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一の橋の型染の着尺の帯合わせ

第三千八百三十九回目は、一の橋の型染の着尺の帯合わせです。

今日は、今回の着物の生地が紬地であることを生かして、本来であれば紬の着物に合わせる帯を合わせてみました。ただあまりにも民芸的な味わいの帯を合わせるのも違和感があるため、作家モノの浮織の名古屋帯を合わせてみました。

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いちばん上の写真は、秋山真和さんの花織の袋帯を合わせてみました。沖縄の海のようなグラデーションで、こういうセンスは作家モノっぽいです。

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写真2番目は、秋山真和さんの浮織の袋帯を合わせてみました。一見、花織に見えますが、じつは花織風にグラデーションの配色をした浮織です。文学でも絵画でも織物でも、作家は鑑賞者をだまして遊ぶものですね。

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写真3番目は、ルバース吟子さんの首里織の名古屋帯を合わせてみました。技法としては浮織で、横に連続している模様は綜絖花織、塊になっている模様は手花織です。

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写真4番目は、ルバース吟子さんの首里織の名古屋帯を合わせてみました。技法としては浮織で、この作品も綜絖花織と手花織を併用しています。浮織は裏に渡り糸が有るので、横につながる模様は綜絖を使う浮織、つながらない模様は手で糸を差し入れる浮織が合理的なのです。

生地に別の糸を差し入れて紋織を形成する技法は、技法名としては浮織ですが、沖縄では、組織の一部が変化して紋織を形成する花織と区別されず「花織」といいます。「読谷花織」がその例です。

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写真5番目は、上間ゆかりさんの首里織の名古屋帯を合わせてみました。技法は花織です。上間ゆかりさんは東京の美大を出ていて、色が森田空美さんの無地系の着物に対応している雰囲気です。青山八木さんでよく扱っていた作家さんと言えば、色のセンスが理解できますね。

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写真6番目は、伊那紬の浮織の名古屋帯を合わせてみました。伊那紬は伝産マークによって信州紬の1つにカテゴライズされていますが、他の信州紬が格子までであるのに対し、浮織も織っています。
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[ 2017/08/17 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の型染の着尺の帯合わせ

第三千八百三十八回目は、一の橋の型染の着尺の帯合わせです。

今回の着物は後染ですが、生地は紬なので、帯合わせについては着る人の都合の良いように広く解釈して、フォーマル方向もカジュアル方向(紬方向)も試してみたいと思います。今日は西陣織の名古屋帯を合わせてみました。京都の産物を合わせるのは、中央の文化ですからフォーマル方向の帯合わせですね。

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いちばん上の写真は、錦工芸の名古屋帯「雪の結晶」を合わせてみました。単彩主義の着物に単彩の帯を合わせて、全体に色数を抑えて帯合わせです。こういうのは都会的な雰囲気になりますね。

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写真2番目は、錦工芸の名古屋帯「インカ鳥波」を合わせてみました。エスニックなテーマで、どちらかというと紬と合わせてお洒落な感じの帯です。紬地に後染という変則パターンの着物は、こういうのがぴったりあったりしますね。

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写真3番目は、錦工芸の名古屋帯「南天」を合わせてみました。白茶色地の着物に白地の帯で、南天の実の赤が効き色になっています。

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写真4番目は、龍村の名古屋帯「アンデスの神」を合わせてみました。「インカ鳥波」と同じプレインカ文明をテーマにしたものです。錦工芸と龍村の作風の違いが比較できます。

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写真5番目は、龍村の名古屋帯「瑞典星陵文」を合わせてみました。これもエスニックなテーマです。龍村は国別のテーマで展示会をしていました。

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写真6番目は、龍村の名古屋帯「麗葉花」を合わせてみました。麗葉花というのはおそらくグアバの意味だと思います。
[ 2017/08/16 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせ

第三千八百三十六回目は、錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせです。

今日は付下げに合わせてみました。

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いちばん上の写真は、菱一の付下げ「洋花」を合わせてみました。実際に制作したのは大松です。帯合わせの都合で、帯と着物の模様を近接させて撮っていますが、実際には着物の裾の低い位置に洋花が並ぶ意匠です。裾模様は江戸時代後期から流行った模様配置で、江戸町人の粋や武家の質実剛健を合わせたような地味なものですが、ここでは裾に多彩な花を配し地味とも派手とも解釈できるような様式になっています。

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写真2番目は、菱一の付下げ「縦付け菊」を合わせてみました。実際に制作したのは大松です。黒い地色は粋な雰囲気になりがちですが、そこに縦にすっと伸びる花を配しますます粋な雰囲気に演出しています。

