写真の幅として撮ったものです。

スポンサーサイト
[ 2017/05/29 ] カジュアル | TB(0) | CM(0)

博多の4寸の帯

第三千七百五十八回目の作品として、博多の4寸の帯を紹介します。

先日から浴衣などカジュアルに使う帯として西陣の宮岸織物の麻の「七尾の帯」を紹介していますが、浴衣の帯と言えば、普通は西陣ではなく博多ですよね。今日は主流の浴衣帯として博多の4寸の帯を紹介します。基本の献上や独鈷ではなく、模様が付いたものです。

織っているのは二口という織屋で、幅は4寸ではなく4.3寸と表記されています。今の使いやすいサイズであることをちゃんとアピールしているようです。

IMG_52182.jpg
いちばん上の写真は、帯の幅を写真の幅として撮ってみました。沖縄の絣を模したデザインです。沖縄の絣は絵絣とは言わず模様単位と言ったりします。生活用品や自然現象など人が目にするあらゆるものを抽象的な模様にしていて、その数は数百あるとされています。天才デザイナーが創ったのではなく、人々が数百年使って徐々に数が増え、洗練されていったのだと思います。それを模様の単位として複数合わせて絣や花織の意匠になっているのですが、ここではそれを拝借しているわけです。。

IMG_52192.jpg
写真2番目は、模様部分に近接してみました。西陣の帯は、絵緯糸といって模様表現のためだけの緯糸があり、それを使って模様表現をすることが多いですが、この写真を見ると博多の帯では経糸を使って模様表現をしていることが分かります。西陣の帯は模様表現に緯糸を使うからお太鼓柄というのがあるわけですが、博多の帯のばあいは経糸で模様表現をするので、全体につながるのが合理的なんですね。

IMG_52142.jpg
写真3番目は、帯の幅を写真の幅として撮ってみました。

IMG_07012.jpg
写真4番目は、模様と地の紗の部分を拡大してみました。模様部分が経糸であること共に、紗の部分がよくわかるように撮ってみました。模様部分と紗の部分が半々ぐらいで、模様表現と涼しさを両立しているという帯なのです。

IMG_52322.jpg
写真5番目は、帯の幅を写真の幅として撮ってみました。模様の色がグラデーションになって奥深い表現になっています。経糸で模様表現をしているので、このようなグラデーションがつくれるのです。西陣のように絵緯糸であれば模様の途中で糸を換えなくてはならず不合理です。織物の組織とデザインは密接に関係があるわけですね。

IMG_52252.jpg
写真6番目は、上の帯の色違いです。

IMG_07002.jpg
写真3番目は、紗の部分がよくわかるように近接してみました。紗の部分は経糸の間隔が変えてあり、それも織物の意匠になっています。
[ 2017/05/27 ] カジュアル | TB(0) | CM(0)

七野の麻の名古屋帯(8寸)

第三千七百五十七回目の作品として、七野の麻の名古屋帯(8寸)を紹介します。

昨日紹介した宮岸織物(1393)は8寸の麻の名古屋帯も織っています。縞も織っていますが、今日紹介するのは具象的な模様の帯です。帯合わせもしていますが、ふだん4寸の帯を合わせる浴衣に8寸の帯を合わせると、ややフォーマル方向になります。

IMG_06922.jpg
いちばん上の写真はお太鼓です。

IMG_06952.jpg
写真2番目は拡大です。地は昨日と同じ平織ですが、模様部分は絵緯糸で表現されています。絵緯糸には細い抑え糸が使われています。表示は「麻100%ただし抑え糸を除く」とありますが、これがその麻でない抑え糸ですね。

img-30002.jpg
写真3番目は、近江ちぢみと合わせてみました。

IMG_53692.jpg
写真4番目は、別の柄を近江ちぢみと合わせてみました。

IMG_06982.jpg
写真5番目は、絹紅梅と合わせてみました。絹紅梅あるいは綿紅梅は、細い糸の間に経緯ともに一定間隔で太い糸を混ぜて織った生地で、両者の高低差から生地が肌にぴったりつかず涼しいというものです。生地に高低差があるので「勾配」で、それを江戸っ子らしい駄洒落で「紅梅」といったものです。江戸時代の文というのはかな表記が多く、どちらも「こうはい」ですから、駄洒落が思いつきやすかったのでしょう。

「絹紅梅」というのは、生地の素材と織の組織について言っているだけで、加工については言っていません。つまり加工は自由で、浴衣のようなカジュアルにすることもありますし、縮緬にするような多色の小紋にすることもあります。付下げや訪問着に染めることもできるでしょうね。この例では、藍染で浴衣のようにしています。

IMG_06992.jpg
写真6番目は、初山一之助の長板藍染の浴衣と合わせてみました。浴衣の模様がこまかくてごちゃごちゃしているので、帯の模様は余白が多いものにしてみました。
[ 2017/05/26 ] カジュアル | TB(0) | CM(0)

七野の麻の半幅(4寸)の帯

第三千七百五十六回目の作品として、七野の麻の半幅(4寸)の帯を紹介します。

七野の帯というのは、麻の浴衣用のカジュアルな帯ですが、織っているのは宮岸織物という西陣の織屋さんです。証紙番号は1393です。4寸も8寸もあり、無地も縞も柄物(絵緯糸で表現している)もありますが、今日紹介するのは4寸で、博多帯にもありがちな1本独鈷という意匠ですね。

