紫紘の袋帯「梅」の帯合わせ

第三千九百三十六回目は、紫紘の袋帯「梅」の帯合わせです。

今日は紬に合わせてみました。この帯を紬に合わせる時に気になるのは、この帯の地の引き箔です。数日前の帯の細部のところを見ていただくと、この地の引き箔は完全に銀箔が貼ってあるわけではなく、飛び飛びについています。光るか光らないとの中間ぐらいのところなので、あまり素朴でない紬ならいいかなと思っています。

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いちばん上の写真は、菱一の「つるばみ紬」を合わせてみました。「つるばみ紬」は菱一のオリジナル商品(「別染」あるいは「別織」といわれる)に対するネーミングです。小千谷または十日町で織られていて経糸が玉糸、緯糸が真綿糸です。
意匠はいろいろですが、これは横段の暈しです。

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写真2番目は、林宗平の本塩沢を合わせてみました。多色ですが色が淡くて野暮な感じはありません。この作品は高価な経緯絣ではなく緯絣ですが、経糸が白で緯糸だけが色糸であることで、この都会的な淡い色を演出しているのです。技法と意匠は一体ですし、その意匠に合った技法というのがあって絣が複雑ならエライというものでもありません。

ただこの帯合わせの矛盾は、早春に合う梅と単衣に合う本塩沢を合わせているところですね。

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写真3番目は、かつての重要無形文化財の要件を満たさない結城紬を合わせてみました。かつての重要無形文化財の証紙は国が検査したわけですし、現在のグレーの証紙は組合が検査しているわけです。そのどちらでもないものは品質はいろいろです。買うときは自分で手だ触ってわからないという方は、織元がわかるラベル等を見つけて検索してみたら良いと思います。

上の2例では、帯の雰囲気が馴染むような多色の淡い色を合わせました。ここではその反対ということで、グレーのきりっとした縞を合わせてみました。

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写真3番目は、塚田宝作さんの有明紬を合わせてみました。有明というのは、松本市の有明地区です。この地の伝統である天蚕(野蚕)の糸を織り込んだものです。白く見える糸が天蚕糸です。「天蚕」というのはこの産地の商標で、インドネシア産などは一般語である「野蚕」というようです。

グレーにちょっと赤が入る縞は、早春に初めて咲く花のようで、この帯に合うんじゃないかと思いました。

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写真5番目は、郡上紬を合わせてみました。手紡ぎ・手織り・草木染の紬ですが、その雰囲気は素朴というより都会的です。この帯が合う紬の条件はただ1つ、都会的ってことですね。

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写真6番目は、山下八百子さんの黄八丈を合わせてみました。帯の色の系統とは違う黄色系も試してみました。

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写真7番目は、小岩井工房の上田紬を合わせてみました。草木染で手織りの紬で、そう書くと素朴なイメージですが、実際は写真で見るとおり洗練されたイメージです。池内淳子さんなど女優さんに愛用されたことでも有名で、通常の呉服業界の流通ルートではなく、工房で直接販売しています。信州旅行のついでに買えます。
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[ 2017/11/22 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

紫紘の袋帯「梅」の帯合わせ

第三千九百三十五回目は、紫紘の袋帯「梅」の帯合わせです。

今日は染めの着尺(小紋)に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。梅の着物はお正月から着始めて世間が桜の着物を着はじめたら仕舞うものですが、その始めのまだ冬のころに雪輪と合わせて着るパターンを想定してみました。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。着尺の模様は雪輪と、雪解けを表す破れ雪輪で早春のイメージです。季節としては絶妙なところでしょう。着物の地色はわりと年輩者向きですが、爽やかな帯の色との相性も意外と良いんじゃないかと思います。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。生地は紬で、市松取り、単彩、単モチーフの着尺です。

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写真4番目は、藤井絞の着尺を合わせてみました。飛び柄の絞の着尺です。梅に鶯と言いたいところですが、梅に雀です。慣用句的な組み合わせを少しずらすのもアリ? 確信犯なら上級者的な感じ。

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写真5番目は、野口の短冊模様の着尺を合わせてみました。これは地色で選んでみました。帯の梅の枝は新芽の色で、これがこの帯の隠れた主役のように思うので、着物の地色を合わせてみました。

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写真6番目は、野口の着尺を合わせてみました。写真に写っているのは笹ですが、全体は四季花が揃っています。型染の縞の上に手挿しの四季花という意匠です。
[ 2017/11/21 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

紫紘の袋帯「梅」の帯合わせ

第三千九百三十四回目は、紫紘の袋帯「梅」の帯合わせです。

今日は付下げや訪問着を適当に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、花也の付下げ「市松取り松笹」を合わせてみました。着物には松と笹だけが描かれていて、帯の梅と合わせて「松竹梅」がつくれます。なかなかこういうこともないんですけどね。たいてい1つ少なかったり、1つ重なったりします。

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写真2番目は、花也の付下げ「竹林」に合わせてみました。「松竹梅」をつくるには松が足りません。どうしても松が欲しい場合は、帯留に松ぼっくりでも持っていると良いですね。

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写真3番目は、田中勇吉さんの訪問着に合わせてみました。第33回の伝統工芸展入選作です。「松竹梅」をつくるには笹が足りません。帯留で笹というのはありそうです。現実に多いのは、着物が松竹梅で、梅が重なる方ではないかと思います。

