都織物の八寸の名古屋帯「更紗文」の帯合わせ

第三千八百十三回目は、都織物の八寸の名古屋帯「更紗文」の帯合わせです。

八寸の名古屋帯なので紬に合わせます。

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いちばん上の写真は、青戸柚美江さんの出雲織を合わせてみました。矢絣のようなデザインです。本来の矢絣は1800年ごろから矢代仁で織られた経絣で、均等の間隔で防染した後、梯子という道具を使って経糸をずらすことで矢の形にするというものでした。それに対して、この矢絣は真っ白な矢形が経緯の絣、地色との中間色が経絣になっています。経緯の絣と経絣の併用によって、≫白に濃淡を作っているのですから、本来のもより高度な絣になっていますね。

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写真2番目は、久留米絣を合わせてみました。基本は緯絣ですが、全体が地色との中間色ながら、それぞれの丸型のうちごく一部に白い箇所があります。その部分が経緯絣で、それがアクセントになっています。一方価格も手間も、そのアクセントのために2倍ぐらいになるんですよ。安価な緯絣から高価な経緯絣の扱いになるわけですから。

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写真3番目は、舘山の唐桟を合わせてみました。古いもので、頴と光司の兄弟連名のラベルが付いています。

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写真4番目は久米島紬を合わせてみました。70年代に作られた佐藤さんの阿波藍で染めた糸で織った久米島紬です。久米島紬自体が重要無形文化財になった今は、もちろんそんな文化を捻じ曲げるような邪道なものはありません。しかし、藍の色が透明でとてもきれいなものです。

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写真5番目は、石下紬を合わせてみました。重要無形文化財でない結城紬と石下紬はどう違うのでしょうか。ラベルなど全て取り去ったら見分けることができるのでしょうか。ちなみに地理的には結城市と結城郡石下町の違いです。昔は結城郡に結城町と石下町があったのが結城町が結城市になって郡から抜けたためにそうなったのだと思います。結局、出荷する組合の違いだと思います。

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写真6番目は、重要無形文化財に相当する結城紬を合わせてみました。百亀甲の総柄です。
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[ 2017/07/21 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

金谷の八寸の名古屋帯「菱文」の帯合わせ

第三千八百十一回目は、金谷の八寸の名古屋帯「菱文」の帯合わせです。

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いちばん上の写真は、大城広四郎の琉球絣を合わせてみました。沖縄県で産する平織の絣は、定義上、琉球絣ということになります。大城広四郎の工房は南風原にあって、これは本人存命中のものですが、現在は息子さんの代でラベルの表記は「大城広四郎工房」となっています。

縞の中に沖縄独特の模様単位が並ぶ意匠で、「綾の中」と言われるものです。素材は経が玉糸、緯が真綿で温かみを感じる手触りです。

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写真2番目は、やまだ織物の本塩沢を合わせてみました。経緯絣のもので、ダイヤ形の模様を帯の模様にシンクロさせてみました。

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写真3番目は、松枝玉記の久留米絣「菱枠の中の菊」を合わせてみました。松枝玉記の作品集「藍生」にも掲載されている作品です。菱文のシンクロ狙いです。着物と帯が同じ模様というのはすごく変ですが、あえて狙ってやってみるということもあり得ますね。

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写真4番目は、郡上紬を合わせてみました。手紡ぎ、手織り、草木染という伝統的なホンモノ要素を集めた紬ですが、意匠には都会的な雰囲気があります。良いものはみんなそうですよね。伝統を守っても古く感じるということはありません。

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写真5番目は、重要無形文化財に相当する結城紬を合わせてみました。八十亀甲の総柄で、グラフィックデザインみたいな模様になっています。

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写真6番目は、山村衛さんの久留米絣を合わせてみました。菱文に対し丸みのある模様を合わせてみました。宝尽文様のうち金嚢(きんのう)あるいは宝袋といわれるものです。菱文をダイヤと思えば良い組み合わせではないかと。
[ 2017/07/19 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせ

第三千八百九回目は、一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせです。

今日は染め帯を合わせてみました。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の染めの名古屋帯「色紙重ね」を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんです。

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写真2番目は、花也の染めの名古屋帯「硯に羊歯文」を合わせてみました。糊糸目の線描きを多用して羊歯文を描いています。硯に羊歯文が描いてあるとも言えますし、硯を取り方にして羊歯文を描いてあるとも言えますね。