色はいろいろあるようですが、紹介するのは青だけです。浴衣の基本色は紺なので、この帯で同系色濃淡を作ってみます。

IMG_51902.jpg
いちばん上の写真は、帯の幅を写真の幅として撮ってみました。

IMG_06852.jpg
写真2番目は拡大です。基本の平織で、拡大するほどのこともないと思いましたが、ついしてしまいました。

IMG_51942.jpg
写真3番目は、雪花絞りの浴衣と合わせてみました。藤井絞のものです。雪花絞りは明治時代に有松で考案された折りたたんで圧力をかける絞りです。縫い絞りに比べれば簡単なので量産がきく技法として開発されました。藤井絞は有松に外注して染めています。

有松のブランドで販売される雪花絞との違いは、有松ブランドが木綿であるのに対し、藤井絞は麻が半分入っている生地を使っていることです。それで少し涼しいということでしょうが、私はそれより麻が入っているために生地に光沢があるのが気に入っています。雪花絞のデザインで光沢があると、江戸切子みたいな雰囲気が出て綺麗なのです。

IMG_06902.jpg
写真4番目は、初山一之助の藍の長板染の浴衣を合わせてみました。浴衣は時代によって変遷しています。江戸時代以来の浴衣は、1反ずつ型で糊を置いて防染し、藍甕に浸けて染めていました。これがいちばん純粋なホンモノですね。大正時代になると注染が発明され、一度に数十枚染められるようになりました。この技法が発明された時は、安物用の量産技法だったのでしょうが、現在はインクジェットが発明されてしまっため、この注染がホンモノとして尊重されるようになってしまいました。

初山一之助の浴衣は、一番ホンモノの藍の長板染ですが、最近は残念ながらやってないみたいですね。今後ホンモノを買おうと思うと、30万円ぐらいする人間国宝の松原さんと、10万円ぐらいする竺仙しかないのではないでしょうか。

IMG_06882.jpg
写真5番目は、三勝の注染の浴衣を合わせてみました。

IMG_51952.jpg
写真6番目は、藤井絞の浴衣を合わせてみました。これも折りたたんで圧力をかける絞りで、折りたたんだ痕跡が線になって残っています。本来の絞の模様である丸と相まって、グラフィック的な意匠になっていますが、折りたたんだ痕跡の線は、当初から意図的なものだったかよくわかりません。

IMG_06872.jpg
写真7番目は、三勝の浴衣を合わせてみました。帯の色とほとんど同色に見えて面白いので載せてみました。
[ 2017/05/25 ] カジュアル | TB(0) | CM(0)

民芸ポーラ絣の近接と拡大

第三千五百二十九回目は、民芸ポーラ絣の近接と拡大です。

ポーラと呼ばれる織物については、昭和に生まれた新しい民芸としてうちでも売っていましたが、ポーラという名称の元であるporal(ポーラル)あるいは、その素材である撚りの強い梳毛糸 (そもうし)について、私はほとんどなじみがなかったので、今回ちゃんと顕微鏡で見てみました。

IMG_46711.jpg
いちばん上の写真は、反物の幅を写真の幅として撮ったものです。淡い水色の経緯の絣模様です。今回仕入れたものには、経緯の絣と縞と経絣だけのものがあります。理論上は経緯の絣の方がはるかに手間がかかって、圧倒的に高価なのですが、今回は同じ値段でした。

但し、経緯の絣の方が反物の幅が狭く、縞または経絣だけの方が反物の幅が広いです。処分されるときは一括で処分されたものでしょうが、織られた年代はかなり違い、経緯絣の方がずっと古いのでしょう。おそらくかつては手間のかかる経緯絣が織られていたのが、近年、縞と経絣だけになって、その後生産中止になる、という歴史だったのだと思います。

IMG_46751.jpg
写真2番目は近接です。一部赤が入った経緯の絣です。

IMG_46781.jpg
写真3番目は拡大です。わかりやすいように背景に赤い布を敷いてみました。捺染の絣ですが、なんと、絣の足がグラデーションになっています。高級な手括り防染の絣みたいです。こういうところに作り手の姿勢が現れます。彼らがただのカジュアルではなく、高価な民芸作品と同じような姿勢で作っていたという証拠です。

IMG_46761.jpg
写真4番目は、さらに拡大です。かなり撚りがかかっています。撚りの強い梳毛糸 (そもうし)ということでしょうか。かなり光沢がありますが、これが絹35%でしょうか。

もう1反、観察してみますね。

IMG_46921.jpg
写真5番目は、反物の幅を写真の幅として撮ったものです。縞と経絣の組み合わせです。色は白の他に2色です。

IMG_46941.jpg
写真6番目は近接です。絣足は適度にずれて良い感じです。昔の矢代仁の西陣お増しの見本帳にありそうな意匠です。

IMG_46961.jpg
写真7番目は拡大です。縞部分です。

IMG_46971.jpg
写真8番目は、さらに拡大です。
[ 2016/10/09 ] カジュアル | TB(0) | CM(0)