金谷の八寸の名古屋帯「市松」の帯合わせ

第三千七百八十四回目は、金谷の八寸の名古屋帯「市松」の帯合わせです。

昨日は、帯に絵画性が無いことから着物で絵画性を補うという発想で帯合わせをしました。今日は、帯に絵画性が無いのは作者の意図と解釈し、その意図を貫徹させてあげるため、着物も無地と縞と格子にして、全身無地系にしてみました。無地系という言葉を呉服業界に認知させたのは森田空美さんということが有名になりすぎて、無地っぽいコーディネートをしていると森田空美風と言われますよね。

私は無地系の良いところは、とりあえず着ている人を頭が良さそうに見せるところだと思います。悪いところは、失敗ということが無いので誰でも真似できてしまい、またかと思われるところですね。

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いちばん上の写真は、齋藤頴さんの館山唐桟を合わせてみました。白黒の帯に、さらに無彩色のグレーの縞を合わせて、模様だけでなく色さえ無くして無地系を貫徹してみました。

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写真2番目は、林宗平の塩沢紬の藍の縞を合わせてみました。白黒の帯に紺色の着物の組み合わせです。

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写真3番目は、牛首紬の無地を合わせてみました。グレーの無地の牛首ですが、グレーの色にちょっと甘みがあって、それが微妙な色気になっています。無地系の持つ知的なイメージを維持しつつ女性的な色気も出そうと思うと、色の微妙な部分で勝負することになるんじゃないんでしょうか。

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写真4番目は、久米島紬の細かい格子を合わせてみました。泥染の微妙に焦げ茶味のある黒に細かい格子です。

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写真5番目は、白鷹紬を合わせてみました。白鷹町を産地とする織物で、経産省の伝産マークの区分では「置賜郡の紬」に含まれます。塩沢にお召である本塩沢と真綿である塩沢紬があるように、白鷹町には白鷹お召と白鷹紬があります。これは手紡ぎ真綿糸を使った手織りの紬です。

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写真6番目は、久米島紬の縞を合わせてみました。今日でいちばん上手な帯合わせになりました。そう思いませんか。
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[ 2017/06/22 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

金谷の八寸の名古屋帯「市松」の帯合わせ

第三千七百八十三回目は、金谷の八寸の名古屋帯「市松」の帯合わせです。

今回の帯は市松模様だけで絵画的な要素が無いですから、絵画的な絣を合わせることでバランスを取るのが良いと思います。しかしながら、模様のない帯を織った人は、模様が無いことが美しいと思ったのかもしれませんから、着物も模様のないものを合わせて、帯を織った人の意図を貫徹させてあげても良いです。

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いちばん上の写真は、重要無形文化財の結城紬を合わせてみました。百亀甲の総柄です。

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写真2番目は、六条雪山紬(本当は塩沢紬)を合わせてみました。先日、悪い例として使った六条雪山紬を普通に使ってみました。

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写真3番目は、弓浜絣を合わせてみました。弓浜絣は民芸的な雰囲気が特長ですから、物語性のあるデザインが好きです。

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写真4番目は、弓浜絣を合わせてみました。普通の木綿の絵絣は紺地ですが、これは色を反転させたもので、グレー地で模様が紺です。帯が黒白の無彩色ですから、着物をグレー地にすることで、無彩色モノトーンをつくって、色だけは無地系着物の思想を取り入れてみました。

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写真5番目は、林宗平の塩沢紬を合わせてみました。現在は息子さんの代ですが、林宗平さんの時代は「古代紬」というブランドでした。有栖川龍文を並べたもので、しつこいぐらい模様が有りますが、帯は模様が無くバランスが良いのではないでしょうか。

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写真6番目は、ジャワ更紗の着尺を合わせてみました。かつてインドネシアとの貿易不均衡を是正するため日商岩井が企画したチャンチンによる紬の着物です。日本から紬の白生地を輸出し、現地でチャンチンを使う作家が加工し日本に輸入したものです。こんなことで貿易不均衡が解消するとは思いませんが、何か努力しようとする態度を示す必要があったのでしょう。
[ 2017/06/21 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

金谷の八寸の名古屋帯「捻じり梅」の帯合わせ

第三千七百八十一回目は、金谷の八寸の名古屋帯「捻じり梅」の帯合わせです。

昨日は、帯の意匠が具象ということで着物は具象を避けましたが、今日はあえて模様を重ねてみようと思います。

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いちばん上の写真は、「六条雪山紬」を合わせてみました。いくらなんでもこれはないだろうという帯合わせをしてみました。梅まつりに「梅の女王」として招待されたときの帯合わせに良いと思います。「六条雪山紬」の正体は塩沢紬です。「六条雪山紬」は高峰秀子と松山善三のコンビで制作された映画のタイトルです。塩沢紬の織元をモデルにした映画で、当時、ホンモノの塩沢の織元が凝らば商品を制作したようです。

