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丹波屋の名古屋帯「クリミア飾華文」の帯合わせ

第三千八百四十二回目は、丹波屋の名古屋帯「クリミア飾華文」の帯合わせです。

今日は付下げを合わせてみました。

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いちばん上の写真は、野口の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは岡本等さんです。野口はもともと「小紋の野口」と言われるぐらいカジュアルのセンスは定評がありましたが、昭和50年代の呉服業界はフォーマルばかりが売れる時代でした。野口としては小紋で得たセンスが良いという定評を傷つけないフォーマルをつくる必要がありました。そのためただ悉皆屋に発注するだけではなく、専属の作家を養成したのでした。その人でもっとも成功したのが岡本等さんだと思います。

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写真2番目は、野口の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは岡本等さんです。岡本等さんの作風の特徴は、京友禅の伝統である朱系の色を排したことです。かわりに紫を多用してモダンな雰囲気になりました。そのモダンな雰囲気を生かすのは繊細でクリアなゴム糸目でした。また色糸目も多用しました。でもそれにはルールがあって、必ず挿し色と同系色を使って濃淡関係になるようにしています。

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写真3番目は、野口の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは岡本等さんです。上の2作はエキゾチックな雰囲気ですが、これは松竹梅菊萩という和モノです。岡本等さんの作風はエキゾチックものまたは華文のような無国籍モノにふさわしいように思いますが、この写真で見ると和モノも合います。

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写真4番目は、花也の付下げ「市松取り桜」を合わせてみました。桜の時期に着る桜の着物に合わせる帯というのは迷うものです。主役の桜の純粋性を妨げてはいけないですものね。華文は数少ない邪魔しないパートナーだと思います。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げ「扇面取り四季花」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。帯の紫のモール糸に呼応するように紫の地色を選んでみました。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の付下げ「桐唐草文箱」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。倉部さんの中でも豪華な金糸の刺繍の作品です。
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[ 2017/08/20 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

丹波屋の名古屋帯「クリミア飾華文」

第三千八百四十一回目の作品として、丹波屋の名古屋帯「クリミア飾華文」を紹介します。

誰にでも愛される華文の帯です。丹波屋らしい特長と言えば、効き色として配された紫色、そしてぽわぽわしたモール糸の感触だと思います。それが無ければありふれた帯ですよね。

さてモール糸ですが、私の思い出の中にあるモール糸は、小学生のころ工作でよく使った、芯が細い針金で回りに毛虫のように化繊の糸が撚り付けてある糸でした。しかし名物裂でいうモール糸は、近世に東インド会社を通じてインドから輸入された超高級な裂に使われている糸です。日本の金糸は芯糸に金銀箔(裏は和紙)を巻き付けたものですが、インドや中近東の金糸は芯糸に金または銀の薄い板を撚り付けて作った糸なので金の使用量が多いのです。

今回の帯に使われている糸は、金銀糸の意味ではなく毛虫のような糸で、私の思い出に近いです。このような糸はシェニール糸というようです。シェニールというのはフランス語で毛虫の意味です。

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いちばん上の写真は帯の幅を写真の幅として撮ってみました。紫の色とシェニール糸の感触がアイキャッチポイントですね。

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写真2番目は近接です。

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写真3番目は拡大です。シェニール糸を拡大してみましたが、地にも特徴がありました。地は白ですが、一定の間隔で金糸が織り込んであるのです。しかも金糸は平金糸と細い撚り金糸が1本ずつセットになっているのです。そのような工夫が面白い視覚効果や質感を生んでいるのです。

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写真4番目は、もっと拡大です。

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写真5番目は裏側です。華文は絵緯糸で表現され、裏に渡り糸が有ります。

[ 2017/08/19 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

一の橋の型染の着尺の帯合わせ

第三千八百四十回目は、一の橋の型染の着尺の帯合わせです。

今日は、染の名古屋帯を合わせてみました。今回の着尺は著しく絵画性が不足していますから、絵画性の高い友禅染の帯を合わせて補完してみました。「補完」は、帯合わせの基本的な発想だと思います。

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いちばん上の写真は、花也の名古屋帯「槇に流水」を合わせてみました。着物に対しては同系色濃淡の関係にある帯合わせです。色数が少ないのでさりげなく見えますが、じつはダンマル描き、金彩、糊糸目友禅(砂部分)、金糸の刺繍、ぼかしと多様な技法を使った重装備の作品です。

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写真2番目は、花也の名古屋帯「苧環」を合わせてみました。ダンマル描きによる作品です。半防染効果を使って写生的な表現をしています。彩色と金彩と刺繍を加えています。

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写真3番目は、花也の名古屋帯「扇面取りに羊歯」を合わせてみました。糊糸目による線描きを多用していて、そこが見せ場でしょうか。

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写真4番目は、花也の名古屋帯「花文様」を合わせてみました。糊糸目の美しさがウリの普段の花也とは正反にyp対の作風です。京友禅というのは悉皆屋のシステムによってつくられますから、メーカーは突然違う作風の作品を発表することもできるわけです。