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写真4番目は、花也の付下げ「波に千鳥」を合わせてみました。なんにでも何となく合わせられて、誰にも嫌われない「波に千鳥」です。

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写真5番目は、北秀の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは大定です。江戸時代の友禅の小袖には、京名所図会や近江八景など観光案内的なものがありました。これは楼閣模様といわれるものですね。友禅という技法は絵画性に優れているのが特長ですが、その特長を十分生かせばこういうものになるでしょう。

やりすぎると特長が仇になってデザインという概念から外れていってしまう危険があります。仮にフランスに友禅があって、マリーアントワネットが「ベルサイユ宮殿全景」なんていうドレスを着ていたらおしゃれでしょうか。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の訪問着「干支」を合わせてみました。実際に制作したのは、中井淳夫さんです。お正月に着るというテーマで合わせてみました。
[ 2017/11/20 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

紫紘の袋帯「梅」の帯合わせ

第三千九百三十三回目は、紫紘の袋帯「梅」の帯合わせです。

今日は作家モノの絵羽の着物を合わせてみました。シンプルで洗練された帯ですが、そのような帯は豪華に見えないということもあります。今回の帯は、すごく高い作家モノの着物に合わせるにしては豪華さが足りないでしょうか。今日はその辺を試してみます。

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いちばん上の写真は、森口華弘の訪問着を合わせてみました。梅に梅を合わせることになってしまったところがちょっと残念ですが、洗練でも存在感でも負けていないのでは。

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写真2番目は、羽田登喜男の訪問着を合わせてみました。美展に出品された鴛鴦24羽という本格的な作品ですが(美展価格780万円でした)、パートナーとして遜色ないですね。

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写真3番目は、加賀友禅作家、木村雨山の黒留袖を合わせてみました。本来は蜀江錦みたいな帯を合わせたいところですが、これもあり得る組み合わせだと思います。

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写真4番目は、加賀友禅作家、能川光陽の訪問着を合わせてみました。友禅界には雅号に「光」がある作家が多いですが、自分は琳派という意識があるんでしょうね。この人のばあいは、若い時に友禅の師匠とは別に、やはり「光」の字を持つ琳派系の日本画家に師事していたそうです。

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写真5番目は、加賀友禅作家、毎田仁郎の色留袖「伊勢路」を合わせてみました。これはタイトルから鳥羽の二見ヶ浦とわかります。しかし加賀友禅で夫婦岩を描いたものには、能登二見もありますね。能登二見は機具岩(はたごいわ)と言って、大きい方が女だそうです。

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写真6番目は、加賀友禅作家、毎田仁郎の色留袖を合わせてみました。宗達および光琳の「松島図」に取材したと思われる作品。松島図と思われる絵を霞取りにして、その取り方どうしが有機的につながるように千鳥を飛ばしています。本歌には千鳥はいませんよね。

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写真7番目は、加賀友禅作家、中町博志の訪問着を合わせてみました。中町博志が注目されたとき、加賀友禅なのにモダンと思われていましたから、モダンな雰囲気の帯が合いますね。
[ 2017/11/19 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

紫紘の袋帯「梅」の帯合わせ

第三千九百三十二回目は、紫紘の袋帯「梅」の帯合わせです。

今日は付下げを合わせてみました。この帯が持っている洗練された雰囲気を壊さないという条件で選んでみました。合わせる相手は、倉部さんとか安田とか、一の橋とか花也とかっていうことになりますね。

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いちばん上の写真は、花也の付下げ「雪輪取りサンテチエンヌリボン」合わせてみました。サンテチエンヌというのはフランスの内陸部の都市で、リボンの産地として知られています。そのリボンの意匠に取材しています。どんなものかと検索してみると、犬のリードを売っているサイトがありました。

雪輪取りにしていますので、梅の時期につなげれば冬から早春で、お正月から気持ち良く着られると思います。

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写真2番目は、花也の付下げ「サンテチエンヌリボン」合わせてみました。サンテチエンヌリボンシリーズの第1作で、実際のリボンのように見せています。着物の意匠としてはこのような模様配置は、能の衣装の鬘帯に見立てて桂帯と言ったりしますね。紐状のモチーフは、伸ばしたり縮めたり丸めたり自由なので着物の意匠としてとても便利です。お客さまの予算に応じて何回転でもしちゃいますし、少なければ最短距離にしちゃいますから。

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写真3番目は、花也の付下げ「和本」合わせてみました。梅→天神さま→学問の神さま→本、とつなげてみました。理屈を考えて合わせるのも帯合わせの遊びですし、上手くできると気持ちが良いです。

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写真4番目は、一の橋の付下げ「花兎」を合わせてみました。実際に制作したのは安田さんです。梅と兎は直接関係ないですが、洗練と言えば安田、ということでぴったり合ってますよね。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げ「波に兎(竹生島)」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。もう1人、洗練と言えば倉部さんですよね。波と兎の組み合わせは、謡曲「竹生島」に由来します。船で竹生島に渡るときの情景で、月光に照らされた波頭が、兎が奔るように見えるというところです。竹生島って、普通ではなかなか行く機会は無いですが、行ってみたいと思いませんか。

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写真6番目は、一の橋の付下げ「切霞割付け暈し」を合わせてみました。霞をテーマにしたもので、本来ならグラデーションだけで表現すべき霞を、細密な糊糸目友禅、シャープな縁蓋、ぼかしのグラデーションの3者で表現しています。洗練というテーマであれば、これが代表かなということで。
[ 2017/11/18 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)