映画のコラボというとミーハーなイメージですが、真綿で手織りのとても良い紬です。意匠的には女優さんの色香が感じられるものなので、意識して作ったんでしょうね。

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写真2番目は、弓浜絣を合わせてみました。弓浜絣は、山陰の絵絣の伝統的な産地ですが、布団地のような厚手で、絣は緯絣だけの平明な表現ですが、その代わり絵画性が高いです。ようするに民芸のイメージを絵にかいたようなものですね。

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写真3番目は、小川内龍夫さんの久留米絣を合わせてみました。重要無形文化財の要件を満たす久留米絣です。経緯の絣ですが、経緯絣の部分が真っ白になるのに対し、緯絣部分が地色との中間色になるのを利用して、色に濃淡のある奥行きのある表現にしたものです。細密な表現をするため糸は細く、薄手でさらっとしています。このようなものは民芸というより伝統工芸展に入選するためのコンペティション的ですね。

絣の模様が幾何学模様的なので、模様が重なる感じはないかなと。

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写真4番目は、「木曽紬」を合わせてみました。昔の仕入れでたまたま在庫としてあるものです。伝産マークのある信州紬には木曽紬というのは無いので、十日町のものなんじゃないかと思います。真綿で手織りの良い紬なんですけどね。

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写真5番目は、大城広四郎の琉球絣を合わせてみました。南風原の工房です。

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写真6番目は、塩沢紬を合わせてみました。経緯絣の真綿の紬です。緑色と紺色の組み合わせが面白いので選んでみました。
[ 2017/06/19 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

金谷の八寸の名古屋帯「捻じり梅」の帯合わせ

第三千七百八十回目は、金谷の八寸の名古屋帯「捻じり梅」の帯合わせです。

シンプルですが具象的な模様ですから、着物は具象を避けて、縞や格子や幾何絣だけにしてみました。

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いちばん上の写真は、牛首紬の鰹縞を合わせてみました。紺の帯に紺のグラデーションという組み合わせにしてみました。

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写真2番目は、大城永光の琉球絣を合わせてみました。縞と幾何絣(沖縄独特の模様単位による絣)から成る意匠で、「綾の中」と言われるタイプですね。

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写真3番目は、大城織物工場の琉球絣を合わせてみました。大城織物工場は大城カメさんの工房です。大城広四郎も含めて、大城という姓は多いですからわかりにくいですが、みんな別の工房です。格子(沖縄では碁盤の意味でグバンという)と幾何絣(沖縄独特の模様単位による絣)から成る意匠で、「手縞」と言われるタイプですね。

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写真4番目は、齋藤頴さんの館山の唐桟を合わせてみました。江戸時代後期から川越を中心に関東各地で織られ始めた木綿の縞である唐桟です。舘山で齋藤さんの初代が初めてのは明治の初期ですが、手織りりで現在まで継続している唯一のものです。他の地域の唐桟は、滅びたものもありますし、機械織りで続いてきて近年手織りで復活したものしたものもあります。手織りで復活したケースはたいてい女性が担い手になっています。

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写真5番目は、「三代目清次」という作家による十日町の紬を合わせてみました。手紡ぎ真綿の糸を草木染し手織りしたということです。実際に手で触ってみると感触がよく、嘘ではないと思うのですが、いきなり「三代目」といわれるとEXILEの仲間みたいで、よくわからないところがあります。こちらの方が先なんですけどね。

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写真6番目は、黒八丈を合わせてみました。紺の帯に対して黒黄色の着物で異質の世界ですが、わりといいかなと思っています。なにより帯の存在感が黄八丈に負けていないのが良いですね。
[ 2017/06/18 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

東京刺繍の帯の帯合わせ

第三千七百七十八回目は、東京刺繍の帯の帯合わせです。

今日は紬を合わせてみます。

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いちばん上の写真は、秋山真和さんの「綾の手紬」の縞を合わせてみました。かつて菱一が別織していた縞です。別織あるいは別染というのは問屋やメーカーが、作家や産地に対し、オリジナル商品として発注するものを言います。「綾の手紬」ブランドは、草木染で手織りの高級品ですが、菱一の別織バージョンは縞だったので、作家の意志で織った凝った絣の作品よりリーズナブルでした。

この作品は色が赤系ということで菱一でも売れ残っていて、私が安く買ったものです。オリジナル商品というのは、発注した会社が全部引き取らないといけないのでそういうこともあるのでしょう。今回は着物と帯を赤黒の関係で使ってみました。

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写真2番目は、山下八百子さんの黄八丈を合わせてみました。黒と黄色の関係を作ってみました。手刺繍で高そうだけれども、模様は遊びっぽいという帯は、人気作家の高そうな紬に合わせるには良いと思います。

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写真3番目は、読谷花織を合わせてみました。黒に黒という関係を作ってみました。

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写真4番目は、真栄城興茂さんの琉球美絣を合わせてみました。手織りの木綿地で色は琉球藍と福木です。福木は黄色いので、藍と重ね染めすると緑になります。青と黄色と緑の絣ができるわけですね。

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写真5番目は、大城永光さんの琉球絣を合わせてみました。南風原の工房ですが、沖縄の伝統の絣や花織を織っていますが、さっぱりとして実際に着やすい作風です。
[ 2017/06/16 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)