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写真3番目は、秀雅の付下げ「アーチ更紗」を合わせてみました。実際に制作したのは千ぐさです。イスラム美術的なアーチ模様に更紗の花を配したものです。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の付下げ「ぼかし豆」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。糸目を消した表現で中井さんらしい凝った技法です。ちょっとデカダンの風のある独特な雰囲気です。そのデカダン風はどこから来るのか、茶色系の地色か、蔓の曲線模様か、あるいは裾の方が淡い色の暈しであることから来る不安定感か。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げ「八重葎」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。これも手描き友禅ですが糸目の無い表現です。曲線模様の和でも洋でもない表現で、「インカ鳥波」がなんとなく合う感じですね。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の付下げ「雲海」を合わせてみました。実際に制作したのは西山謙一さんです。西山さんは、普通の糸目友禅ではなく、無線友禅やダンマル描きを専業とし写生的な作風で制作しています。写生的な表現をしたい作家は、糸目の無い無線友禅やダンマル描きといった技法を選ぶわけです。

糸目のある表現で様式的な表現をする作者は作品に失敗が少ないですが、写生的な表現をする作家は失敗するときはすごくつまらない絵を描くものです。この作品はけっこう上手く行った例ではないでしょうか。
[ 2017/08/14 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせ

第三千八百三十五回目は、錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせです。

今日はカジュアルな訪問着に合わせてみました。パーティー着と言われるタイプです。

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いちばん上の写真は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。更紗模様の着尺に使う型(シルクスクリーン)を流用したものです。

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写真2番目は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。横段模様の着尺に使う型(シルクスクリーン)を流用したものです。

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写真3番目は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。江戸時代の武士の衣装である熨斗目模様をイメージしたものです。

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写真4番目は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。反物状態で販売されていますが、指示された位置で裁つと更紗の訪問着になります。

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写真5番目は、千切屋治兵衛のカジュアルな雰囲気の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは、中井淳夫さんです。糸目を消した友禅で脱力感のある模様が描いてあります。落書きのような雰囲気を出すためにわざわざ糸目を消しているんですね。脱力感のある落書きにきれいな糸目があっては不自然ですものね。そういうことに芸が細かいのが中井流です。
[ 2017/08/13 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせ

第三千八百三十四回目は、錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせです。

今日は染めの着尺に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、野口の着尺を合わせてみました。エキゾチックな帯に合わせる着物と言えば、とりあえず更紗ですね。帯が多色ですから単彩濃淡のものを選んでみました。それと帯の主役が鳥なので、着物に鳥がいないことも大事ですね。

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写真2番目は、野口の着尺を合わせてみました。暗緑色地の大きい蔓草模様です。こういう模様は更紗模様か唐草模様かわかりにくいことがあります。花の形で判断してこれは更紗だと思いますが、西陣の帯のタイトルのばあい、唐草文の系譜の属するものでありながら、わざと間違えて「××更紗」とタイトルを付けているものがあります。おそらく意匠登録の都合と模倣者を惑わせるためだと思います。

大きな模様の着尺は一見帯合わせが難しそうですが、模様が大きいということは余白も大きい(無地場がある)ということです。そのため帯が合わせやすいこともあります。

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写真3番目は、野口の着尺を合わせてみました。いちばん上の写真の更紗模様のパターンを和モノにしてみれば、こんな吹寄せ模様になるんじゃないでしょうか。

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写真4番目は、岡重の着尺を合わせてみました。岡重の着尺というのは野口ブランドで販売されるものもありますが、岡重ブランドで販売されることもあります。野口ブランドのものは止め柄になっています。実質どちらも同じですが、私は野口が関わったものの方がセンスが良いような気がしてしまいます。贔屓目でしょうか。これは野口が関わらないものでが、笹舟のテーマなので本当は単衣用だと思います。でも生地が単衣っぽくないんですよね、野口ならそういう手抜かりはないのですが。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の着尺「花菱入り霞」を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。帯が横段模様なので、着物の模様も水平配置にしてシンクロさせてみました。着物は無彩色で模様も古典パターンですから使い勝手は良いです。

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写真6番目は、野口の着尺を合わせてみました。紬の生地に細かい絣のような模様を染めたものです。一見織物でじつは染物という着物ですね。何のために存在するのかわかりませんが、帯合わせを含め使い勝手は良いです。細かいながら格子の幅を変えるところなど野口らしいセンスもあります。
[ 2017/08/12 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)