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写真5番目は、野口の名古屋帯「青手更紗」を合わせてみました。手描きの友禅ですが、筒描きみたいに太い素朴な輪郭線です。花也ばかり見ていると、糸目は細い方が美しく、技術的にも難度が高く価値があるように思えてしまいますが、逆もまた真で、太くて魅力的な糸目もあります。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の名古屋帯「恵比寿大黒」を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんです。お太鼓が大黒、腹文が恵比寿になっています。江戸時代の図像では、大黒天を鼠の姿にしたものがあります。鼠が来るのは富裕の証拠だから縁起が良いということですね。今回は耳を長くして兎にしてみました。鼠の図像で耳だけ長くしたら兎になっちゃったんですよね。

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写真7番目は、花也の名古屋帯「輪繋ぎ」を合わせてみました。ほどよくカジュアルな感じもあって、よく合っていると思いますが、それほど絵画性を補完するというほどでもないですね。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の名古屋帯「雪輪」を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんです。茶系濃淡関係でありながらメリハリもあって、とても良い帯合わせだと思います。ただ絵画性を補完するという意味は少ないかな。
[ 2017/08/18 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の型染の着尺の帯合わせ

第三千八百三十九回目は、一の橋の型染の着尺の帯合わせです。

今日は、今回の着物の生地が紬地であることを生かして、本来であれば紬の着物に合わせる帯を合わせてみました。ただあまりにも民芸的な味わいの帯を合わせるのも違和感があるため、作家モノの浮織の名古屋帯を合わせてみました。

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いちばん上の写真は、秋山真和さんの花織の袋帯を合わせてみました。沖縄の海のようなグラデーションで、こういうセンスは作家モノっぽいです。

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写真2番目は、秋山真和さんの浮織の袋帯を合わせてみました。一見、花織に見えますが、じつは花織風にグラデーションの配色をした浮織です。文学でも絵画でも織物でも、作家は鑑賞者をだまして遊ぶものですね。

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写真3番目は、ルバース吟子さんの首里織の名古屋帯を合わせてみました。技法としては浮織で、横に連続している模様は綜絖花織、塊になっている模様は手花織です。

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写真4番目は、ルバース吟子さんの首里織の名古屋帯を合わせてみました。技法としては浮織で、この作品も綜絖花織と手花織を併用しています。浮織は裏に渡り糸が有るので、横につながる模様は綜絖を使う浮織、つながらない模様は手で糸を差し入れる浮織が合理的なのです。

生地に別の糸を差し入れて紋織を形成する技法は、技法名としては浮織ですが、沖縄では、組織の一部が変化して紋織を形成する花織と区別されず「花織」といいます。「読谷花織」がその例です。

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写真5番目は、上間ゆかりさんの首里織の名古屋帯を合わせてみました。技法は花織です。上間ゆかりさんは東京の美大を出ていて、色が森田空美さんの無地系の着物に対応している雰囲気です。青山八木さんでよく扱っていた作家さんと言えば、色のセンスが理解できますね。

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写真6番目は、伊那紬の浮織の名古屋帯を合わせてみました。伊那紬は伝産マークによって信州紬の1つにカテゴライズされていますが、他の信州紬が格子までであるのに対し、浮織も織っています。
[ 2017/08/17 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の型染の着尺の帯合わせ

第三千八百三十八回目は、一の橋の型染の着尺の帯合わせです。

今回の着物は後染ですが、生地は紬なので、帯合わせについては着る人の都合の良いように広く解釈して、フォーマル方向もカジュアル方向(紬方向)も試してみたいと思います。今日は西陣織の名古屋帯を合わせてみました。京都の産物を合わせるのは、中央の文化ですからフォーマル方向の帯合わせですね。

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いちばん上の写真は、錦工芸の名古屋帯「雪の結晶」を合わせてみました。単彩主義の着物に単彩の帯を合わせて、全体に色数を抑えて帯合わせです。こういうのは都会的な雰囲気になりますね。

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写真2番目は、錦工芸の名古屋帯「インカ鳥波」を合わせてみました。エスニックなテーマで、どちらかというと紬と合わせてお洒落な感じの帯です。紬地に後染という変則パターンの着物は、こういうのがぴったりあったりしますね。

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写真3番目は、錦工芸の名古屋帯「南天」を合わせてみました。白茶色地の着物に白地の帯で、南天の実の赤が効き色になっています。

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写真4番目は、龍村の名古屋帯「アンデスの神」を合わせてみました。「インカ鳥波」と同じプレインカ文明をテーマにしたものです。錦工芸と龍村の作風の違いが比較できます。

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写真5番目は、龍村の名古屋帯「瑞典星陵文」を合わせてみました。これもエスニックなテーマです。龍村は国別のテーマで展示会をしていました。

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写真6番目は、龍村の名古屋帯「麗葉花」を合わせてみました。麗葉花というのはおそらくグアバの意味だと思います。
[ 2017/08/16 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)