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写真3番目は、一の橋の染めの名古屋帯「くす玉」を合わせてみました。

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写真4番目は、花也の染めの名古屋帯「琳派流水文」を合わせてみました。霞の中に波があり、その中に色紙があり、その中に琳派の流れの風景があるという全体が入れ子構造になった意匠です。流水には楓も散っていますが、その流れが着物全体に広がっていくような帯合わせにしてみました。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の染めの名古屋帯「斜線に玉」を合わせてみました。実際に制作したのは中井亮さんです。

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写真6番目は、一の橋の染めの名古屋帯「毘沙門亀甲文」を合わせてみました。「毘沙門亀甲」というのは、毘沙門天が着ている鎧のパターンです。
[ 2017/07/17 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせ

第三千八百八回目は、一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせです。

今日は自由に帯合わせをしてみました。

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いちばん上の写真は、織悦の袋帯「光琳水」を合わせてみました。紅葉だけの意匠の着物に、水の意匠の帯を合わせれば、2つ合わせて「龍田川」が出来上がります。そうなれば見事ですが、このばあいはすでに着物に波があるので、水が重なってしまいます。実際に合わせたところを見れば、重なると言っても、しょせんは水だからか、しつこい感じはないですね。

なおこの帯の水は、MOA美術館にある「紅白梅図」の流水部分です。梅の着物と合わせれば紅白梅図がつくれますし、桜と合わせれば「桜と流水がつくれますし、菖蒲と合わせれば「八橋図」、紅葉と合わせれば「龍田川」と便利な帯です。

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写真2番目は、龍村の袋帯「海音光映錦」を合わせてみました。やはり波を合わせた例ですが、紅葉と合わせる波にしては、激しすぎるでしょうか。

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写真3番目は、龍村の袋帯「波兎遊跳文」を合わせてみました。波と兎を合わせたモチーフは江戸時代から多くあります。元は謡曲「竹生島」で、勅使たちが竹生島に上陸する直前、島の周囲の景色を描写するのですが、月に照らされた波が兎が奔るように見える、というところです。

ここでは、「龍田川」と「波兎」ということで、水に関する2つのテーマが並んでいることになります。波を共通項として馴染んでいるとみるか、2つの違う組み合わせが混じってしまっているとみるか、どちらでしょうか。
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写真4番目は、龍村の袋帯「錦秀遺芳文」を合わせてみました。反っくり返った鹿は、平家納経のうち俵屋宗達が修復した部分です。平家納経と言えば安芸の宮島、宮島と言えば紅葉饅頭ですよね。反っくり返った鹿から平家納経に気付いた人だけは、意味的なつながりに気付ける帯合わせです。

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写真5番目は、喜多川俵二の名古屋帯を合わせてみました。この帯の意匠も平家納経に取材したものです。厳島神社を通して紅葉と意味的につながっています。

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写真6番目は、喜多川俵二の名古屋帯「鳥襷丸文」を合わせてみました。「鳥襷丸文」は王朝時代に由来する有職文様の1つです。有職故実というのは鎌倉時代にまとめられてということです。体系化されて完成するというのは、現役時代の少し後ですよね。現役時代は進歩しているので完成しないのでしょう。ローマ法が不磨の大典になったのは西ローマ帝国滅亡後のユスティニアヌスの時代ですし。

有職文様の良いところは、上品というだけで、意味に関係なく柄を合わせることができるところですね。

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写真7番目は、喜多川俵二の名古屋帯「角繋ぎ」を合わせてみました。シンプルな紅葉流水に合わせ、シンプルな色とデザインの帯で合わせてみました。
[ 2017/07/16 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせ

第三千八百七回目は、一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせです。

すっきりした意匠の着物ですから、すっきりした帯ということで間道を中心に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「海老殻間道」を合わせてみました。

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写真2番目は、龍村の袋帯「郁芳間道」を合わせてみました。

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写真3番目は、龍村の袋帯「ちとせ間道」を合わせてみました。

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写真4番目は、龍村の袋帯「彩香間道」を合わせてみました。

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写真5番目は、池口の袋帯「佐波理つづれ」シリーズの極初期の1本を合わせてみました。御簾をテーマにしたもので、垂れの部分で御簾だったとわかりますが、それ以外の部分はまるで間道です。。

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写真6番目は、おび弘の袋帯を合わせてみました。モダンとも思える色とデザインですが、技法はホンモノの引き箔でじつは伝統的な帯です。
[ 2017/07/15 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)